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エッセイ2

私は人殺しかもしれない

作者: 七宝

 心配な方のために結論から申し上げますと、多分人殺しじゃないです。

 昨日の夜というか今日というか、ちょうど0時頃に、ペットボトルを捨てるために私は家を出た。


 本当は朝捨てなければならないのだが、「朝」が何時からなのか分からないのと、時間がないと分かっているのに捕まえて話し込んでくるおばさんがいるのと、そもそも混むのとで夜中に来ていた。つまり私は悪者である。


 私の地域のゴミ捨て場は神社の前にあるのだが、ゴミ捨て場の近くまで行くと神社で誰かが何かをやっているのが見えた。


 保育園くらいの女児と、その母親と思われる女性。見た通りに話すと⋯⋯"エア"ボール遊びをしていた。


 小さな子に軽いゴムボールを中腰で下からゆっくり投げるという光景を何度か見た事があるが、体勢と腕の動きが完全にそれだった。でもボールがない。子どもの方も同じような動きをしていた。中腰の盆踊りにも見えた。


 こんな夜中になにやってんだと思いながら、私はペットボトルの詰まった袋を持ったまま引き返した。夜中に出すのを目撃される訳にはいかないからだ。


 家に帰った私はふと思った。


 もしかして、死のうとしてた⋯⋯?


 ここからは考えすぎ人間の突拍子もない妄想と思って聞いて欲しいのだが、あの母親が娘を連れて心中しに来たのではないかと思ったのだ。


 あの神社には良い枝ぶりをした木が多く生えているし、こんな夜中にあんな小さな子とあそこにいる意味が分からない。それに、あの変な遊びだって私が来たからとっさに遊ぶフリをしただけかもしれない。


 もしそうだとしたら、私が止めなかったせいで2人は今頃⋯⋯


 いやちょっと待てよ? もしかしたらあの2人もペットボトルを捨てに来ていて、人が来たから誤魔化すために変な動きをしていたのかもしれないぞ?


 にしてもあんな小さい子をあんな時間に連れ出すかね⋯⋯


 あ、でも母子家庭で、小さい子を1人で家に置いておくのが怖いからってことも⋯⋯いや、そこまでして夜中にゴミ出しするか?


 いじめがあると「見て見ぬふりをしたあなたも加害者なのです!」みたいなことを言う人がいるが、今回の私のこれはおそらく違うだろう。見て見ぬふりをしたわけではないからだ。何が何だか分からなかった。


 でも、後悔は残る。私の頭がもっと良かったら、その場でその可能性を考えることが出来ていたら、もしかしたら止められたかもしれないのに⋯⋯


 そういうことなので、ものすごく怖かったが朝一番で神社に行ってみた。全ての木を見て回るも、死体もそれらしき痕跡もどこにも無かった!(^q^)よかった!


 (^q^)キツネがいたよ! 珍しい!

 でもよく考えたら別日にしただけかも⋯⋯


 私以外にも夜に出しに来る人いるから、もしかしたら私の後にも誰か来て、今日はやめにするか!ってなって家に帰ったのかも⋯⋯


 ネガティブな話だなぁ⋯⋯

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― 新着の感想 ―
[一言]  ペットボトルは溜め込まずに毎日出勤時に持って出て、その辺の自販機脇に設置してあるゴミ箱に放り込めばよいのでは?
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