雨として
掲載日:2024/09/24
雨の音がしている。
待ち望んでいた雨。
恵みをもたらす雨。
でも嬉しさが縮こまる。
寝床から障子を開けた。
雨粒がひらひらと、
キラキラと、麗しい。
それも言い難くなる。
雨は安全な所で、
眺めた時にこそ雨だ。
この雨を雨として、
眺められない日もある。
今、豪雨が気にかかる。
今、洪水が気にかかる。
今、雨を雨として眺めて、
これほどの幸はないと知る。
自然の営みに委ねて、
穏やかに暮らせる。
そのような時が流れて、
季節に巡って欲しい。
雨の音は大きくなり、
雨ではなくなりそうで、
そろそろと障子を閉めた。
また寝転んだ。
そう、待ち望んでいる。
あの人と途絶えてから、
わかりようもなく、
ただ待っている日々。
もしも今宵、足音がして、
近づいてくる気配を
見つけられるとしたら、
自分の心はどうなる。
待ち望んだ人に
再会の時を得た途端、
望みに包みこまれて、
自分ではなくなるような。
思いがけないことは、
雨にしても人にしても、
起こり得るものだ。
充分知っている。
どこかで、あなたも
思っているのですか。
一歩先はわかりません。
誰にもわかりませんと。
今、豪雨が気にかかる。
今、洪水が気にかかる。
今、雨を雨として眺めて、
人への想いが強まる。




