表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/284

第31話 Sランク魔獣襲来


 冒険者ギルドで、クラン登録の申請を行なった直後、入口の扉から倒れ込むように4人の冒険者が入ってきた。4人は傷だらけで特に1人は重傷だ。


「キヌ、回復してくれ」


「ん。【ヒーリング】」


 重傷者から回復していくと徐々に傷は癒えていく。

 俺も回復ポーションで回復を手伝うが、ポーションでは治りは遅い。

 残り3人も徐々に回復していきなんとか1人が話せるようになったところでギルドマスターのスパルズも駆け寄ってきた。


「何があった?」


「黒いドラゴンがこの街の方角に向かってきています! サイズからみてSランクの魔物かと……」


「なんだと!? 今どのあたりに居る!?」


「モルフィアの森です。進行している方角からすると……この街に来る確率が非常に高いと思われます……」


「くそっ! なんだってこんなタイミングで……」


「とりあえず重傷者を治療院に運んだ方が良くないか?」


 俺が提案すると職員が数名で重傷者1人を運んでいった。


 嫌な予感はしていたが、それにしてもドラゴンとは……


「阿吽、いや【黒の霹靂】のメンバーは、ちょっと俺の部屋へ来てくれ」


「わかった」

 

 部屋へ通されると、すぐにスパルズが話し始めた。


「阿吽たちも知っての通りモルフィアの森の生態系が2週間程前から変化していた。

 それで、今回調査のためにAランクパーティー【幻想の春風】を派遣していたんだ。それがさっきの4人組だ。

 現在この街にはSランクパーティーは居ない。一番近いミラルダからでもレクリアに到着する前にドラゴンが街に入っちまいそうだ……

 で、だ……こんな事をお願いするのは心苦しいが、なんとかしてドラゴンの進行を遅らせてくれないだろうか……

 実力的にみると頼めるのが【黒の霹靂】しか居ないんだ……

 この通りだ! 頼む!」


 そう言うとスパルズは深々と頭を下げた。


「そういうことか。んーまぁ、受けるのは構わないぞ? それは指名依頼として受けさせてもらうって事でいいか?」


「い、良いのか!? もちろん指名依頼としてクエストを出そう!

 本当にすまん。本来はSランクへの指名依頼レベルの案件だ……報酬はしっかりと出す!」


「あぁ。報酬の件は後でいい。とりあえずもう少し詳しい話や作戦を教えてくれ」


「まず、さっきも聞いた通り、ドラゴンがこの街の方角へ進行中だ。

 【幻想の春風】が言うにはSランクの個体だ。

 通信型魔導具でミラルダの冒険者ギルドに救援要請をしておいた。早ければ半日、遅くても1日以内にはこちらへSランクパーティーが到着するとは思う。

 なぜドラゴンがこの街へ向かってきているのかは不明だが、とにかく市民の避難を最優先に行うことになる。

 避難が完了するまでの間の時間稼ぎで構わん。とにかく進行を遅らせてくれ」


「わかった。ってか、討伐できるなら討伐してもいいんだよな?」


「もちろん……それができればしてほしいのだが、さすがに危険すぎる……そこまでは頼めん……」


「分かった。今から向かう。キヌとシンクもそれで大丈夫か?」


「ん。問題ない」


「阿吽様とキヌ様の行く所が、わたくしの行く所です。わたくしへの了承は必要ありません」


「よし、んじゃ行くとするか!」


「本当にすまん……よろしく頼む……」


 スパルズはそう言うと再び頭を深く下げた。


「おいおい、こういう時はもっと気合い入れて送り出してくれよ、スパルズ。ギルドマスターだろ?」


「……フッ、そうだな!

 行ってこいお前ら! 街の方は任せておけ!」


「おう! 行ってくる!」


 街を出るとすぐに森の方角から巨大なドラゴンがこちらへ向かって飛んできているのが確認できた。

 予想よりもかなりペースが速いな。ってか、これは街からでも見えるレベルじゃね? 混乱が起きなきゃいいけど……


「俺は先行して叩き落としてくる。できるだけ早く追いついてくれ。【迅雷】」


 スキルを発動し先行して駆け出す。

 そしてドラゴンに近付くと、そのままの勢いでジャンプし、マジックバッグから赤鬼の金棒を取り出して顔面目掛けて殴りつけた。

 虚を突かれたドラゴンはその攻撃をモロに受け、地面へと叩きつけられたが、すぐに起き上がりこちらを見ている。


 間近で見るとかなりデカい。オーガも一飲みにできてしまいそうだ。翼を広げるとそのサイズはさらにデカく見える。


『ギャルルルロォォォォォ!!!!!』


 すさまじい咆哮と共に空へ飛びあがり、尻尾で横薙ぎに攻撃をしてきたが、ジャンプと空舞で回避する。

 スピード自体は対応が可能なレベルだが、一撃もらうとヤバそうだ。


「阿吽、大丈夫?」


「あぁ、回避自体は可能だが、飛ばれると厄介だな。キヌは魔法で翼を狙ってくれ、シンクはキヌに攻撃がいかないように挑発で注意を引き付けてほしい」


「ん。分かった」 「了解いたしました」


 キヌとシンクが到着してからは俺も翼を狙って攻撃を集中させていた。

 この1週間はクエストを一緒にこなしてきたが基本的にソロでも討伐できるレベルの魔物ばかり相手にしていたため、このパーティー3人で協力し魔物と対峙するのは初めてだ。

 だが、かなりバランスが取れており、お互いの意思疎通もできている。


 キヌへの攻撃もシンクが受けきれており、シンクがダメージを負うとキヌが回復させている。

 このままいけば安定して討伐もできそうだ。


 そして翼への攻撃が効き、ドラゴンが空から墜落したタイミングでキヌから念話が入ってきた。



読んでくださり本当にありがとうございます!


読者の皆様に、お願いがあります。

少しでも、「面白そう!」「続きがきになる!」「期待できそう!」

と思っていただけましたら、

ブックマークや、広告の下にある★星を入れていただけますと嬉しいです!

★でも、★★★★★でも、思った評価で結構です!

モチベーションが爆上がって最高の応援となります!


何卒応援のほど宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