とある幽霊のお話。
冷たい雨が、窓に当たっては落ちていく。
真っ黒な冬の夜空。
まるで、僕を飲み込もうとしているようで。
その光景は、今の僕にピッタリだった。
僕の写真の周りで、白い、白い花が。黒い、黒い服を着た人間が。全てがつまらないような顔で世界に見放された僕をみている。
「あぁ、そうか。僕は『必要ない』人間なのか」
そう考えた瞬間、目の奥が熱くなって。
どうして?どうして僕が死ななければいけないの?
何で誰も見てくれないの?
僕を、僕を無視しないで。必要として。
誰かーーー僕を見つけてーーー
頬を伝った液体は、余りにも冷たくて。
あぁ、寒いなぁ。
少年は、黒く深い沼に堕ちて行った。
二作目
初投稿→恋味ソーダ
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