表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

試練のガラス

更新遅くなりました! やっとできた~。

はて・・・? 教会とやつはいったがどこにどうあるっていうんだ?


まてヤツのことだ・・・。きっとマップとかも全て脳内に暗記しているに違いない!


ほらみろあの迷いなく飛ぶ雄々しき翼を!(ただの白いハト)


あまりにもイージーである。さあ鳥生活3日目を終わらせに行こうか!


広場を通り抜け、洗濯ものが国旗のように連なる路地へとさしかかる。どけい邪魔だ! おれのあたまに当たってくるな!


布が視界をかすめていく。視界がぶほっ。ほこりまで再現ぐはっ。


「(フッ)」


なんてやつだ! あいつ後で覚えてやがれこの器用ゴリ・・・。ジト目をしていると目から汗が・・・。あれだ。ほこりだからな!?


だんじてヤツより飛ぶのに苦労して悔し涙をしているわけではない!


「(急ぐぞ! 後距離300km!)」


ん!? 聞き間違えだよな? 時速300kmのスポーツカーで1時間かかるだと?


「(悪い。おれ無理・・・。力尽きてしねる。グウ。)」つばさが力なく閉ざされた。


「(寝るな! 起きろ! お前このままで良いのか? はとだぞ!? ここで小鳥として一生を終えるなんて地獄ではないか!)」


しかし、しかしだ・・・。


「(おれ、お前といるだけで地獄なんだよなあ。)」


「(フッ。初めて意見が一致したな! だが、協力してもらうぞ? お前は自分のことは諦めるなり好きにしろ。だがな、私を巻き込むな。私は現実世界に戻りたいんだ!)」


「(だってお前おれのこと救ってくれる保証がないだろうが。)」


「(む、、むう。だ、だがな・・・。善処はしてやる・・・。だから、頼む! 力を貸してくれ! 本当に猫の手でも借りたいくらいなんだ!)」


「(ふん。二言はないからな!? お前がそういうなら、おれもがんばってお前のこと好きになってみるよう努力しよう・・・。)」


「(なんだと!? 私は魅力的だろうが!)」


「(そうだよ!? お前は魅力的かもしれない! だが、だがな・・・。なんというかタイプじゃないんです。ごめんなさい。)」


「(なんでお前ごときに私は振り回されなきゃならんのだ? 屈辱すぎる・・・。)」


「(だからそういうとこな? ホントに無理すぎる。やれやれ。)」



こんな感じで、おれたちは移動中喧嘩し続け、2人の雰囲気は最悪だった。


だが、おれたち2人は次の日仲良くハイタッチをし、お互いに涙していた。さて、なぜそうなったのか。


ことの始まりはそう、正午鐘が合図だった。



*****



泣く泣くゴリ(心の中での呼び名)のあとを追いかけるおれ。


300kmなんて、ふざけるなよ。きつすぎる。だが思いのほか早くついた。もしかしたら伝写鳩の血筋のサラブレッドだったのかもしれない。


フッ。おれってば最速で最恐よ! (ただの鳩ですクルッポ~)


高度をあげて上昇気流に乗ればあっという間だった。なんか身体が覚えてて(本能とでもいうのだろうか?)目的地を視野に納める。


風邪切りばねをひらりと寄せ、おれはなんかエレガントな気分でゴリ(奴にはないしょ)に話しかけた。


「(なあ。あれが目的地か?)」


「(ああ。そうだ。早くもとの身体に戻るぞ。)」


「(もちろんだ。ささっとすませて後腐れなく別れような!)」


「(うむ。ではフィナーレと行こうではないか!)」


鳩の体重2匹計800gのキックがむなしくポフっと響き渡った。とたんに絶望を覚え始めたおれたち。


そう、今からこの教会で奇跡を起こすのだ。今度こそ聖女の登場かと思わせるのがシナリオライターのミスリードで、続編がきになる~とかなんとか読者間では話題になったそうな。


だから、中に用事があるのだ。ありありのありで、ありまくりなのだ!


「(おいお前えええええええ!? さっきは自信ありげにステンドグラスはこの世界観では薄いガラスだ! ガラスのつなぎ目がみえるだろ? ほら! ここが割れやすいから、ギリギリ私たちでも突破できるはず! フンスッとかいってたよなああああ?)」


「(フンスッなんていってない! 揚げ足取るな! 女々しいやつめ! ええい! 目障りだ! わたしだって・・・。私だってなあ! 今は余裕がないから、羽を数枚むしるくらいしかできないだろうが!)」


「(八ッ。いつの間に!? 羽が痛てえええええ! ズキズキしてきやがった! このゴ・・・・)」


「(ゴ!? へええええええええ。恩人にそんなことを・・・。続けて!? さあ!)」


「(すみませんでした・・・。(涙)」


「(うむ。減刑してやろう。)」


小言でぶつぶつとやつは自慢の脳をフル回転させはじめた。


まさかガラスがペアガラス構造っだったとはしかしいったいどうすればいいのだ。2重構造の技術はこの時代にはなかったはずだ。全くわたしとしたことがこの程度の見落としをしてしまうとは。あり得ないことの連続で頭が混乱しているのだろうか。


こうなったらやつは足を動かそうとしないので、頭を軽くげしげし蹴とばしながら地面へと誘導した。


やつを地面に着地さえ、おれにも考えがあるとばかりに普通にドアがあいている入口から侵入しようとする。


「(フハハハハハ! なにも難しく考える必要なんてないのだ! シンプルに! さあいざ行かん!)」


スーッと滑空を決めておれは優雅に扉に入っていった。いや。正確には入ったつもりだった。


なのに・・・。


門番に優しく抱き留められ、おれは「森へおかえり」されてしまった。(屈辱)


なめんなあああああ! 超短い足で鳩ウォークで突破を試みるも、また抜き失敗。空から滑空しておれのおしりにがんばってもらって糞投下して目潰しを図るも華麗に避けられる。


右斜め30度、左下40度ともに侵入失敗・・・。


まさにワールドカップの各国代表のキーパーも真っ青なファインセーブをする門番たち。


なんて息のあった2人なんだ。


むっき~~~~~~~~! クソが! また捕まった。なんて高性能なNPCなんだ!


