もしもあの日…
掲載日:2023/12/04
もしもあの日、君が死ななかったら。いま、どれだけ幸せだろうか。
あの日、君は交通事故で死んだ。僕の腕の中で、静かに息を引き取った。
そのあと僕がどれだけ泣いたかも、君はなにも知らない。どれだけ愛しているかも、君はわかってくれない。もう…なにも…知ってくれない。
もしもやり直せたら…
………………………
「ここは、どこ?」
僕は不思議な空間で宙に浮いていた。温かくて、とても気持ちのいい場所。
「なにかが見える…あれは…君が死んだ日のこと…?」
君を抱きしめて、泣き叫ぶ僕が見えた。
僕は祈った。どうか神様、僕がかわりに死にます。あのこを…僕の大切な人を助けてください…
次の瞬間、意識が飛んだ。
目が覚めると、そこには君がいて、泣いていた。何かを叫んでいる。
君「お願い…おいてかないで…あなたが好きなの…」
ああ、そうだったのか。死が迫るなか、僕はとても幸せだった。
なにより大切な君に、抱きしめてもらえたから。
そして、ありがとう。さようなら。




