運河
静謐な雰囲気、あなたも
この身を捧げたいと思うことは悪でしょうか。
だって船が発ったから。私は錨を下ろしたいだけ。
ビリジアン・グリーンの水面に顔を映して、なんて可愛いのだろうと見とれる。
そういう愚昧をあなたは嘲られますか?
果たして
背後で燃えさかる壁がこの身を急き立てている。静かに、猛烈に。
そんな中でも 私の目に映るのは地球のような青。
どこまでも行きたい、この場所から
どこへだって行けると思うのだ、この場所から
水は流れ、空は停滞す。
我、万物の支配者なり。
すべての始まりは、この世の始まりは、私から。そんな私はあなたに、すべてを捧げたいと思う。
その時一枚の葉が、枝先を離れるのだ。
やっと
空は荒れ、風邪は高く巻き上がる。
この誰もいない河のほとりで、私はじっと待っている。
孤独は怖くないと、言って