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この世界のどこかで誰かは生きている  作者: 黒炎ジャーナリスト
第1章 黒炎
12/15

「どのような結果になろうと、ワシらのしていることは正義だっ!」

「「「おっーーー!」」」

俊一郎さんの言葉に、男達は声を上げる。

そろそろ慶三の軍隊が見えてくることだろう。

この山道を向こうには軍隊がこちらに向けて歩いてきていることが報告隊によってわかっている。

あとは待つのみ。

敵が見えたら一網打尽にする。

先手必勝。

それが俺たちの出来る唯一の手立てだ。

________________________________________


公民館。

いつものように村の重役の人たちが集まるあの会議だ。

「これからの作戦のことについて今回は考えたいと思う。」

俊一郎さんが今日の議題を上げる。

「武器は山茂鉱山やましげこうざんの鉄を使うのはどうじゃ?」

犯行声明文爺さんがそう言う。

山茂鉱山。

古くからの鉄鉱山で沢山の鉄が採掘できるため1870年代には、貿易で沢山の鉄や銀が使われていたようで未だにその跡が残っている。

鉱物資源がまだ残っているのかはまだ不明だが。

「そうだなー。だがのぅー誰がその鉄から精錬して武器を作るんじゃ?そもそもそのような精錬所はあるのかね?」

俊一郎さんはそう言う。

鉄があっても鉄を精錬して武器の形に嵌めて冷やして作るのにも相当な時間がかかる。

「心配ねぇ。山茂鉱山の近くには精錬所があるはずだからなぁ。どの鉱山にも精錬所は近くにあるもんだ。効率よく事を進めるには近場でないといけないからなぁ。」

「あんたの言う通りじゃな。じゃあ近々村の男達を連れてその山茂鉱山を探索することにするか。だら時間がないから急がないといけないのぅ。」

残り2ヶ月でどう立ち回るかが勝敗の分け目だ。

慶三はこの事態に気づいているのかは定かではないが、確実にこの村が怪しいとは勘付き始めている頃だろう。

「じゃあ、1週間後。村の人々を掻き集めて山茂鉱山に行くぞ!」

犯行声明文爺さんがいつになくやる気を出している。

鉱山に行くのが楽しみなのだろうか。


兎も角、1週間後には山茂鉱山探索ということが決まり俺は家に帰ろうとしたが、少しあるところに寄ってみることにした。

この騒動の元凶の元へ。

公民館の裏にある大木に鎖で繋がれている大男。

慶三幹部“檻”だ。

それが本名なのかはわからないがつけた親は嘸かし愛想のない親だと思う。

周りはこんなにも自由なのに鎖に繋がれているだけで自由は奪われている。

この精神的苦痛に檻は耐えているようだ。

偶に人質にした女の人やその他諸々の近所の方が檻にトマトを投げていたのを目にしたことがある。

檻の顔面にヒットしたトマトは顔面で破裂し赤い汁がぶちまけられる。

勿体ないとは思ったもののある意味これが食事の役割を担っているので放置している。

今日もまた赤い汁が付着していた。

この男は大柄で着ている服はボロボロでピチピチの革ジャンのようなものだ。

腹筋が見えているから完全にサイズは間違っている。

ズボンもビリビリに破けておりズボンとしての役割を果たしているので精一杯って言う感じだ。

「なんだ、テメェーか。」

俺に気づいた檻が下を俯いたまま言ってくる。

第六感ってやつなのだろうか。

足音はしていただろうか。

聴覚が優れているのだろう。

「そうだぞ。俺だよ。」

俺はそのまま檻に近づく。

だが俺の予想していた檻の反応とは違った。

檻は冷静だった。

こんな奴が取る行動といえば暴れまわって『鎖を外しやがれ!』などを言うと思っていたが、檻は俺の想像していたよりは賢かったようだ。

「何の用だ。慶三についての情報は教えないぞ。例えこの命が尽きようともな。」

「別に慶三のことを知りたいわけじゃない。正直あんな奴なんてどうでもいい。どうせジジイでヨボヨボなんだよ。」

「規格外という言葉を学んだ方がいいぞ。ボクちゃん。慶三様がそんな方だと思うお前の頭は腐ってるな。」

「いや、どう考えてもそうだろう。あんた絶対40越えてるだろ。そう考えると慶三は60後半のジジイなんじゃないか?」

「俺はまだ38だぞ!それに慶三様は俺よりもすごく年上だぞ。」

「絶対にヨボヨボだよな。」

「お前、人の話を理解しているのか?」

「ある程度。」

「ならわかるだろ。俺よりもすごく年上なんだぞ慶三様は。」

「何歳くらい?」

「えっと•••」

檻は指を使って考え始めた。

「これが1でこれが8で•••そうだ!78歳だ!」

「2倍じゃねーか。」

「に、にばい?」

こいつの知能は猿以下だ。

「どっちにしろダメだな。ヨボヨボジジイを痛めつけるのはいいのだろうか。」

「おいっ!さっきから慶三様はヨボヨボジジイではない。と言ってるだろっ!話聞け!」

「はいはい。慶三は筋肉ムキムキでスタイル抜群だ。」

「そうだ!偉大なる慶三様を崇めるべきだ。」

檻はよくわからない。

なんだこいつ?

としか言いようがない。

「なぁ檻。今日は別の件でここに来たんだ。」

「なんだよ。別の件って。」

「お前、この大木から離れて見ないか?」

俺はそう提案した。

この時、俺はある不信感があった。

その不信感を解消するには誰かの犠牲が必要だ。

それが敵なら尚更良い。

死んでも誰もこの村の者は文句を言わないからだ。

「じゃあ1週間後迎えにくる。」

「はぁ?1週間も待ってられねぇぞ。」

「じゃあ別にいい。」

「い、いや。やっぱり行かせてくれ!ここから出られるのならなんでもいいだろう。」

その言葉俺は絶対に忘れない。


1ヶ月以上前に投稿して以来、後沙汰なしだったことは大変申し訳ありません。

本当に最近は忙しくてこれからどんどん忙しくなっていきそうなのです。

そのおかげで一昨日は風邪で寝込んでしまいました。

(昨日?元気でしたよ。小説を書く気がなかったわけではないですから。絶対ですよ!)


まぁ今回は洞窟探検のスタートですかね。

次回は洞窟に入っていくと思います。

次回がいつかはわかりません。

だって不定期ですから。


それでは久し振りの

今回は読んで頂きありがとうございました。

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