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見知らぬ部屋

急展開大好き♪。フッフッフッフッフ。消息を絶ち彼らが向かう先は・・・。(次回から真面目partなので(多分)ギャグていすとなのお許しくださいm(__)m)

朝目をさますと、女ものの化粧品やら何やらがおれのデスクに置いてある日がある。


ああ。夢じゃなかったんですね。おのれ神。


「クッソ!」


おれはベットにこぶしを打ち付けた。あんれえ!? おかしいゾ?


この拳は、この浮き出た血管は、この筋肉は!?


ジムで鍛えたおれの手じゃねえか!


神、グッジョブ! 1日で戻してくれてありがとう!(彼は混乱しております。ほんとは2日たってます。)


よっしゃー!勝ち! もう老後の資産とか、おれの将来のキャリアアップとか。それは些細な問題なんだ!


おれがおれであるがゆえに。本人であるだけで救われている。


やっと帰ってきてくれた。本当にありがとうおれの身体。


朝メシ食っておれは元気に会社に飛び出した。


それから1週間なにもなかった。ついでにいうと、金曜日も。


だが、病は治まってなかったんだ。


土曜日の夜。おれはパチンコからの帰り道に身体の違和感に気づいた。


おい(汗)嘘だろ。例の玉が2こきれいさっぱり消滅しているんだが!?


ガラスに映ったおれの顔はまだ男だった。


感づいたおれはタクシーに飛び乗り、マッハで帰宅した。


ヤバイヤバイヤバイヤバイ。


また身体が変わってきてやがる。


3Fへのボタンを必死に連打し、祈りに祈った。


たのむたのむたのむ。ドアの中に入るまでもってくれ。


閉じられた扉。おれはそっとスーツを脱いだ。


知ってた。うん。また美女なってますよね。


鏡に映る美女の顔がはかなげに涙していた。


お洗濯しててよかったです。そっと女性用の服に着替えた。


おれは学ぶからな。フードデリバリーで夕飯を頼んだ。確かスマホでずっと使っていなかったが、専用アプリをいれていたのだった。


どうしてかファーストフードを受け付けない身体になってしまっているおれは泣く泣くサラダパスタをカートに入れた。


おれの晩酌鉄板メニューよさらば。夢か幻ならどんなに救われたか。神!? おれの身体返しやがれ下さい。


あああああもう。どうしてこんなことに!? ジタバタしている両足がスラリと長く見えた。そういやおれ顔小さいな?


