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この世の中で  作者: ib
57/71

第57話(双子)

???「おねーちゃん!」


???「どうしたの?零」


零「一緒に遊ぼ!」


その姉妹は仲が良い。姉の玲奈(れな)と妹の(れい)


双子が産まれてすぐに父親は子供達を捨てていなくなったが、家族三人仲良く暮らしていた。


姉の玲奈はいわゆる天才、何をやらせても完璧にこなして見せた。妹は普通の女の子。

今日も楽しく二人で遊んでいた。


コンコンコン。ノックの音がする。


零「はーい!どちら様ですか?」


男「お母さんのお友達なんだけど、君が玲奈ちゃんかな?」


零「ううん!私は妹の零だよ!」


男「ごめんごめん。玲奈ちゃんはいるかな?」


零「おねーちゃんは外で遊んでると思うよ!」


男「ありがとう。おじさん外を探してくるからもし玲奈ちゃんが帰ってきたらおじさんにも教えてね。」


零「わかった!」



……これでよかったの?おねーちゃん。


ありがとう零。


どうして隠れるの?


後で話すから今はここを離れるよ。


う、うん。


時は数分前に遡る……。


零「おねーちゃん次はなにしよっか!」


玲奈「そうだねー……ん?」


零「どうかしたの?」


玲奈「お客さんが来てるみたい。」


零「私にはなにも聞こえないけど……。」


母は友人が多い。来客が来るのはさほど珍しいことではなあった。


玲奈「なにか揉めてる声がするの。もう少しだけ待ってね零。」


零「う、うん。」


玲奈「……っ?!今すぐここを離れなきゃ!」


零「ど、どうしたの?」


もう来ちゃう……。


玲奈「零!一つお願いするね。ごにょごにょ。」


零「わかった……。」




二人のいた部屋から男に見つからないように外へ出る。


玲奈「ふぅ……ここまで来れば大丈夫ね。」


零「どうして隠れるの?」


玲奈「うーん……。あのおじさんはきっと悪い人だからかな。」


零「そうなのー?零お母さんに会いたいな……。」


玲奈「そうね……あのおじさんが帰ったのを見たら家に帰ろうね。」


零「うん!」


この時二人はまだ五歳。

日が暮れお腹が空く時間。


零「お腹空いたなぁ……。」


玲奈「……そろそろ帰ろっか!」


零「うん!でも……おじさん帰ったの?」


玲奈「……うん。」


家は真っ暗だった。玲奈に先にご飯食べててねと言われ、なんで一緒に食べないのかな?と思いながらも一人でご飯を食べた。


零「お母さん遅いなぁ。おねーちゃんも何してるんだろう?」


テレビを見ながらのんびり食べる。普段は早く食べすぎてゆっくり食べなさいよ。と言われるが今日は一時間もかけて食べていた。


食べ終わっても母も姉も帰って来ず、お風呂に入ってパジャマに着替えても二人は帰ってこなかった。




次の日になってもその次の日になっても二人は帰ってこなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


冷蔵庫の中身がなくなる頃訪問があった。

その男は親戚の叔父だよと語っていた。


お母さんとお姉ちゃんはしばらく帰れないから叔父さんと一緒に暮らそうね。

何を言っているんだろう?と思ったがお子様ランチをご馳走してくれると言うので素直について行った。



それから十年の時が経ち零は中学三年生になっていた。

叔父さんは仕事が忙しく家にいないことが多かったが、休みの日や帰ってきてからは必ず一緒にいてくれた。


おねーちゃんとお母さんにはいつ会えるの?と毎日聞く零に対して叔父さんはそのうち分かるから。としか答えなかった。



いつも通り学校へ行き勉強して帰る……はずだった。

ふと思った。あの家今はどうなってるのかな?


十年前の記憶。うっすらとしか覚えていないが大体の道は覚えている……。いやうっすらじゃない?なんで零は覚えているの?


