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第1章-王女モナカ前編-


とある街から外れた郊外に大きな森がある

その森には特殊な結界が張られており

結界の影響で中は迷宮のようになっているとされている

だがそれが真実かどうか知る者はいない

かつて数多くの研究者、探検家がこの森に足を踏み入れたが

1度入った者は誰ひとりとして戻っては来なかった

いつしか人々はその森を迷宮の森と呼び恐れた

それ故に近隣に住む者たちは古くから誰も近づこうとはしなかった。

この近辺に人が街を作る遥か昔からあるとされる森

誰が何のために結界を張ったのか

そしてその中に何があるのか

誰も知る者はいない


そんな森へ向かう1人の聖女の姿があった

彼女はこの土地から遠く離れた国の王女でもあった

従者も付けずにただ1人

土地勘も何も無いこの場所へ来た理由は

何故かここに来なければならない

そんな気がして直感を頼りにここへ辿り着いたのであった。

森の入り口に立った彼女は静かに目を閉じ

小さく祈りを捧げる


「どうか神のお導きを…」


そして彼女は結界の中へと入っていった。


森の中は酷く荒れていた

王女は道なき道をただひたすらに前へ前へと進む

そしてふと自身の身体に違和感を覚えた

体を見渡すと自身の体がぼんやりと白い光に包まれている事に気が付いた

王女はこれは神の導きだと信じそのまま先へと進んだ

そして王女が通り過ぎた場所は元の姿から違う形へと変貌していた事に気が付く者はその場所には存在していなかった。


どれくらい進んだだろう

3時間?いや4時間くらいだろうか

王女はただひたすら前へと進んでいた

すると広い場所に出た

そこには小さな湖と数件の民家らしき建物

そしてその奥には教会があった

まるで森に護られた街

王女にはそう感じられた

どうやらこの場所が森の中心部である事に間違いは無さそうであった

王女は民家の方へと進み

1件の民家の前に立ち止まり声をかけた


「どなたかいらっしゃいませんか?」


返事は無い

何度か呼びかけてみたが返事は無い

他の民家にも行ってみた

そして同じように声をかける

だが全ての民家から返事が返ってくる事は無かった

諦めた王女は教会へと向かった

教会の扉の前に立ったその時

何故か不思議な感覚を感じ取り

王女は確信した

ここへ導かれていたのだ、と

この扉の先に自分を導き寄せた何かがある

王女は目を閉じ大きく深呼吸をして

その扉を開く

扉の先には信者達が神に祈りを捧げる為の長椅子が並ぶ

壁には豪華な装飾が施されていたが

王女はおかしな点に気がついた

中央にあるはずの祭壇が見当たらない

祈りを捧げるべき神を祀った祭壇がこの教会には無かったのである

中央には小さな階段そしてその上には本来祭壇があり

司教や神父が信者達へ語る講壇があるはずであったが

ここには何も無かった

だが王女は階段に跪いて祈りを捧げた

何のために何を祈るのかはわからなかったが

祈らなければならない衝動に駆られていた

目を閉じ祈る王女

やがてその祈りに応えるかの如く眩い光が現れた

王女は目を開けその光を見据える

光は上空からゆっくり王女の目の前へと降りてくる

そして静かにその光は消えていく

光が消えた所には

1本の剣が立っていた

正しくは浮いていたのであるが

立っていると言う表現の方が正しいと感じる程に剣は凛々しくそこに存在していた

金色の柄に紫色のスペードのレリーフが中央についている

鞘であろう部分は今までに見た事が無い深い蒼に金の縁取りが施されていた

王女がその剣に見惚れていると

スペードのレリーフが突如として光を放ったのである

王女はとっさにその剣へと手を伸ばしたその時である


「貴女を待っていました」