あれだ。八頭身というやつだ。爪きれい。お肌スベスベ。


確か入浴剤を半年ほど前にギフトとしてもらっていたはずだ。あれだ。も~ちゃんの牛乳入浴剤。そうこれこれ。


洗面台のしたの棚にわずかに埃をかぶってたがそっと払いセッティングをした。


こんなに美女ならその美貌をキープしたいだろうが! 例えそれがかりそめのおれの身体だとしても。


かっぽ~んと湯船につかりおれは過去1繊細な手先で髪をすいた。


ドライヤーで念入りに乾かしてヘアケアをする。オイルをちょこちょこっと使って。なるほど。優しくブラッシングしていく感じか。おれの髪はサラサラなやつだった…


保湿シートマスクと保湿クリームと。あれこれする。


そう言えばどうせ男に戻れるのなら、なにもしなくて良いのでは? いやまて。来週また身体が化けたとき、髪ぼっさぼさなのはちょっと勘弁して欲しいかもしれない。


念には念を入れてもその価値はあるな。


フッ。おれは鼻をならした。


そういやヘアアイロンがない。ダムダムダムダム。ボカスカ殴った拳は枕に致命傷を与えられず柔らかく沈んだ。




*****



今日の昼だろうか。私はめずらしく部下から怪訝な顔をされていた。


「ボス! おーい。ボス!?」


「坂口なんだ。」


「いえ。最近ずいぶんと明るくなったように見えます。あ、すみません。プライベートな話題はNGっすよね。さーせん!」


「フッ。まあ良い。お前も最近弁護士頑張っているそうじゃないか。気を緩めず頑張れよ。」


「さすがっす! 耳が早いっすね。まあおれこの調子じゃ先輩いずれ越しちゃいますけどw」


「なんだと? やれるもんならやってみろ。」


「怖いっすよ。先輩。冗談っす。でもいずれ先輩にもおれのこと認めさせてみますからね!? あ、ところで話変わるんすけど。先輩の最寄り駅ってたしか・・・。」


思い出すようにあごをさすってみせた。なんだお前。ひげダンディにセットしてきたのか。


まあ私に好意をむけているのかもしれないな。後輩からしたわれるのは悪い気がしない。


「ああ。夢の國だ。なんだ? デートのお誘いか? なら返事はNOだ。」


「マジっすか。いいですよ。今回は諦めますけど。そうじゃないっす。そうじゃなくて。最近その駅付近で人が消えているんすよ。」


「なんだと!? それは私も初耳だな。」


「おれの友人もその付近で消息が途絶えていて。おれも最初は信じてなかったっす。でも3カ月もあいつが仕事を放り出して家族とも連絡が付かない状況なんてなにかあったかもしれないっす。」


「ハハッ。なんだお前そういうやつ信じるタイプだったのか? 私がそうなるわけないだろうが。」


「はいはい。先輩ならそう言うと思ってました。ただ記憶の片隅にでもとどめておいてください。」


「ああ。分かった。心配してくれてありがとう。」


「おや先輩やっぱりなんかあったっすね? いやなんでもないです。ではおれはこれで。」


「ああ。」


静かに立ち去る彼の後ろ姿。私はなにか嫌な予感がした。



*****


どんよりと空が曇る夕暮れどき・・・。仕事終わりなのに気が晴れない。


カツンカツンとヒールの音が響きわたる。


足元を見ながら歩いていたら、周りからふと音が消えたことに気付き私は視線を前によせた。


「あれ? ここはどこだ? さっきまで私は夢の國駅の改札口から出てきたところだったはずだ。なぜ室内にいる?」


自分のおかれた状況にゾッとした。これはまさか・・・。いせかい・・・。


「あの~。ウゲッ。あんたか(涙)」


目の前に見知らぬ扉があった。そして私のとなりにはあのいけ好かないチキンがいた。


「なんだお前か・・・。さてはお前の仕業か? 後悔させてやろうか。」


「違う違うって。おれの仕業ってなんだよ!? それはこっちのセリフだ!」


「なんだと? 良い残す言葉はそれでよいか?」


「フンッ。お前なんかにおれがやられるもんか。喧嘩ならかってやるぜ!」


「ほう。面白い。」


そういってヒールをみぞおちに打ち付けるべく、私は足をふりかぶった。


「くらいやが・・・。エッ!?」


視界がぐらりとゆれた。まさか!?


「み、見るな!」


着ているワイシャツのボタンがはじけ飛びしシックスパックがこんにちはする。


しまった。私の身体があの絶世の美男(イケメンに変身てしまう!


この醜態を隠すには勢いよくやつの後頭部を狙おう。そうしよう。


みぞおちではなく頭へ強烈なかかと落としだ! くらえ~!


「や、止めてくれ!」


そういってなぜか体制を崩したヤツから女性の声が聞こえた。


どういうことだ!?


「ま、まさかお前・・・。あのときの!?」


「え? なんであの隣人のクソ彼氏が? さっきのやかまし裁判官はどこに?」


やつだ本人だ・・・。にわかには信じられない話だが。この女性はあのときの隣人の絶世の美女彼女ではないか。


ヒット対象を失ったかかとを地面に下す。


「お前だよな?」

「そっちこそ!」


私たちはしばらく見つめ合った。


フッ。そういうことだったのか。お互いの正体だとお互いが確信しあった。


「このことを人にばらしたら殺すからな。」


「それはお互いさまだ。」


そっと手を差し出して彼もとい彼女をたたせた。


もう帰ってお互いに寝て忘れよう。なにせ今のこの状況があまりに危険だからだ。


ここの現在地は!? どうして急に変身してしまったんだ? 今日はまだその日ではないはずだ。


早く帰らなくては・・・。


そう思って開いた扉。それはあるいは最悪の選択だったのかもしれない。


突如真っ白な光に包まれ私は、いや私たちは今度こそ異世界転生してしまったのだった。


また目まぐるしく移り変わった景色。


黙々と湧き上がる湯気。ここは・・・!?


