第2部プロローグ:ほんのすこしのむかしばなし。
第2部始動です。大まかなプロットは変わりませんが、新しい気分で楽しんでいただけるように頑張りたいと思います。
のっけからなんかアレな(言い表せません)話なのは、導入と言うことでご勘弁を。
ちなみにこれから最後までの展開は、「超展開乙」と言われること覚悟です。批判覚悟です。「作者の頭はワープゾーン」と言われても仕方が無いかもしれません。
しかしできれば、これ以上プロットを変えるための改訂はしたくないッ―――――!
いえ、あんまりにも不評なら考えますが。とりあえずは楽しんでいただけるよう頑張りたいと思います。
女の子は泣いていました。
男の子は笑っていました。
女の子は広い部屋で眠ります。
男の子は普通の部屋で眠ります。
女の子は大きなベッドで寝ます。
男の子は小さなベッドで寝ます。
女の子はドレスを着ます。
男の子は子供服を着ます。
女の子はいつも皆に褒められます。
男の子はたまに怒られます。
女の子の家はお金持ちです。
男の子の家は普通の家です。
女の子は大変頭が良いです。
男の子は普通です。
女の子は大人に囲まれています。
男の子は子供に囲まれています。
女の子は独りでした。
男の子には友達がいました。
女の子は不思議な力を持っていました。
男の子も不思議な力を持っていました。
女の子の力は、世界を守ります。
男の子の力も、世界を守ります。
女の子は自分の力を知っています。
男の子は自分の力を知りません。
女の子は多くの人を救いました。
大人はいっぱい褒めました。
男の子は気付いていません。
女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。女の子は人を救いました。
女の子は多くの人を救いました。
大人はいっぱい褒めました。
男の子は気付いていません。
女の子は泣いています。
男の子は笑っています。
女の子は、沢山の負の感情を溜め込みました。
男の子が両親に連れられて、女の子のところにやってきました。
女の子と男の子が出会いました。
女の子は男の子と遊びました。
男の子は女の子と遊びました。
女の子と男の子は友達になりました。
それから二人は、何度も何度も遊びました。多くの時間を共に過ごしました。
男の子は必死でした。自分の前では泣き虫な、独りぼっちの女の子を笑わせようと必死でした。
男の子は辛いことや悲しいこと、我慢できないことを感じても、それを表に出さないようにしました。それを女の子が見たら、女の子が悲しむと思ったからです。
女の子は経験した辛いことや悲しいこと、我慢できないこと。それらを男の子に吐き出しました。
男の子はそれを黙って聞いていました。
女の子が溜め込んだ、負の感情が徐々に減っていきました。そしてそれらはいつしか無くなりました。
男の子は、我慢して我慢して、負の感情を溜め込み始めました。
女の子は良く笑えるようになりました。
それを見て、男の子も笑っています。
しばらくの時間が流れました。
女の子は、時々隠れて色々な人を救っています。男の子はそれには気付いていません。
女の子は本当に多くの人を救っています。けれどそれが男の子に気付かれることも無ければ、褒められることもありません。
しかし女の子は、男の子からの賞賛など欲しくはありませんでした。いいえ、むしろ、男の子をできるだけ『そういったこと』から遠ざけようと必死になりました。
男の子の持っている不思議な力。それが明るみに出てしまえば、男の子の身に危険が迫るかもしれなかったからです。聡明な女の子は、そう思いました。女の子は、その後に両親から引き合わされて三人で良く遊ぶようになったもう一人の不思議な力を持った女の子と一緒に、必死に男の子を『そういったこと』から遠ざけました。
男の子は気付きません。自分の力にも、自分の幼馴染の女の子達の力にも。
それで女の子は満足でした。
女の子は思いました。自分は多くの人を救う力を持っている。そしてそれを使い、多くの人を救うのだと。
男の子も、無意識のうちに世界の安寧を保っていましたが――――意識して女の子のように、『そういったこと』に飛び込む必要は無い。彼は、たった独りの自分を救ってくれた。
その私がもっと頑張れば、それで男の子はもっと世界を守ったことになる。それで良いのだと。
そうして15歳のとき。女の子は両親から真実を告げられました。それを聞いた女の子は、自身が生を受けたのは、彼を守るためだったのだと――――歓喜に打ち震えました。それこそが彼女の存在意義。それこそが『夜薙』の存在理由。そしてその瞬間に、本当の意味で『夜薙詩織』が産声を上げました。
夜薙詩織は星宮銀也を守ります。星の宮に住まう人を人の目から隠すには、星が目立つ夜を薙ぎ払ってしまえばいい。
夜薙詩織は戦います。星宮銀也を脅かす、ありとあらゆるものから守護せしめんために。
夜薙詩織は戦います。星宮銀也がいつまでも幸福でいられるように。
夜薙詩織は戦います。自分が好きな、星宮銀也の笑顔を守るために。
夜薙詩織は戦います。
星宮銀也が夜薙詩織を救うために溜め込んだ、負の感情に気付かぬままに。
女の子は笑っています。男の子も笑っています。
けれどそれは、果たしてどこまで同じ笑みなのでしょうか――――――――。
なんともいえぬ。なんともいえぬ。大事なことだから(ry。そんな感じのお話です。
さすがにこれだけでこれからの展開がばれるとは考えたくない……そんな感じのお話です。いえ、超展開なので読みきれる人は居ないと信じますが。
不安になりましたが、超展開って一応貶し言葉ですよね?
夜薙詩織、通称しおりんは、主人公の中で何度か出てきた「幼馴染」です。一応幼馴染はもう一人居ます。その子も今回、ちょろっと一行だけ出演しました。
前話までに出てきた幼馴染は、すべてしおりんのことです。念のため。確か、確かそうだったはず――――!