勘のいいガキ共はお好き?
化学したいわけじゃない(早くこのくだり終わらせたい)
専門家を連れてきた結果、水魔法で生成されたものはアンモニアというものらしい。
体内にもできる物質で異臭を放つのだとか。
水に溶けやすいそうで、水魔法が拡散したのはそれが原因じゃないかと言われた。
どうやら窒素と水素が反応すると出来上がるもののようだが空気中では生成されないそうで疑問が残る。
「結局水魔法の何が反応したんでしょうかね?」
「あの専門家の言うには水は水素と酸素が合わさってできたものらしいからその中の水素と空気中の窒素が反応したのかもしれないね。」
「でもそんな簡単に水素と酸素って分かれるもんなんですか?それだったら空気中アンモニアだらけになってしまいそうですが…」
「そう、そこが問題なんだ。もしかしたらこの魔素が原因で分かれたのかもしれないけどまだ詳しいことは分からないね…。」
「光魔法の方も分からずじまいでしたし、いよいよ謎に包まれてきましたね。」
光魔法の結果についても聞いてみたが全く見当がつかないと言われてしまった。
頭痛の件については心当たりがある専門家がいるということなのでそっちの方は後日紹介してもらうことにした。
問題は何であんなに大量の光が生まれたのかということなのだが…
「今のままじゃまだ推論を立てようにもデータが足りなさすぎるな。怖いけどもう少し実験してみるしかなさそうだな…」
「そうみたいですね。めちゃくちゃ怖いです…」
じゃあ他の魔法で試すには何が良いかということなのだが…
「そういえば、先ほど水素や窒素なんかの話をしてたんですけど最近雷魔法に何かその手の有用性がありそうだって話があるの知っていますか?」
「その手の有用性?」
「ええ、静電気って分かりますよね?」
「あの冬に金属を触るとバチッて言うやつ?」
「そうです。あれをどうやら雷と同じ現象だと捉える人がいたらしく弱い雷魔法と金属を使っていろいろ試してみたらしいんです。」
ほう。面白い実験だな。見た目的には似通ってないのにどうやって同じものだと考えたのかが気になるところだな。
「その結果、体に雷魔法を当てるとそれが溜まり、金属に触れることで放出されるらしいということが分かったそうです。そしたら他にもできるものがあるんじゃないかと試されて流れが存在するということが判明して電気と名付けられたらしいです。」
「なるほど、興味深い実験だね。で、それがどうやって水素や窒素に関係してくるんだい?」
「それがいろいろ試されているうちに物質が電気を通すものと通さないものに分かれていることが分かったらしく海水が通しやすいということで試された結果、海水の量が減ったことに気づいた研究者がいたらしいです。何で減ったか調べていくうちにどうやら水素や酸素が生まれているんじゃないかと推測が立ったみたいです。」
「つまり水が分解されたんじゃないかってことか…!それはまたすごい発見だね。」
「そうですね。なので雷魔法を使ってみると何かわかるかもしれません。」
「そうだね。一回雷魔法を使って試してみよう。それで何ができるかで手がかりがつかめるかもしれないし。」
そうと決まれば実験だ。
また実験室の中に入り、雷魔法を放とうとする。
すると外からルミナが恐る恐る見ているのが見にとまった。
「ん?何で外からみてるんだ?」
「さっきのことがあったのでちょっと怖いんです…」
確かにわかるけど実際に魔法を放つ僕が一番怖いことは分かっているのだろうか…
まあいいや、怖がっていても仕方ない。
意を決して雷魔法を放つと予想に反し、大規模な変化はなかった。
しかし雷が通った後の火花から勢いよく燃え上がり、その後に水が残った。
「不思議な結果になりましたね…」
「そうだね。普通ならできない水もできてる。」
「なぜでしょう?光魔法ではものすごい光が生じ、水魔法ではアンモニア、雷魔法では燃えた後に水が発生する。この3つに見られる共通点が分かりません…」
「うーん、光魔法がなぜそうなるのかがまだいまいちわかっていないけど、あとの二つの共通点から何となく理解できる気がする。」
「そうなんですか!?たったこれだけのデータで推測が立つものなのでしょうか?」
「アンモニアと水に共通する要素は水素だろ?つまり何か加わったことによって水素が発生し、アンモニアや水ができたと考えたほうが良い。その何かが光を生み出す原因なんじゃないかな?」
「なるほど。そう考えてみたらそれが正しいように思えてきました。でも水素を生み出すものって何でしょう?」
「すぐには分かりそうにもなさそうだね。この推論が正しければ水素よりさらに細かい何かが存在するってことだから。」
「そうですよね。にしても途方もない実験になりそうですね。魔法がないと大変なことになりそうです。」
「まあ気長にやっていこう。召喚された勇者も苦戦していると聞くしまだ研究できる時間はあるだろうさ。」
こうして僕らは実験を重ねていった。
そしてだいたい何が加わっているのか想像ができてきたころ、ふと勇者がなぜ邪神に対抗できるのか不思議に思い、周辺の空気を採取し測定してみた。
それが禁忌とも知らずに。