何者かの声が響いた

驚いた王女は周りを見渡した

だが誰もいない

声は続いた


「驚かせてしまいましたね、私は貴女の目の前に居ますよ、今その手が持っている剣、それが私です」


「え……?えぇ……?えぇーーー⁉⁉剣が喋ったー⁉⁉」


「驚かせてしまってごめんなさい、でもこれは夢でも幻でもありません。紛れもない現実ですよ、まずは私の話を聞いてくれませんか?」


王女は1度大きく深呼吸をした


「わ、わかりました、あなたが私をここへ導いてくれたんですよね?だったら聞かせてください、なぜ私がここに導かれたのか、あなたが何者であるかを」


「ありがとうございます、ではお話しましょう私の事を、私の使命を、そして貴女を待っていたその理由を…」


そして剣は静かに語り始めた

------------------------------


私は遥か古の時代

この星とは別の星で生まれました

私の使命はその星を悪しき者たちから守護する事

そしてその星には私の他にハート、ダイヤ、クローバー、そしてジョーカーと呼ばれる守護する存在が居ました

星の民は様々な種族が居ましたが互いに共存し平和な時代を過ごしていました

ですがいつしかジョーカーが悪しき魔物達と手を組み

自らを魔王と名乗り星の全てを我が物にしようと争いを起こしました

まずは守護する私達を抹消もしくは己の力とすべくその牙を向けてきました

民達は怯え私達へと祈りを捧げました

力を奪われる事を恐れた私達はある計画をたてました

それは私達の力は契約した者以外に扱う事が出来ぬようにしたのです

そうすれば少なからず私達の力が魔王軍に奪われる事は無いと考えたからです

私達は民達の中から戦士達を選びました

彼らは人々からスートガーディアンと呼ばれ

私を含むハート、ダイヤ、クローバーの4人のスートガーディアンは魔王軍と戦い抜き

ついに魔王と対峙しました

ですが魔王の力は凄まじく

4人掛かりでも倒す事は不可能でした

魔王は不死身に近い力を持っており

倒しても倒しても蘇ります

身体をバラバラに切り離したとてその力を葬り去る事は不可能でした

そこで私は魔王の力を分散して封じる秘術を考案しました

いつか封印が解かれる事があったとしても互いに場所は教えなければ後に探される事も無い

万が一封印が解かれたとしても魔王が全ての封印を解き完全に復活しない限りまた封印は可能であると

そう結論付けた私達は最後の戦いに赴きました

そして魔王を封印しようとした時

凄まじい力がぶつかり合い

時空を歪めてしまい私達はこの星へと飛ばされてしまいました

ですが元の場所に帰る事も出来ずに私達はこの星で魔王を封じる事にしました

魔王の体を4つに切り裂き

各々がそれを封じる

誰がどこに何を封じたのかはわかりません

そして私はこの場所に魔王の力の1つを封じました

そしてここに結界を張り

誰も来ないようにしたのです

伝承にも残さず

この場所へ踏み込む者は結界の力でこの場所の記憶を消して別の場所へと送り返しました

やがて私と契約した戦士はこの世を去り

私を知る者は誰も居なくなり

私だけがここに残りました

そして時は過ぎ

魔王を封じた力が弱まり始めました

私は新たな戦士を探すべく

密かに私の力と共鳴する者へ力を放ちました

そして貴女がここに現れました

結界の中を迷う事無くここまで辿り着いた貴女こそその証

どうでしょうか?

私に貴女の力を貸してはくれませんでしょうか?


---------------------------------


話を聞いた王女はしばらくの沈黙の後

答えた


「あなたの話はわかった、それがきっと私の使命なんだよね?だったら私戦うよ、その魔王の力ってやつをやっつけちゃえば良いんでしょ?きっと大丈夫、だって私とあなたの2人?なんだもん」


