表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

現代っ子の強み

2人の現実世界は今ちょうどドタバタし始めたところです。ですがこの作品のタグには#悪役令嬢ものとある。


つまりはそういうことです。これからもっとてんやわんやする物語を楽しんで頂けたらなあと思っております。

もし全くの別人になったら、おれは何をするだろう?


とりあえず美女にトランクスはかせられないだろう? 全く神さまはなにを考えているんだ?


だがおれは現代人だ! ネット通販があるではないか! というわけでいろいろサバクダゾンで買い物をしてみる。


ポチっとね!


ヤバいこの下着エッチいな!? おおう。可愛すぎんかこれ? しかしあれだなあ。サイズが分からん。


どうしたものか。ネットで調べながらウエストのくびれを何故か家にあった裁縫用のメジャーで図ってみる。


なるほど。この一番細くなってるとこか? やっばほっそ。○○cmしかない。(個人情報のため隠してあげたよ)


スゲー。これあれだ! よくネットにいるメンスタ美女とテックトックとかのあの美女たちレベルじゃないだろうか。


分からんが。そんな気がしないでもない。


とりあえず、適当に選んだ。上も下も。なんせ、ノーブラだと揺れるんだよなあ。それに布に擦れて痛いし。


女性の身体ってなんでこんなに繊細なんだろう。ヤバい。どうすれば良いんだ次は?


あ、そうそう確定画面の下の方に・・・。あ、あった。これだ。なになに!? 今日の18時から20時の間にお届けだって!?


おけ。こうなるんだったら元カノの下着もらっとけば良かったな。いや。今呼んで貸してもらおうか?


もちつけおれ。


誰がおれの話を信じようか。なんなら友人にさえ信じられないだろうし、頭のおかしい女を家においているとおれが心配されるだろう。


とりあえずなにか食わなくちゃな。


メンスタ美女の食事はと・・・。ほうオシャレなパンケーキですか。


料理はわりと得意なおれは買い置きのパンケーキミックスを取り出し小さめのを3枚焼き重ねてメープルシロップでコーティングした。


「うん。普通においしい。うんめええ~。」


あら。やだ。こんな美女がうんめええ~ってごめん差別かもしれませんが普通にない気がする。おれってなにやっとるんやw。


「おいしいですわ。」


お、いいね。声も良い感じで可愛い。


全てたいらげて分かった。胃袋小さくね? こんなん普段のおれならペロリなんだが。おやつなんだが?


もう満腹である。こんな食事の量でたりるわけないだろwww とか思ってたおれをぶん殴りたい。


あれだ。人間のなかには胃袋小さい人って本当にいたのだ。実在したのだ。愚かなおれを知れてよかったです。はい。


きっと普段から絞ってたんだろう。食生活とかおれもちょっと見直そうと思った。


ところでいつか元の身体に戻れるだろうか。


カーカル先生どうか教えて! もうなんか頑張って適応しようとしてましたが、明日から仕事だし、笑ごとじゃないんです。


あっ。性転換手術してきたとかでなんか押し通せないだろうか?


むりだああああああ。その後の日常をおれが耐え切れない。


音声入力で上手くヒットしないので、仕方なくスマホに入力した。


”「身体 入れ替わり」”で検索。


ふむ。人間の体内の血液は120日で総入れ替えします。あ、そうなんですか。て今それ関係ねえだろがいっ!


ヤバい。。。。。もう脳に浮かぶ文字は無。。。。


「虚無だ・・・。」


こんな美女がぼっちで家でつぶやいて良い言葉じゃない。そんなん知っている。


時計の針が爆速でまわっていく。なにもおれはできなくて。


「ごめんくださーい。お荷物お届けです。」


インターホンがなる。とぼとぼとおれは玄関へと歩いていった。


「ど、どうもっ。」


「はい。こちらにサインを下さい。」


「は・・・い。」


今からこの段ボールの中のものを着なあかんのか。


あああああ。気が重い・・・・。


どうやったら自分の裸体みてドキドキできるねんて。無理。普通に自分の身体としか認知できねえってばよ。


あ、そう言えばお隣さんも何か宅配注文してたな。そいえばなんか目力強めできつめのOLだっけ?


あの人苦手なんだよなあ。あの人を常に値踏みしているかのような視線が想像するだけで突き刺さる。


ああああああああああああああああああああああああああ。


ヤバい想像しただけで寒気が。ぶるぶるっと背中が震えた。胸はどうだって!? うるせえやい。




*****



ピピピピッ。目覚まし時計とスマホのアラームが交差する。


私はいつもの時間に目をさました。


絶対に予定は狂わせない。そんな毎日だった。


だが・・・。これは予定外だ。ごつごつとした手を見やりため息がでた。ああまだこの姿か。いつになったら元に戻ってくれるのだ?


なんせこういう身体が男になる系の物語はたいてい朝になったら戻っているのが落ちではないのか?


