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プロローグ
改稿しました。随時更新していきます。
「優太、起きな!遅刻するよ!」
うるさくドアを叩く母親の声で目を覚ました。
これが漫画やラノベの世界なら幼馴染や妹が起こしに来てくれるというのに、何とも世知辛いことだ。
いつもと変わらず母親の怒鳴り声で起こされ、ボーっとしながら朝飯を食べ、ぼんやりと学校へ行く。
学校へ行っても特に何かするわけではない。せいぜい友達と漫画やゲームの話をするだけだ。そして帰って漫画やゲームをする。
こんな代り映えのしない毎日が退屈でしょうがない。
退屈すぎて今流行りの異世界転生がこの身にも降りかかってこないかなんて思ってしまう。
だからいつも通りボーっとしながら登校しているときに、目の前の女子高生がトラックにひかれそうになっているのをチャンスだと思ったんだ。
そして実際それは僕の人生を大きく変えた。女子高生を助け、自分はトラックにひかれる。
さあ、皆さんもうお分かりだろう。
これは僕の新たな人生の幕開けと絶望のお話。主人公になれなかった勇者のお話。