「良いのですか?命を落とすかも知れないのですよ?」


「うーん、そうかも知れないけれど、でも今あなたは私の力が必要なんでしょ?つまり困ってるって事じゃない?私そういうのほっとけないのよね」


「わかりました、では私と契約を結びましょう、まずは私に名前を付けてください、今の私はただの古の名も無き星剣(せいけん)でしかありませんから」


「名前?うーん…?どうしよう?」


王女はしばらく考えた後


「じゃああなたの名前は◎△$♪×¥」


「なるほど、それが私の新たな名前、ですがその名は普段は言わないようにしてください、その名で私を呼ぶ者にこの力は渡ってしまいますので」


「えー?じゃあ普段は何て呼べば良いの?」


「何でも構いませんよ」


「んー?それじゃ星剣さんでも剣ちゃんでもカリバーちゃんでも?」


「はい、構いません。貴女が私を呼んでいる、と認識出来るなら」


「はーい、わかったよ」


「それでは次に貴女の名前を教えてくれませんか?」


「わたしの名前はモナカだよ」


「モナカさん、これからお世話になります、そして新たなスートガーディアンの誕生です」


すると剣のスペードのレリーフの光が強くなり周りを包み込んだ

光が収まった頃

スペードのレリーフには

王女の名前

(MONACA)と刻まれていた


「さぁこれで契約は完了しました、モナカさん私を鞘から抜いてみてください」


モナカは剣を抜き天に掲げる

刀身は鞘と同じ蒼

そして銀色の刃は空間さえ切り裂けそうなほど鋭く美しく磨き抜かれていた

そして握った手から光が剣の先端に付いている宝玉へと流れる


「これが星の力……?」


その時だった

凄まじい轟音が鳴り響き

空間を揺らしたのである


剣が叫んだ

「モナカさん!気をつけて!ここに悪しき者が……来ます!」


剣を構えたモナカは入り口の方へと目を向ける

爆発のような衝撃と共に砕けたドアの向こうには黒い影が立っていた


「え?嘘……?ヴォル……さん?」


------------------------------------------


モナカが結界の中へと消えて少し経った頃

森の入り口に怪しい黒い姿の戦士が立っていた

黒と紫の鎧を身に纏った戦士

戦士はモナカの後を追っていた

戦士の目的は新しく手に入れた剣の切れ味を試す事

そしてその相手に自身の宿敵である白い戦士を探していた時だった

偶然見覚えのある顔を見つけた

以前変装して街を回っていた時に見かけた宿敵の白い戦士と共にいたどこかの国の王女

戦士はこの王女を使えば自身の宿敵を呼び寄せる事が出来るかも知れない

あわよくばその場で2人共消してしまおうか

そう考えモナカの後を追うことにしたのである

結界の中に足を踏み入れた瞬間何かの力が働き戦士は入り口へと戻されていた

何度足を踏み入れても

同じ場所へ戻される


「へぇ、おもしれーじゃねーか、この俺様を阻もうってのか?」


戦士は右手に力を貯める

紫のオーラが拳を包み込み

その拳を結界に撃ち込む

パリンとガラスが割れるような音と共に結界に割れ目が生じた


「ほぅ?全部は砕けねーか?ま、こんだけ穴が空けば良いか」


割れ目から戦士は結界の中へと入った

中は木々が蠢き行く手を阻もうと戦士に襲いかかる


「待ってました!せいぜい俺様を楽しませてくれよなっ!」


戦士は剣を振るい次々と襲い来る木々を切り裂いていった

やがて木々は襲ってこなくなり

戦士は落胆した


「なんだよ、全然つまんねーな、こんなんじゃ準備運動にもなりゃしねぇじゃねーかよ」


そう吐き捨てた戦士は先へと進んだ

途中幾度か木々が襲いかかってきたが戦士はまるで呼吸でもするように難なく突破していた

しばらく進んだ所に洞窟らしき穴を見つけ戦士は中に入ってみる事にした

洞窟の中は何も無く奥に下へ降りる階段のようなものを見つけ

戦士は下へと降りていった

階段は螺旋状になっておりどこまでも長く続いていた

どれだけ進んでも下に辿り着けそうには無かった

痺れを切らした戦士は


「あーくそっ、めんどくせっ!」


そう言うと戦士は真ん中の空間へと飛び降りた

どれだけ降りたかわからないがようやく最下層であろう場所に降り立った戦士は

空間の先に何かの気配を感じ取った


気配を辿っていくと

そこには小さな祠のようなものがあり

その中にはゴリラのぬいぐるみが置いてあった


「ちっ!何だと思ったらゴリラかよ!ふざけんな!」


戦士がぬいぐるみを掴み切り裂こうとしたその時

ゴリラのぬいぐるみの目が光り

辺りを重い空気が支配した


「ほぅ、我を見つける者が現れたか」


ゴリラのぬいぐるみから声が聞こえた


「あ?お前何もんだ?」


「我が名はジョーカー、かつて魔王と呼ばれし者よ、我が魔力に導かれそして我を見つけた汝には我が後継者となる資格あり、どうだ?汝我が力を欲するか?」


「魔王だぁ?へーそいつはおもしれー、んでその魔王様ってのを倒しゃ俺様の力になるってわけか?上等じゃねーか、やってやるよ!かかってきやがれ!」


「ハッハッハッハこいつは面白い、我が力を感じても臆せず立ち向かうか、汝の持つ闇の力も申し分無い、気に入ったぞ、汝こそ我が後継者に相応しい、さぁこの力受け取るが良い、今この時から汝が新たな魔王だ!そして己の欲のまま存分に奪い破壊し尽くすがいい」


ゴリラのぬいぐるみから戦士に黒い光が注ぎ込まれた

光が収まった頃

戦士の体には戦士自身も今までに体感した事のないエネルギーを感じていた


「ほぅこれが魔王様の力ってやつか、なかなか悪くねーじゃねーか」


そして戦士は自身の持っていた剣の形状が変化している事に気が付いた


「これは……?おい貴様、俺様の夢喪剣(むそうけん)に何しやがった⁉」


「そいつは我の紅風剣(こうふうけん)だ、我の時代、邪神とやらを封じておってな、その邪神の力を我が物とした時より我の良き友よ、お前の持っていた剣と合体させてやったわ、これより紫風夢喪剣(しっぷうむそうけん)として上手く使うがよい」


