終業式
一週間前
終業式の終わった高校生達は皆教室で最後の山場を向かえようとしていた。
バーン!!
教室に勢い良く入ったのは、この学園の女性教員の御影 秋 、このクラス
「よーし!みんなお待ちかねの通知表だよー!」
ざわざわし始める教室、生徒達の色々な声。
「俺大丈夫かな?」
「ここをしのげば夏休み…!」
「まあ大丈夫でしょ」
等々、まあ普通の高校生らしい反応だ。
しかし、この三人は別であった。
「フッ…アカシックレコードのアクセスを可能とする俺にかかれば、この学園の成績トップは固いぜ…」
「徹君うるさいよ…後少しキャラぶれてる」
「ねぇねぇ由美ちゃん!!夏休みさ!!海いこ!!」
「柚津君は教室でなにやってんのさ、電話はやめようよさすがに」
この光景に教室は無反応である、それはなぜか?
そう、この三人は何時もこんな感じなのである。
渋谷 徹は中二病発症者、この学園でも有名な変人である。
なぜこの男が有名なのか、中二病だけが原因ではない。
「はーい、次は渋谷君だよー」
「フッ…ついに俺の力が必要になったのか」
「あはは…君は普通にしてれば完璧なのにね…」
呆れた御影は続けてこう言う
「まあでも、君は成績優秀だから何も言うことはないよ、クラス一位、学年は三位だね」
おめでとうと言った御影に徹が言った。
「…ど、どうも」
「ふふっ、そこは普通なのね」
真っ赤になる徹、するとクラスの女子からこんな声が聞こえてきた。
「渋谷君って中二だけど、少しかわいいよね」
「あたしもちょっと思った!頭もいいしね、中二だけど!」
そして男子からは。
「あいつスゲーもてるよな…中二だけど」
「だけど何か許せるよな、中二だけど」
何故かカリスマ扱いされていた、佳はその光景を見て羨ましく思うと先生が次の名前を呼び始める。
「じゃあ次!!林道君!!」
「はい…」
憂鬱だ
そう思った佳はうつむきながらも教卓に向かう。
「はぁ…林道君?さすがに2年生の初っぱなからこんな成績だとまずいよ…」
「はい…」
1
1
1
1
1
1
1
1が沢山だ
子供の頃お父さんに「どんなことでもいいから1つでも一番になれ」と言われていたが、多分こう言う事ではないだろう。
林道が思っていると話がとんでもない事になっていた。
「林道君、渋谷君、安藤君?明日からよろしくね補修」
「え…?」
いやそれはそうだ何てったって1がいっぱいだもの、体育意外1だもの。
でもなぜ二人がいる、柚津君はまだわかる、柚津君は普通よりも少しバカだし、、、まあ僕ほどじゃないんだが、赤点は取らないだろうと思っていた。
そしてもう一人は徹君だ、彼は中二病だが頭もいいし赤点など有り得ないのだ。
林道は考えるが先生の言葉で全て状況を理解する。
「さて安藤君と渋谷君、さっきからいじっていた物をだしなさい」
ガチャガチャ二人が教卓に置いたのはケータイと黒い綺麗な指輪、柚津君は恐らくさっき電話をしているのを見られていたのだろう、やっぱ僕よりバカなんじゃないかな?と佳は思う。
でも徹君の指輪は?何時も先生に没収されていてアクセサリーを買う気力も財力も無いはずだ、しかも見た感じとても安物とは思えない重厚感がこの指輪にはある、とても高校生が買えるものでは無いだろう。
「渋谷君?この指輪は?」
と先生が聞いた。
「闇の結晶ダーク「こ・の・ゆ・び・わ・は?」ひ、ひろった…」
どこで?と先生が聞くと徹君は校庭に指を差した。
「はぁ…とにかくケータイは補修が終わるまで没収、指輪は持ち主が見つかるまで先生が預かってます!二人とも赤点ではないから追試テストは受けなくていいけど、罰として補修を受けてもらいます」
こうして三人仲良く補修を受けることになりました、めでたしめでたし。
というのが今回補修を受ける三人のあらすじなのだが、問題は別の世界で起こっていた。