解せぬ・・・。思い通りにいかない悔しさに唇をかみしめた。


こう言うときは外に出て気分転換をするのが良いだろう。


自分でも怖くなるくらいに気持ちが落ちついていくのを感じる。


サトーボックスのコーヒーにでも行こうか。最近になってはあまりこういうチェーン店からは足が遠のいていたもんだが、学生の気分を味わうのも良いだろう。


少し足をのばして異転駅から徒歩5分のあの店で良いだろう。


バックにMERONがあるか確かめて、私はハイヒールに足を通そうとして、壊してしまった。ああもうブランドもののけっこういいやつだったのに。


チッ。なんでこんなに男性の足って大きいのよ!? なんだがムカついてきた。


3カ月ほど前まで同棲していた男の忘れもののシャツとネット通販で購入した皮のサンダルに履き替えた。


落ちついて私。だいじょうぶ。きっと何とかして見せる。


電車にゆれる景色が、いつもと変わって感じた。ああそうか。身長が高くなっているから。


周りの女性からの視線が痛い。確かに絶世の美青年になったのだから。


でもたいして変わらない。いつもは女性として男性からの好意の視線を受けなれているのだから。


まあ本人が気にしなければあってないようなものだから、どうってことない。なんせ赤の他人にどう思われようが私には関係がまったくないのだから。


好きでもない異性からの好意はむしろ迷惑である。


そんなことを考える私が嫌いだ。そんな恋愛観を考えたって好きだった人との時間が戻るわけでもないのに。


頬を一筋の涙がつたった。会いたいよ信也。なんで私を振ったのよ。なんで・・・。私を見て欲しかった。あなたのことが本当に好きだったのに。もっとこう自分をたててくれる女性の方が好きだと彼は言っていた。


でも私はいつも一生懸命に生きていて、彼の気持ちに目をむけていなかった。いずれ合わずに別れる運命だったとしても、もう少し彼と一緒に生きていたかった。


となりの女性が心配してくれたのだろうか。


「良かったらこれどうぞ。」


おずおずとポケットティッシュを差し出してくれた。これを私に!?


思わぬ好意にほだされたのだろうか。


「ありがとう。」


私はめずらしく素直にうけとった。


彼女はころころと変わる表情がとても可愛らしいひとで、まったく私の中身が女性でなかったら惚れてしまうところだった。


楽しそうに生きているとなりにいるのはこんなにも心地よい。私は彼女との時間を楽しんだ。




*****



おれはそうサバクダゾンでまとめ買いした化粧品と格闘を繰り広げていた。


ああああああ。アイシャドウひくの難しすぎるだろ。


すっぴんで良いですか? もうすっぴんで生きていっていいですよね!? 


じゃなくて! おれが女性なんてもう無理だって(涙)


まともに生きれないよ。


泣きはらして膨らんだまぶたが重い。


ズビビッと鼻水をすすりながらコンビニに向かう。


サングラスとマスクで顔を隠しながら。


ちょっと辛くなって階段をおりきってポストとかならんでいる奥でうずくまって泣いていた。


「グズグズ(涙)神さまのばかやろう。マジで返してよ。もう無理もう無理もう無理。なにもできないよ。どうせ自分なんて。ウウウウウウ(涙)。」


週末セールのはがきををチラシ廃却口に放り込みながら、おれは天に中指突き立てた。


「あ、あのう。大丈夫ですか?」


振り返るといつの間にかひとじゃなくて絶世の美男がいた。


あの。この近くに芸能事務所かなにかが新設されるのだろうか。あってる?


「す、すみません。邪魔してしまい。」


「いいえ。あの303号室の方となにか?」


「は、はい。少し用事がありまして。」


「酷いことされたんですか?」


「そ、そのようなものです。」


「あの良ければ、私でよければお話お伺いしますよ。もちろん無理にとはいいませんから。」


「い、いえ。けっこうですので。それにもう彼とは関わりたくないんです。」


そう言いながらもその彼のポストを断捨離してるのは誰かという話だが。


コホンっと咳払いを一つし、見知らぬおとこは語りだした。


「実はですね。私も彼とはなんどかあったことがある程度ですが、なんか生理的に無理なんですよね。」


グサッ。何かが心に刺さってきた。


「で、ですよね・・・。」


あったっけこんなヤツ。黙れクソイケメンがあああ!


「なんか下手にひとのことを苦手みたいにさけている感じがチキンというか。」


グサグサッ。おれはお前なんて知らないがなああああ!


「あ、私の知人に法律関係に詳しい人間がいるので、なにかあったらご相談下さい。」


「ええ。ご親切にありがとうございます。」


そういって差し出された名刺にはあの女の名前があった。


お前かああああああ! お前の男をおれにけしかけてくるんじゃねえよ!


おれは神のついでに隣に住む女にも中指を突き立てた。


お互いに相手が話している相手だとは全く気づかずにとぼとぼとエレベーターに乗り込んだ。


だが少しばかりに2人はお互いに違和感を抱き始めていた。


なぜだろう? となりにいる人が全くの初対面の人とは思えない。不思議な感じがする。


だけどこれだけは言える。恋の始まる予感では決してないということ。




*****




おれは慣れないヒールが高いサマーサンダルを脱いでやっと解放される。


キュルキュルするお腹に鞭をうち、明日に絶望しながらベットにうつ伏せになった。胸が苦しい。


ああああああ。元の身体に戻りたい。どうにかしてくれ。


何も手つかずながらも、おれは1週間分の洗濯だけをすました。


時計の針の音がおれの耳を貫く。もう8時か。


今からやっている店何てあったっけか? そうだ。久しぶりに行くか。


足を引きずりながら向かった先は大将餃子である。


けっしてこのような美女が訪れる店ではないのかもしれない。


「親父いつものやつ頼むわ。」


「ま、まいど???」


「あ、日替わりでお願いします。」


やべえ。めっちゃ怪訝な顔されてるよ。うかつなおれを恨みます。


ごまかすように完璧な微笑みをうかべておれは席についた。


お腹すいたなあ。うまいもん食ったら明日も頑張れるかな? いやこう思ってるメンスタばりの美女もいるもんだな。ここに。


ズズズっとラーメンをすすった。あ、にんにくおいしい。喉を潤す冷水が愛おしかった。







































読んでくれてありがとう♪ ノリがキツいと思った方々はごめんなさい。ちゃんと後からいつもの作風になるよう作者頑張ります。(たぶん!?)日常回(?)からの転生もやってみたかったんです。はい。次話急展開入ります。本日22時に更新予定です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