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的外れな催眠チート ~面倒臭がりが召喚されました~  作者: 山田 武
大きな戦いに挑もう

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魔道具を見よう

皆さん、お待たせしました!



 ──そもそも現代チートをする必要って、あるのだろうか?


 そりゃあ衣食住を満たすために技術を確信させるならばともかく、武器に関してはそこまで必要性を感じない。


 いずれはこの世界の住民が、編み出すであろうからだ。

 対魔物か対人かはともかく、戦うための手段とはいつの世も効率を求めるからである。


「──要するに、人はいつだって面倒ごとを避けるために苦労するわけだ」


 異世界は魔法を駆使することで面倒ごとを減らしていた。

 村人であろうと、魔法で水汲みを避けることができるぐらいだからな。


「地球だと井戸を進化させていたけど、そうしなくても魔法でできるから異なる技術が発展していった……それが魔道具」


 魔法術式を保存しておくことで、誰でも等しい効果の魔法を発揮することができる……まあ、魔法の簡易版だよな。


「というわけで、何かいい魔道具を作ろうとしている。俺を楽にさせてくれ」


「……あの、あんまり困らせないでくださいよ。異世界の方って、ここよりもはるかに環境が整っているらしいではありませんか」


「だからこそ、近づけたいっていう気持ちもあるんだよ。『ファーレ』、いろいろやってみようぜ……あいにく、資料は全部兵器関連だけどな」


 正式名はもっと長いらしいのだが、面倒臭いのでファーレという略称を名札にさせた。


 古山人(エルダードワーフ)というモノ作りに長けたドワーフの上位種だが、奴隷になっていたので買って好きに魔道具を作らせているのだ。


 ……便利グッズって、あればあるほど楽になるからな。

 試作品などはうちの奴隷に試させたのち、奴隷がやっている商会から売り捌いている。


「それにしてもこれらの武器は、とことん殺戮に特化していますよね。魔力を使わない、故にレベルが低く魔力をあまり持たない者ならば簡単に殺せる」


「地球は魔法が無いからな。遠くから一方的に殺せるようになることで、より多くの敵を殺せることを目指したんだよ。防御手段なんて最初は無かったからな」


「無いなら無いなりに工夫をするということですが……いい意味でも、悪い意味でも」


「まっ、別に銃があると認識したうえで物理攻撃を防ぐ魔法を使えばいいわけだ……というわけで、まずはそれだな」


 クラスメイトを召喚した国は、銃をすべて魔法銃にする方法を考えている。

 この国だけなら結界で対策ができるが、それ以外の方法も考えなければならない。


「物理障壁は相当難易度が高い術式なんですよ? 触媒も相当高くなります」


「金は別に、お前ら奴隷が生きていける分があればそれ以上はどうでもいいからな。必要経費なら国から奪えるから、思いっきり要求してくれ」


「……それならそれで構いませんが。イム様は、銃などに興味はないのですか?」


「どうでもいいな。わざわざ目標を定めて引き金を引かなきゃいけない面倒臭い兵器よりも、目を瞑っていても相手を殺せる魔法の方が便利だろう」


 まあ、俺の場合は和弓女子からコピーした必中スキルがあるので、一度視認したものなら……それこそ目を瞑っていても()てることができるんだけどさ。


「面倒さが理由なんですね、イム様」


「まあ、そんなことはどうでもいいだろう。それよりも、できるだけ地球の技術をこっちの魔道具で再現したいな……もちろん、兵器とかはどうでもいいから、できるだけ日用雑貨とかを」


「……発明と争いは切っては切れませんよ。どちらかが進めば、必ずもう片方も発展します。これはこの世界でも変わりません」


「任せるさ。たしかファーレは、それが嫌だから奴隷にされたんだろう? だから、自由に研究させているんだ……人々に快適な生活ができるように頑張ってくれよ」


 話している内に思いだしたが、たしかそんな事情だった気がする。

 強要された兵器作成を断っていたら、いつの間にか冤罪によって捕まっていたと。


 だがその腕はとても素晴らしく、故にそんな依頼が来るほどだったのだ。


 俺も会ったときに鑑定でスキルを確認したが、思わずコピーを決めたいいスキルを持っていたよ。


「ま、まあ、たしかにできますよ。さ、さっそくですが、前に言われていた物を再現した魔道具をお見せします」


 少々(ども)りながらも、部屋の奥から何かしらの魔道具を持ってきた。

 だがその見た目は、指輪やイヤリングなどのアクセサリーである。


「ドライヤーとか冷蔵庫はもうできているんだよな。いったい何を作ってくれたんだ?」


「『すまほ』、というものです。イム様が所持していた物を拝見していましたので、仕組みさえ分かればどうにかなりました」


「……えっ、これスマホなの?」


 誰がリング状のアイテムを渡されて、スマホだと認識できるのだろうか。

 まあ、時計型のスマホみたいなヤツが出ていたわけだし、その最先端版だな。


「その、『あぷり』とやらはすべてではありませんが、ある程度機能も搭載できたかと。アクセサリー型にしたのは、わざわざその大きさにする必要が無いと思ったからです」


「あの形なのは、そうじゃなきゃいけなかっただけだし……たしかに楽な方がいいか。具体的に何が使えるんだ?」


「魔力を流すことで、連絡を行えます。これならば念話の魔道具でも可能ですが、こちらの魔道具は計算やこの魔道具を持つ者たちの座標を共有できるようになります……それぞれ許可した場合ですけど」


「ふーん、奴隷を呼びだすのに便利ってことか。機能が再現できないのは、材料費とかそういう問題だな」


 さっきの話の流れ的に、おそらくはそれが理由なのだろう。


 術式が難しいとか、そういう理由ではないのは分かっている……どんな天才だろうと、その才を発揮できる場所が無ければそれは無能と同意である。


「魔石が必要なら、錬金術で作った……これとかがあればいいか?」


 なので、必要な物を提供する。

 分かりやすい例を挙げるのであれば、ビーチボールとかそんな感じだろうか?


「……たしかに、それだけあれば問題ありませんけど。というか、大き過ぎです。普通、錬金術を用いてもそれだけの大きさにはならないはずですよ」


「できたんだから仕方ないだろう。たぶん、イメージの違いじゃないか? 物語とかだとよくあるぞ、成分とか原子とかそういう細かい部分まで意識してやると成功するやつ」


「……なるほど、そういった説もありましたね。今度、教えていただけますか?」


「面倒臭いな……まっ、アプリが使えるようになるためだし、協力するさ」


 天才は一を教えれば十も百も理解する。

 俺が数十秒苦心すれば、それ以上の価値を得ることができるだろう。


 どこまで再現できるのか……楽しみだな。



それでは、また一月後に!


最後まで読んでいただきありがとうございます。


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