表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
的外れな催眠チート ~面倒臭がりが召喚されました~  作者: 山田 武
大きな戦いに挑もう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

132/132

指をしゃぶられよう

皆さん、お待たせしました!



「くそが、放せ!」


「……ああ、俺も面倒だからさっさと放してやるよ。しかしさぁ、その反応はダメだろ。俺がこの後お前を用済みにしたとき、どうするかを知っているはずなのに」


「ぱむ、はやくたべたい」


「ッ~~~~!?」


 スキルで潜伏していた集団の中で、一人だけ生かされてここに運ばれてきた。

 その間に、仲間はラームによって胃の中へ収められているのだ……理解するだろう。


 ──自分に選択肢などなく、与えられたのはただの順守しなければならない命令だと。


「お、俺は何も知らねぇ」


「そういうのはいいから。うちの子は俺とは違って優秀でな、食べたヤツから記憶まで回収できる。お前らがどこの国から送られてきたヤツらで、何をしに来たかも知ってる」


「……嘘だ、信じねぇぞ」


「どうぞご自由に。しかしねぇ、いつまでも同じ態度だとこっちも相応の対応をしなきゃいけなくなる……というか、もう面倒だからいいや──『洗脳』」


 せっかくの拷問官ごっこだったが、飽きたのでサクッと目的を果たす二文字を告げる。

 ガクリと項垂れた男の頭に手を載せて、魔力を流して洗脳内容を直接書き込んでいく。


「ぱむ、たべたかった……」


「いっぱい食べただろう? それより、生きてないとダメなのか?」


「うん、せいたいにんしょうがある」


「求められる技術ってのは、魔法でも科学でも変わらないってことか。まっ、そのためのコイツだ。今は仕舞っておくとして……これで準備万端だな」


 地面を軽く踏み鳴らすと、男の姿はズブズブと影の中へ呑み込まれていく。

 従魔の力は俺の力、みたいな契約をしているのでこんなこともできる。


 ラームの捕食による簒奪も同様に真似できるが……好き好んで人肉を喰らうほど、俺も人間を止めてはいない。


「死なないように管理しないとな……ああ、また面倒事が増えた」


「ぱむ、たべておく?」


「それじゃあ、せっかく取っておいた意味が無くなるだろう。あいつは生かしておいて、目的を果たしてもらわないと」


「ざんねん……たべたかった」


 働いた者には相応の褒美を与えるのが常だが、コイツの場合は食費が半端ないのでそれは適応されない。


 自給自足をさせようとしても、環境を破壊するだけの非生産性の無い行動を取るだけなので、我慢させておいた方がいいのだ。


 だが、いつまでもお腹を空かせたと言わんばかりの表情を浮かべられると……こちらも腹が減りそうになるので、それだけは満足させてやることにする。


「……はぁ、魔力をやるからそれで満足しろよ。お前用の魔力は面倒臭いのに……」


「うん!」


「──『精練』」


 魔力系のスキルがいっせいに作動し、俺の体内を弄繰り回していく。

 物凄い虚脱感が俺を襲う中、魔改造された肉体が生みだした魔力が指先に宿る。


 精練とは魔力の圧縮を意味し、量を質へと変換する技巧として有名らしい。

 奴隷の一人にそう教わり、俺なりにできるように暗示を登録していたのだ。


 ラームは即座に俺の指へ口を付けると、それを蛇口に見立ててちゅーちゅーと魔力を根こそぎ吸い取っていく。


 精練された魔力は非常に旨い、そう魔力を食事にしている種族から聞いた。

 ラームも魔力で腹を満たせるので、褒美はこれで済ませている……食費は浮くからな。


 傍から見れば、少女が淫靡な表情を浮かべて指を舐めているように見えるかもしれないが……俺からすれば、酷い魔力枯渇によってお花畑が見えるほどの地獄を見る。


「もう終わりだ、離れろ」


「せめて、もうひとこえ」


「……二度と吸えなくなるのと、少しの我慢とどっちがいい?」


「……ぱむのいうとおり、がまんする」


 指から口がちゅぼんっという音を立てて離れると同時に、俺は地面に倒れ込む。

 支える物を失い、本人は意識が朦朧としているのだから当然の結果だ。


「ラーム、ポーションくれ」


「はい」


「ありがと……って、お前のせいでこうなっているのに感謝するのもおかしいな」


 こちらは被害者、あちらは加害者。

 なのに小さな親切ですべてを許すほど、俺も大人では……と考えるのも面倒だし、飲んだら良くなってきたので許そう。


「ぱむ、おかわり。ぱむ、もうまんたん」


「ポーション飲んだからな。それでやったらまた同じことの繰り返しだろう」


「ざんねん」


「……はあ、俺以外の魔力でもいいなら別にくれてやってもいいんだがな」


 精練ができる奴隷は居る。

 だがラームは俺の魔力だけを好み、魔力による食事は俺の魔力でしか行わない。


 異世界人の魔力だからか、コピーしたスキルにそうなる要因があったのか……理由を調べるのは面倒なのでやっていないが、厄介なことこの上ないことだけは分かっている。


「だがまあ、とりあえず満腹だろう?」


「ぱむ、すごい。らーむ、ぱむすき」


「はいはい、俺も優秀なヤツは好きだぞ。腹も満たされているみたいだし、しばらくは大人しくしているんだぞ」


「……ぱむ、だめだめ」


 ダメダメなのが分かっているからこそ、従魔たちに任せているのだ。

 間もなく中継地点へ辿り着くし、そこで一休みしたら──そろそろ目的地になるな。



それでは、また一月後に!


最後まで読んでいただきありがとうございます。


ブックマークや広告下の『☆☆☆☆☆』から評価で応援していただけますと幸いです。


誤字脱字報告、また質問疑問なども大歓迎です。

皆さんのご意見が、山田武作品をよりよくしていきます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