5 ペット電鉄
5話目投稿です。
よかったら読んでください。
キーンコーンカーンコーン.....
おっと、昔のことを思い出してたらいつの間にか休み時間が終わっていたようだ。
今は4時間目だからこれ終わればようやく昼休みになる。 俺は春斗から視線を逸らし黒板に集中するのであった。
「それでは、今日はここまでになります。」
鐘が鳴り先生がそう言って4時間目が終了した。
昼休み、俺達は基本4人で昼食を食べる。 天気が良ければ外の校舎横に設置してあるベンチで食べるのがいつものパターンだ。因みに雨や寒い日などはお互いのどちらかの教室で食べる。
今日は天気もいいし、特に寒くもないのでいつものベンチで四人集まって食べることになった。
白鷗高校は学食があるので大体の生徒は学食を求め食堂に集まる。 後はパンなど買って教室で食べる購買組、弁当持参の弁当組と、白鳳はこの三択のどれかに分かれる。
俺と真紀は購買組、春斗と夏希ちゃんは弁当組だ。 真紀は、今お弁当作るの練習中だからちゃんと出来るようになったら作ってくるねとちょっと頬を赤らめて俺に言ってくれた。。。 可愛い奴め....
そういう訳で、真紀が作ってくれるまでは俺は自分と真紀の分のパンを買うため昼休みになると購買に直行する。 何時もの様にサンドイッチと総菜パンを何個か買い三人が待ってるベンチに向かった。
「ペット電鉄?へぇー、夏希ちゃんもあのゲーム買ったんだ。。」
食べながらそんな話をする。
ペット電鉄とは、自分の好きなペットを社長に見立て、サイコロを転がし全国の駅を回り物件を買いながら3月の決算時に総収入を競うゲームである。 それなりに人気のあるゲームで、俺も持っているので俺も真紀も勿論プレイしたことはある。
「ええ。春斗とこの前一緒に買いに行きました。どうせなら二人で出来るゲーム買いたかったですし。。」
相変わらずこの二人はラブラブである。。。 まぁ、俺と真紀も人のことは言えないが...
「二人は相変わらずラブラブだねー! ふっふっふ、、私と舞人君も負けないくらいラブラブだけどねー。。」
だよねーと真紀がそう言いつつ俺の方を見る。俺と同じことを真紀も思ってくれてたことに嬉しくなったが、、
「真紀、流石に声に出されると恥ずかしいんだが、、ついでに自分で言っておいて顔赤くするなよ。」
「......う、うっさい!」
真紀は赤く染まった顔をプイっと横に逸らし、俺は恥ずかしさから下を向いて無心にサンドイッチを頬張った。
それを見てた二人に盛大に笑われたのは当然である。。
「んで、結局二人はペット電鉄プレイしたの?」
若干のハプニング?はあったが、昼飯を食べ終わって俺は二人に聞いてみた。 まあ、普通は買っただけでプレイしてないってのは無いだろうが念のために聞いてみることにした。
「年数を10年に設定して10回くらいやってみたよ。」
「10年じゃ少し短い気もするけど、手軽に何回もやるなら妥当な年数だな。」
確かペット電鉄は最高999年までプレイできるはずだ。999年やる奴なんて居るのか?と思うがゲームの設定だし文句を言ってもしょうがない。
「それでそれで、どっちが何回勝ったの??」
真紀が興味津々に聞いている。 それは確かに俺も気になる事だ。
弱い敵に設定することも出来るからビリにはならないのがペット電鉄の良さでもあるが、ペット電鉄はどうしても順位がつくのだ。
「私も春斗も同率1位でしたよ。なので全部引き分けで終わりました。」
ん?夏希ちゃんは何を言ってるのかな? さっき順位が着くのがペット電鉄って俺思っていたんだけど....
「はぁ? そんな訳ないじゃん! だって3月終わると決算出るでしょ?そのプレイヤーが何億何千万稼いだとかの数字がー。」
真紀も混乱してるようだ。 同率1位とか聞いたことがない。サイコロの運だとか使えるカードによって優劣がどうしてもついてしまうはず。。
「いや、そんなこと言われてもさ。。 実際、途中までは俺が1位だったり夏希が1位だったりするんだけどさ、最終的に終わってみれば同じ額になるんだよ。なあ、夏希。」
「そうですね。私も春斗もいつも同じ額で終わるのでそういうゲームなのかと思っていましたよ。どちらも1位にしてくれるなんて優しいゲームですよね。」
うんうんと春斗も同じ意見なのか頷いてる。 なんか壮大な勘違いをしている二人を放置して俺と真紀はひそひそと話をした。
「舞人君。二人は私達が知ってるペット電鉄とは違うゲームを言ってるのかなー?」
「いや、真紀。間違いなく同じゲームだと思うぞ。。とは言っても俺も自信はなくなってきたけどさ。」
「だって、同じ額になる?あれって確か一桁まで数字出るよね? 最後の決算で二人とも5億6290万3502円でしたとかって言われても信じられないんだけど....」
「俺だって信じらんねえよ。 でもあいつ等が嘘言ってる風にも見えないしマジなんじゃね? あっ!もしかして...」
俺は一つの可能性を思いついた。 真紀も同じなのかまさか...とか呟いてる。
「ねぇー、夏希ちゃんと春斗君。一つ聞いていーい?」
「ええ、いいわよ真紀ちゃん。」
「そのゲームは二人本気でやってたの?」
二人は同時に頷いて当然だろ、当然ですと言った。
うん。。。 この二人の本気はゲームでも異常だったんだなと思い、俺も真紀も苦笑いしながら納得するしかなかったのである。
「ねえ、舞人君。今日舞人君ちでペット電鉄プレイしに行っていい?」
真紀がそう言ってきたので俺は当然のように、
「いいよ。俺達も同率1位目指そうな。」
「絶対!!無理!!!」
ですよねー。。。
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