天才と比べられ平凡だと思われていた彼女にも一つの才能があった。姉よりも記憶力だけは良かった。


十年前に車で連れてこられたこの家。

でも分かる……今でもおうちまで帰れる。



日が暮れ気温が低くなる。でもその時はなぜだか全く気にならなかった。


零「ここだ……。」


あれから誰も住んでいないのは見てすぐにわかった。

ボロボロになった家を見て回る中異変に気づいた。


零「こんなシミあったっけ……?」


シミがあったのは玄関前、ちょうど門の辺り。あの日お母さんと知らない男の人が話していたとおねーちゃんが言っていた場所だ。


赤いシミはうっすら嫌な香りがした。


異変はもう一つ。おねーちゃんの部屋に入るとボロボロのタンスの中に、最近の物と思われる筆箱が入っていた。


中を開けると一通の手紙が入っていた。


零へ

あの日戻れなくてごめんなさい。あなたがまだ生きているなら私はなんとしても会いに行くわ。ここを抜け出せるのは次がラストチャンス。三年に一度ここへは来ていたけれどもうここへは来られなくなる。お姉ちゃんのことを覚えているなら二人で遊んだ思い出の場所へ来て。 玲奈。



零「お姉ちゃん?!思い出の場所……。」


お姉ちゃんとはいろんな場所で遊んだ。どこに呼ばれているんだろう?それにこの手紙時間が書いてない……。


考えていると携帯が鳴る。


零ちゃんかい?帰ってもいなかったから心配したよ。


ちょっと友達の家で盛り上がっちゃって……。


無事ならいいんだ。近くまで迎えに行くから友達の家から近い建物を教えてくれるかい?


じゃあここ。


わかった。気をつけて来るんだよ。



とりあえず帰ろう。帰ってからじっくり考えるしかない。


それから一週間考えてみたがわからない。遊んだことのある場所へ行っては見たがもちろん姉の姿はなかった。


わからないまま十六歳の誕生日を迎えた。


ハッピーバースディトゥーユー。

ハッピーバースディトゥーユー。

ハッピーバースディディア零ちゃーん。

ハッピーバースディトゥーユー!


おめでとー!!!

一人ノリノリな叔父は置いといて、ふぅーっと火を消す。


昔はお母さんとお姉ちゃんとこうして誕生日を祝ったっけ……。双子だからロウソク取り合ってたのが懐かしいな。



誕生日……?私達の共通点。遊んだ思い出の場所……誕生日に遊んだ場所?そんなの沢山……いや違う!


零「ごめん叔父さん!ちょっと出かけてくる!」


叔父「お、おお。気をつけて行ってらっしゃい。」


……帰りは迎えに行くね。





急いで走る。日付が変わってしまう前に。

誕生日一緒にいたのはあの家のリビングしかない!



時計の針は23時を回り息を切らしながら彼女は走った。



零「なんとか……まに……あった…!」


リビングへ行くとそこには同い年くらいの女の子が立っていた。


零「お姉ちゃん……?」


玲奈「零なのね!」


感動の再会。二人は抱きしめ合い涙を流した。


今までどこにいたの?何してたの?零はずっとお姉ちゃんに会いたくて……。


積もる話は沢山あった。姉は一つ一つ答えていく。


あの日知らない男の人は帰っていなかったこと。

その男に連れ去られたこと。

お母さんはその男に殺されていること。


一つ一つが衝撃的過ぎて夢なのかなと思いながらも全て聞いた。そして最後に玲奈は言った。


玲奈「これから恐ろしいゲームが始まる。私と一緒に来て……!」


そんなの決まってる……もちろ……


ダァーン。ポタッポタッ……。


返事をしようとした時乾いた音が響いた。

床に赤いシミが広がっていく。


零「お姉ちゃん……?おねーちゃん……?」


玲奈「そう上手くは……いかな……いよね。」


何?何が起きたの?なんの音?このシミどこかで……

情報が多すぎて脳がパンクする。


玲奈「零……生きてね……。会えてよかった。」





目が覚めるといつもの景色。やっぱり夢だったんだろうか?

昨日のことを叔父さんに聞くと、ロウソクの火を消してすぐに眠りに行ったらしい。


思い出そうとすると頭がズキズキするので考えるのをやめた。


朝食のパンを食べて登校する。いつもと違う景色なのは空にランキング表が浮かんでいることくらいか。


なにやら説明が書いている。なるほど……好きな願いを一つだけ叶えてくれる?零はもう一度三人で暮らしたいな。


1位になれば願いが叶う!1位になれば願いが叶う!

それだけを思い、中学の同級生達は皆殺した。


でもどれだけ殺しても順位は上がらなかった。

どうして?初めて電子手帳を見る。1位とそこには書かれていた。


そっか……ふふっ。

闘えば闘うほどなにか大切なものを失っている気がした。


闘っている時の記憶は不思議と抜けている。まあ関係ないよね。お母さんとお姉ちゃんに会えればそれで。

二人は今どこにいるんだろう?