「ちっ…余計な事してくれやがって」


「そして最後に汝に伝えておく事がある」


「あ?なんだ?力を返せって言われてもお断りだぜ?」


「そうではない、我が力はこれが全てでは無い、この地以外に3つ我が力を封じられた場所がある、その封印を探し出すのだ、我はかつて1つの体を4つに別けられ封じられし者、忌々しい星の守護者共スートガーディアン達によってな!良いか新たな魔王よ、あと3つ封印を探し出し奴らより先に奪い返すのだ、さすれば最強の力を手に入れるであろう新たな魔王よ後は汝に託したぞ、ハッハッハッハ」


そう言うとゴリラのぬいぐるみは塵となり跡形も無く消え去っていった


「あ?くそっ!3つだ?めんどくせー事押し付けやがって魔王野郎がよ!!うぉーーーー!」


戦士は叫んだ

すると戦士から発せられたエネルギーが辺りを吹き飛ばし

空間にぽっかりと穴をあけた


「あ、マジか?うわなんだこれ?めちゃくちゃめんどくせー力じゃねーかよ、制御出来ねーじゃん、まぁ良いか?んじゃさっさと試し切りしてみるか」


戦士は自身の吹き飛ばした穴を辿り地上へ向かって飛び立った


穴を抜け地上に出るとそこには教会があった

その中から何かの力を感じ取った戦士は

その力を試すべく思い切りドアを蹴破った

------------------------------------------


「え?嘘でしょ?なんでヴォルさんが?」


「モナカさん、この者と知り合いですか?」


「うん、モナのお友達のヒーローさん、でも……何か違う?」


モナカが対峙した戦士

戦士はモナカを見ると


「ほぅこんなとこにいやがったのか王女様よ……初めましてって挨拶の1つでもしなきゃなんだろーがめんどくせーんでな、早速で悪ぃけどよ、ちょーっと試し切りさせろや、あと俺様をヴォルスレイバーと一緒にすんじゃねー!俺様は紫黒(しっこく)の戦士ヴォルスシューマ様だ!それからたった今から魔王様の肩書きも追加だ!覚えとけっ!」


ヴォルスシューマと名乗った戦士はモナカに襲いかかる

一撃一撃が重い

モナカは防戦一方である


「おいおいおい王女様よ!てめーの力はそんなもんかよ!なんだよ!そのたいそうな剣はただの飾りだったのか?」


防御するモナカを蹴り飛ばし体勢を崩す

すかさずヴォルスシューマはモナカの首に剣を突き付け最後の一撃を放とうとしていた


「モナカさん、ここは一旦退却しましょう!このままだと貴女の命が危ない!」


「ダメ!今逃げるとこいつ他の人を傷付ける!今、私が止めないと!でもどうすれば⁉」


「逃げる相談は終わりか?王女様よ、てめー弱過ぎんだろ?せっかく楽しめると思ったがとんだ期待外れだわ、じゃーな!後でお友達のヴォル野郎も送ってやっからあの世ってとこで仲良くしてろや!」


