41-1 主命
「――我が主よ。極彩よりかの魔女君と騎士が来訪いたしました」
帝安の煉城。
第一区画――黎明の座。
極彩の魔女、無花華彩菜とその騎士、序列三位の式守凛祢の来訪を報告を従者から受けた帝安の煉城の学園長にして、かの魔女に次ぐ最古の魔術師――ヴァーミリオン・イア・ヴェルナ。
心底不快だと言わんばかりの顔と目で、報告する従者を睨みつけていた。
正確には矮小かつ程度の低い別人の魔力で偽装してここに来た、遥か彼方で歩く侍従を見据えて睨んでいた。
「庭園で何があったか知らないが、何の真似だ。あの性悪災害」
「視察のものによれば、あの者が魔女君の侍従を名乗って以降、無花華彩菜の姿が見えなくなったとのことですが」
「大方、肉体がぶっ壊れたんだろう。何したのか知らねえが生きてる人間の――ましてや魔術師の体に自分の魂と術式を転写しておきながら器に全く影響が出ないなんて芸当はあの災害にしか出来ねえよ」
「であればやはり彼女が....」
「無花華だろうな。んで、あの隣にいる黒髪のしょぼそうなのが『八大使徒』のジジイ連中が騒いでた精霊か」
「はい。報告によれば、既に因子自体は目覚めているようで『天使顕現』の形跡も確認されていたようです。痕跡はほどなくして消えたようですが」
「そこは気にしてねえ。問題は至高天の爪痕だ。あの精霊に反応していた」
「っ、まさか厄日が――」
「同調はさほどねえ。というよりする前に雑に切られてる」
ここにあんなものを連れてくるくらいだ。それくらいの礼儀は持ってきてるらしい。
「監視と案内をつけろ。手は出すな。侍従を除く二名を客人としてもてなせ」
「承知いたしました」
「それと門に伝えろ。侍従の魔術師が見えたらここに連れて来いと」
「仰せのままに、我が主」
仕事の合間にバっと書きました。
一応再開しますが新作も書いてるのでめちゃくちゃ片手間に手抜きなく書くのでよろしくお願いいたします。




