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キミと僕の約束、それは世界を守る誓いの聖約  作者: はるたん
第二章 虚歌の再臨祭
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序章 鐘の音、心揺れて


 ——その音に、初めて心が揺れた。


 音は嫌い。いつもあたしの傍でザーザーと鳴る音が不快で、気持ち悪くて、何かに付きまとわられてる感じがして嫌い。

 音を吐く生き物が嫌い。普段聞こえる音よりもより不愉快で、ぐちゃぐちゃにて黙らせないとおかしくなりそうだから。

 死音が嫌い。聞くに堪えない雑音。死の間際に響く音が不快。黙って死ねないのかなって思う。だからまず初めに、のどと肺をよく壊すようにしている。


 私はただ、静かに生きたい。だからうるさいものは大嫌い。

 音のなるものは全部壊したい。でも——うるさくない音もある。

 学園長——あたしの通う魔術師たちの学び舎〈極彩の庭園〉の長にして、最強の魔術師。

 あの人の音だけはきれい。あの人の周囲にいる人たちも、他に比べたら少しマシな雑音で、殺すほどじゃない。

 

 だから——それ以外はきれいにしなきゃいけない。

 丁寧に、じっくりと、時間をかけて。

 世界はずっと危険だもん。あの人たちは因子を滅ぼして世界を救う。

 あたしも魔術師だから、当然救うよ。雑音のない——あたしのための世界を。

 五月蠅いのも、キモイのもいない、綺麗な音だけがある世界にして、邪魔な音は消さなきゃ、生きれないから。


 あ、でもその前に探さなきゃ。

 あの夜、この五月蠅い世界に鳴り響いた、優しくて暖かで、あの人よりも猛々しい音を奏でた、この世界でただ一つ、愛おしさすら感じた最愛の音を。

 その音を見つけるために、どれほどの犠牲が転がっても構わない。だって——あたしには要らない不出来なもので、あの音をもう一度聴いて、守ることがあたしの生きがいになったんだから。


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