どうやらお風呂のようだった。私は例にもれず生まれたままの姿で。


胸のふくらみ具合から女性に戻っているのが分かる。


まさか。この展開は・・・。すごく嫌な予感がした。


なんだ。私が持っているものは。これは石鹼が泡立っているタオルではないか。そしてそれが触れているのは。


見知らぬ男の背中だった。いや私はこの世界観を知っていた。でもそれは小説のなかの話で。


「あ~。いい湯だなあ~。あれ?なぜおれは風呂に?」


その声はその声の調子は・・・。ヤツではないか!? 私が知っている作品のキャラではない。けっしてない。


「このやろう!」


なにが悲しくてアイツと背中流しっこしなくちゃならんのだ!?


後ろからお縄にかけようと襲い掛かる。


「や、止めてくれ!」


そしてこのセリフ。ついでにヤツの声。もう黒である。


理不尽な攻撃が男を襲った。当然のように悲鳴が大浴場にこぎみ良く反響した。



*****

*ひと悶着後・・・。



「あのう。そろそろ情緒落ち着きましたか? 裁判官どの? ヒッヒエッ! なんでもないです。(ガタガタッ)」


「わ、私こそすまない。だが乙女のあられもない姿見たのだ。その代償ということで。」


本音「・・・。(ふざけるなよクソが!)」


「まあそれよりも、本当なんですか? ここが異世界というのは? いやまあ身体が理不尽に絶世の美女に変身する世の中ですから、これくらいではもう驚かないというか。」


「ああ。私も信じられない気持ちだ。まさか失踪事件の真相が異世界転生だなんて思いもよらなかった。」


「なんか知っているような口ぶりですね。いいですか? これはおれにとっても真剣な大問題なんですよ? 隠しごとは無しです。すべてしゃべってもらいますからね。」


「もちろんだ。ゴホンッ。もちろんですわ。ええっと。」


「うっわ。気持ち悪りい。」


ボコッ!


「いってえええええ! すみばせんでした!(涙)」


「いいでしょうか? ここに来たからには演じなくてはならないわ。」


私は周囲を警戒した。私たちがいつもとは変わらないようにするために。


幸い私は記憶力がたいへん良い。物語の構成。キャラがとった行動。そしてこれからどうなるかも全て記憶している。


このバカには無理やりでもいう事を聞かせて、私はハッピーエンドを迎える。それが元の世界に戻る帰り道だというのもおそらく物語として一緒なのだから。


そう。この物語の主人公は、異世界転生者。推しキャラと無事にめでたくゴールインをしたら元の世界に戻るのだ。


ただ。ああ嘆かわ・・・。その推しキャラの配役(中身)があのチキン野郎なんだ。私コイツ嫌い!


「あなたは私を好きにならなければならない。」


「なんだってwww ハッハッハ! 天地がひっくり帰っても。グハッ。」


ボコっとね。


「何か言ったかしら?」


「ばんでもないです。(涙)」


「私だってあんたなんか願い下げだけど! この際は必要なことなんだから!」


「初めて気があったじゃないか!そして叩くな! このゴリラ裁判官!」


「あら~!? 仲良くしましょうね!? ダーリンwww」

「(ドン引き)は、はに~・・・。」


そういう感じで私の異世界生活1日目が始まった。
































読んでくれてありがとう♪ 次の話は来週水曜日更新予定です。さて元ゴリラ裁判官の悪役令嬢と犬猿の仲のサラリーマンさん・・・。今後とも作者は予測不可能な気がしてなりません。(誰がこんな酷い話をかけといったw)

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