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11.長男に振り回される平成(その1)

11.長男に振り回される平成(その1)



 長男はいろいろとやらかしてくれた。腕白だと言えば聞こえはいいのだけれど…・


 初めての子供だということもあって、甘やかした。欲しいものは何でも買い与えた。当時、流行っていた。携帯ゲーム機を買ってやるとそれをもって遊びに行く。周りの友達に羨ましがられるのが快感だったのだろう。ある日、そのゲーム機を無くしたという。「しょうがないなあ」と言いつつ、新しいものを買い与える。後で知ったことなのだけれど、友達にあげたらしい。「自分はまた買ってもらえるから」と。ものに対する執着心がない。


 お年玉をもらうと、すぐに使ってしまう。もちろん欲しいものがあるからなのだけれど、買いに行った店に売っていないと、すぐに諦めて代わりのものを買ってしまう。その点、長女は欲しいものがなかったら、ある店を見つけるまでハシゴする。なければ買わない。すると、長男は長女を言いくるめて長女のお年玉に手を付ける。悪知恵を働かせることにかけては天下一品だ。


 長男の周りにはおこぼれにあずかろうという魂胆が見え見えの友達ぶった連中が集まってくる。これも彼の人望なのだとそっと見守る。

 高校生の時、たまたま僕は早く帰宅した僕とんでもないものを見つけた。自宅の2階の屋根の上に数人で寝転がってタバコを吸っているところを見つけた。

「てめぇら何やってんだ!」

 怒鳴ると同時に2階へ駆けあがった。長男の胸ぐらをつかんで更に怒鳴りつけた。それを尻目にそそくさと退散する悪友ども。


 警察から電話がかかってきた。長男が万引きで補導されたと。その日、部屋には悪友達が数人遊びに来ていた。「おやつを買ってくる」と出掛けた長男が万引きで補導されたのだ。経緯は想像がつく。長男は悪友たちをもてなすために自分が買ってくると見栄を張った。けれど、持ち合わせがなかったのに違いない。

 警察署へ迎えに行く。万引きしたものはアイスクリームだった。既に溶けてしまっていたそれを買い取って店には勘弁してもらった。


 こんなことはまだまだ序の口だった…。





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