ヴォルスシューマが放った最後の一撃は何かに弾かれた


「ふぅ………あぶなかったー、モナちゃん大丈夫?」


そこに現れたのはヴォルスシューマと似た白い戦士


「ヴォル…さん?来て…くれたんだ」


そう言うとモナカは気を失った


「よぉヴォルスレイバーよ、やっぱり来やがったか、俺様の方から探しに行く手間が省けたわ、ついでだからお前もぶった斬る!」


白い戦士=ヴォルスレイバーはヴォルスシューマの一撃をかわし対峙する


「シューマ!お前が何を企もうがお前は俺が止める!」


「やってみろよ!言っとくが俺様は魔王様にレベルアップだ!おめーごときに止められっかよ!」


ヴォルスレイバーは自身の剣、夢奏剣(むそうけん)を構える

刀身が蒼く光る


対してヴォルスシューマも同じく自身の剣、紫風夢喪剣(しっぷうむそうけん)を構える

紫色に光る剣

その剣を高く掲げ振り下ろす


「いいだろう魔王様の力とくと味わいやがれ!」


ヴォルスシューマは一撃を放とうとした


「夢奏剣!レイブスラッシュ!」


ヴォルスシューマの隙を突きヴォルスレイバーの斬撃が直撃する

だがヴォルスシューマには効果が無い様子だった


「なに⁉夢奏剣が効かない⁉」


「だから言っただろーがよ!俺様は魔王様にレベルアップしたんだっての!」


ヴォルスシューマは叫んだ

己の力を全て解放し目の前の宿敵のヴォルスレイバーを打ち倒す為に

だがその時突如としてヴォルスシューマは膝から崩れ落ちた


「くそっ!やっぱめんどくせー力だわこれ…」


「シューマ……お前その力は……いったい?」


「さぁな?あークソ!興が冷めちまったじゃねーかよ、次に会う時までその首預けといてやるよ、感謝しやがれ!」


そう言うとヴォルスシューマはどこかへ去っていった


-----------------------------


モナカが気が付いた時

そこはどこかの屋敷のような所のベッドの上だった

ベッドから起き上がり人の気配を辿り応接間のような部屋に辿り着いた


「あ、モナちゃん気が付いた?大丈夫?どこか痛む?」


そう話しかけたのはヴォルスレイバーだった


「ヴォルさん………モナ負けちゃった……」


「話は星剣さんから全部聞いたよ、モナちゃん戦う覚悟を決めたんだって?」


「うん、でも負けちゃった、手も足も出ないまま何も出来なかった」


「初めて戦ったんだ、無理もないよ、それで今でも戦う決意は変わらない?」


「変わらないけど負けちゃったら意味が無いじゃない!」


「その気持ちが消えない限り負けてない、理由はどうあれ今こうして生きてる、だったら次に勝てば良いだけ、それともモナちゃんの決意ってその程度だったの?」


「違う!困ってる人は見捨てたくない、そしてあんな悪い奴を放っておけない!モナがみんなを守る!もう守られるだけの姫なんか要らない!」


「うん、だったら大丈夫、次は勝てるよ、俺も手伝う、それにシューマは俺が倒さなきゃいけない奴なんだ」


「ねぇそのシューマって何者なの?なんでヴォルさんと似てるの?そしてどうしてヴォルさんがここにいるの?」


「シューマの気配を感じたんだよね、そしてその気配を辿って来てみればモナちゃん達がいたってわけ、シューマ、あいつは俺の闇から生まれた存在なんだよ、あいつは俺が心の奥に封じ込めてた悪い心が実体化した存在でホントに色々あってさ、あんな厄介な奴が生まれちゃったのよ。だからあいつの事は俺にも責任がある、だから一緒に戦うよ」


「そっか、わかったよ、ありがとねヴォルさん」


そして剣が話した


「モナカさん、ヴォルスレイバーさん、お二人にお話しておかなければならない事があります、あの者ヴォルスシューマでしたか?どうやら魔王ジョーカーの後継者となったようです」


「え?って事は?つまりモナと星剣さんの力だけじゃ封印は出来無いって事?」


「えぇそうなります、新たにヴォルスシューマという強大な力を携えた体を得た魔王は私達の封印した時の魔王の力よりも遥かに強大でした、まだ4分の1であの力です、全ての力を取り込んでしまうとどうなるかわかりません」


「だったらどうすれば?」


「他の3つの封印を探さなければなりません、そしてヴォルスシューマが全ての力を得る前に他のスートガーディアンの力を合わせてまた封印するしかありません、封印の近くには必ず居るはずです、モナカさんと同じ新たなスートガーディアンが」


「よし、それじゃまずはその封印を探さなきゃだねっ、それからヴォルさん、星剣さん、モナは綺麗なお姫様のままで勝てると思うほど敵を甘く見ません

泥に塗れて血を浴びる覚悟ならもう出来てる、だから2人共モナに力を貸してください」


「かしこまりました王女様」


そう言って跪くヴォルスレイバー


「うむ!くるしゅうない!えっへん!ってちょっとやめてよヴォルさん!ヴォルさんにはお仕えする主様いるじゃん?モナ怒られちゃうよ」


「ハハハさすが、モナちゃん!その元気があれば大丈夫!よし、それじゃ俺はそろそろ基地に戻るね、何かあったらすぐ呼んで、いつでも駆け付けるから」


「うん、ありがとう、またね!」


そうしてモナカとヴォルスレイバーは別れた


「ねぇ星剣さん、モナはもう負けないから」


「えぇ、わかっています貴女を信じます、ですがその前に戦い方もしっかりと覚えてくださいね、まだモナカさんは私の力を全然扱えていませんから」


「はーいわかったよ、とりあえずモナ達も1度お家に帰ろっか」


そう言って空を見上げるモナカ

その瞳の先にはどんな景色を映しているのか

それを知る者は空のみであった


第1章完

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