ある日特定の人の居場所がわかる能力者に出会った。

まさに運命だと感じた。さっそくお願いしてみたが、オレヲマモッテクレルナライイゼ。などとよく分からないことを発していた。


殺そうとすると怯えているのがわかる。頭を撫でると能力を使ってくれる。お願いするときは頭を撫でるようにしよう。



それから姉と母の名前で居場所を探って貰ったが、同姓同名は意外と多くなかなか見つからなかった。


一日一回しか能力使えない男のためその男を守り続けた。

望むことはなんだってした。裸で一緒に寝たいと言われた時も、口移しで飲み物が飲みたいと言われた時も素直にしてあげた。


時折男はオマエノアネナラソコニイルダロ。とも言っていたが、何を話しているのかわからなかった。お姉ちゃんはここにはいないのに。



数ヶ月するとメッセージがあった。

あなたは1位です。トーナメントに必ず参加してください。



ここに出ればお母さんとお姉ちゃんは見つかるのだろうか?

男に尋ねるとソンナコトハシラナイ。ハヤクゴハンヲクワセロ!と怒っていた。




勝っても勝ってもお姉ちゃんとお母さんは見つからない。


勝ち進んでまた別の相手と当たる。今度の相手はなにやらうるさい。


名前はハカモリと言うらしい。どうせこいつも二人の場所は知らない。でもお話をしてくれるみたいなので聞くことにした。


モニターからは男がハヤクシロハラヘッタ!と怒っているが少しならいいだろう。


話を聞き終わったが特に情報は得られなかった。男はカンカンに怒っている。


零「そろそろ時間。帰らないと。」



また記憶が飛ぶ……。

遠くで零が勝ったアナウンスが流れてる。

待っててねお母さん。お姉ちゃん。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


雷電電二 黄色の髪がよく目立つ。髪型は好きなバンドのボーカルと同じにしている。小六の時雷に打たれるも奇跡的に生還。黄泉とは幼なじみで家は隣。

好きな食べ物はバナナ、嫌いな食べ物は酢の物。


黄泉雫 水色の髪は長くとても美しい。影切に負けず劣らずの美少女。両親は医者であり特に父親は数々の難病を治している。雷電とは幼なじみで家は隣。憧れの存在。

好きな食べ物はシュークリーム、嫌いな食べ物は和菓子。






┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

ランキング表

1位 零(→)

2位 ???(→)

3位 相川モルテ(→)愛の死神

4位 白雪美鈴(→)氷結

5位 牙王(→)不死身

6位 岸島海斗(→)解体

7位 武道信玄(→)成長期

8位 黒峰蓮太(→)不信

9位 墓守(→)墓荒らし

10位???(→)災害

11位???(→)透過

12位???(→)

13位 南雲砕月(→)好きな鳥と同じ能力を得る

14位???(→)リバース

15位???(→)

16位 紅神威(→)実体そのものが炎

17位 ???(→)怠け

18位 雷電電二(→)実体そのものが雷

19位 ???(→)殺戮者

20位 ???(→)

21位 ???(→)

22位 ???(→)

23位 ???(→)耐性

24位 ???(→)予知

25位 ???(→)

26位 舞花咲夜(→)ガンマン

27位 ???(→)

28位 ???(→)芸術

29位 ???(→)



32位 ???(→)豪運


34位 ???(→)


36位 ???(→)





42位 幸運有(→)少しの幸運を


45位 ???(→)


59位 ???(→)


215位 影切千歳(→)影を奪って能力も奪う


415位 浅蜊健(→)反発


500位 服部圭太(→)重力を操る


1500位???(→)離脱


4000位 紅美佳(→)炎を操る。自らも燃えてしまうが青い炎も出せる。




10500位 伊藤研二(→)触れた敵からダメージを受けた時…



102万位 雨水花蓮(→)索敵


239万位 葵(→)全身から針を出せる


312万位 佐々木知優(→)一日三回まで全回復

313万位 黄泉雫(→)死者蘇生


582万位 四辻(→)特定の空間からの移動を禁止する。


800万位 ???(→)調査


参加人数840万人


戦わないものはサポーターになれる。


現在のTOP10の居場所

1位 新潟県

2位 北海道

3位 東京都

4位 東京都

5位 沖縄県

6位 沖縄県

7位 東京都

8位 青森県

9位 静岡県

10位 東京都


1から10は絶望級

11から100は怪物級

101から1000は化け物級

1001から10000は超人級

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