「(おい。後イベントまでどれくらいなのだ?)」


鳩が精一杯できる極悪顔でおれは問う。


「(後、残り35分に奇跡は起こる・・・。だから。どうにかして入らないと。)」


「(お、お前もなにか考えろ。この門番がいる中で入り口から入るのは無謀すぎる。無理だ。かといって他の窓ガラスや壁の穴なんてない。それはもう確認ずみだ。しかし今はこれしか・・・。)」


不意に絶望感に襲われ私は地面をみていた。私はもうダメだ。なんてみじめなんだ。こんなに嫌いなやつとずっといて。自分のプライドを押し殺して頭を下げてまで協力させておいて。


たしかにこいつには助けられた。魔法陣を作るのに。お互いの身体に描くので時間をとられたがなんとか間に合わせられたので気が緩んでしまっていたとでもいうのか!?


ハハッ。こんな世界に来ておいて。まだ希望を捨てきれてない自分が滑稽に思えてきた。そうここはデストピア。


もう現実を受け入れるしかないのか?


「(おれにも考えがあるぞ。あれだ。サンタさんだよ!?)」


「(なんだと? 今はふざけている場合では・・・。いやまてそれだ! 煙突チムニーをくぐれば!あるいは!)」


血ナマコになって探した煙突チムニーは屋根の隅のほうにこじんまりとあった。


「(後何分だ? 間に合うか?)」


「(ああ! 私の腹時計では後5分だ!)」


いやまて。お前、時間、腹時計・・・。ん!? 腹時計ではかっているのか? 分単位までとはひくぞ。普段どんだけ精密なスケジュールで生きてるの? 怖いんですけど。


ヤバいおれこいつに2度と歯向かわないほうが良いのかも・・・!? (涙)


2羽のハトが空をまう。一人の少女から淡い光が飛び立つその瞬間に前へと踊りでる。


人間なら鳥さんよ~♪とかビックリするんだろうが、そこはNPC。おれたちなんていないものと扱われてスチルは終わった。


みるみると魔法陣が起動しもとの姿をとり戻るおれたち!


「おいおいおいおーーーーーーい! 戻っちゃったぜ! おいおい! おれ降臨!」


(*彼は元中二病患者ですが古傷が開いたようです。)


「・・・。」


おれ? ゴリラ裁判官は? おれはとっさに気づいた。ヒュウウウウウっと鼓膜と背筋が凍りかける。


ま、まさか・・・。この展開は・・・。人間になったら裸だった件ではないでしょうか。


ズザザッとおれは横滑りで聖歌隊のチャペルのカーペットをはぎ取った。赤くてひろい布が空を切る。


ヌオオオオオっとおれの腰に巻く分だけ切り取って後ろのゴリラ裁判官に残りは被せてやった。


おい。そんなにショックか? おれに親切にされたのが? 


「フッ。礼を言わせてくれ。恩に着る。」


なんだよ。おれに礼を言うなんてらしくねえな。そっと手を差し伸べたたせてやった。


「気にすんな。ちょっと待ってろ。お前の分の服も取って来るから。」


これはあれだからな。なんかすっ裸の女性を放置するのはやはり人として品性を損なってしまうからな。自分のための行動である。


近くの民家から着替えを調達して、門番からマフラーをはぎ取ってきた。鳩のときはあんなに高度な動きをしていたものの、対人間にはまるでただの人形のようで気味が悪い。


ドアを開け、すぐさま閉める。少し冷気が入ったからか教会の講堂のほうからくちゃみが聞こえた。


奴は最前列の席に毛布にくるまって震えていた。多分怖くもあったのだろう。


「すまん。待たせたな。相棒。」


「う、うん。戻ってくるとはな。これを着ろと?」


「文句いうなよ。風邪ひくぞ。お前の看病なんてごめんだからな。早く着ろ。」


「礼を言いたかっただけだよ。そのう。どうもありがと。」


フイっと横を見る彼女。続けてくしゃみをする。せわしないやつだな。


「少し休憩していくか。」


コクリとめずらしく素直にうなずいた彼女。


「ね、ねえ。」


「なんだよ。」


「元に戻れたね!? やっと。」


「ああ。3日ぶりだな。後はもとの世界に戻るだけだ。」


「うん。そうだな。」


「・・・・・・。」

「・・・・・・。」


少し長い沈黙が続く。


心配になり彼女のほうもむくと彼女は泣いていた。きっともう元に戻れないだとかいろいろ気が張っていて大変だったのだろう。


彼女を利用しようとしていた自分がとても小さく感じた。


ごめん。ゴリ、ごほん。


ファンタジア。ようやく相棒と向き合えた気がする。


「手を出して?」


潤んだ瞳で彼女は手の平を掲げてきた。


どうしよう。なぜかもらい泣きをしてしまったおれもどうやら心が弱っていたようである。


そっと手の平を合わせてハイタッチをした。


「ねえ。今ときめいた?」


「いや全然?」


「だよねぇ。私も!」


アハハっと笑う彼女はとても女性らしく可愛く見えたのはきっと気のせいだろう。ドサリと降る雪が地面へと塊で落ちる音がした。























読んでくれてありがとう♪ このスチルのBGMは教会の鐘の音だったようです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