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秘密結社:非青春倶楽部  作者: ラピスラズリの猫
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第二話 小学生時代の俺達には通学路が無限にあった

俺は小学生時代を香川県の田舎町で過ごした、父の転勤の影響だ。

正確には幼稚園時代を含む7年間近くを香川で過ごした。


香川はなかなかに見所のある県だと思う。いや忖度なしにそう思う。

うどんによる独裁政治がされていると思われがちだが、骨付き鶏だって負けちゃいない。

草間彌生の芸術品しか観光資源がないわけでもない、天空の鳥居に日本のウユニ塩湖、寒霞渓と観光地は山ほどある。

何と言っても香川県は日本で一番小さい県だ。

山ほどある観光地を車で簡単に巡れるのもまた素晴らしいところといえるな。


香川県で過ごした7年間は俺の中で人生を大きく左右した時間であった。

東京の友人に香川での学生生活を話すと、まるで異国の話かの様にリアクションされる。

例を挙げると俺達の通学路は無限にあった。

親や先生方、地域住民からしたら迷惑な話かもしれないが、俺たちにとって歩けるところは帰り道であった。苔むした家の塀や田んぼを仕切るコンクリートの畔道、どぶ川に空き地すべてが通学路になった。

東京で教育を受けた今考えると当時の帰宅方法はクソガキのそれである。

(今では当時を反省するフリが出来るくらいの常識人にはなったつもりだ)


通学路は無限にあれど、俺たちの帰宅のゴールはゴミ山だ。

ゴミ山とは文字通りの多種多様なゴミが積まれた山であり、小学生時代の俺たちにとって宝の山だった。

そこには日本酒やトイレ、パチンコ台、冷蔵庫まで、時には部屋が捨てられていた。

俺が初めて大人の青春本を目にしたのもこのゴミ山だ。

このゴミ山にある材料を使って小舟を作りどぶに流す「パコパコ戦」という遊びも今では懐かしい。

この遊びをしていたがために、ランドセルに入っていた教科書一式をどぶ川の神に献上することになった。この出来事が俺の学業に対する熱い気持ちを失うきっかけになり、数年後の自分を苦しめることになる。あの時ランドセルをロックしていたら、俺は今頃、東京大学にでも入学していたことだろう。

読者諸君、勉強は基礎がないと大変苦労する。

数10年後「もうちょっと勉強してたらな」と愚痴をこぼすことになるのだから、今のうちに勉強をすることをおススメするよ。


大人からのアドバイスはここまでにして、

この様な環境が幼い自分にとって刺激的であったことは言うまでもない。

しかしこんな刺激をよそ眼に俺は人生で一番長い恋をしていた。


これまでは俺が育った環境を話してきたが、

ここからは当時の俺の人となりについて説明していこう…





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