第37話(中学の話)
昨日は投稿お休みしてすみません…。
その分といってはあれですが、今日のお話はいつもより長めとなっております。
???「もう一度聞く。俺と同じ能力なのか?」
浅蜊「どうだろねー?」
???「食えんやつだな。まあいい。雷角獣!」
浅蜊「今度は何が来るのやら…反発空間!」
どんな攻撃か分からない以上前もって警戒しておく。ゲームでも情報収集をして失敗だったことはない。その経験が戦いの中でも生かされていた。
名前の通り角の生えた動物みたいだけど…?ただ突進してくるのかな?
ピカッッッッッ!!!!!雷角獣の角が光る。
眩しっ…何かが反発空間に触れて跳ね返された?まさかね……。
???「察したかもしれんが雷角獣は角から雷線と同じものを出す。お前なら作れなくはないだろう?」
浅蜊「なるほどねぇ……。」
要するに攻撃頻度が二倍になったわけか…。あんなの当たったら俺気絶で済むのかな…。
???「なにもしないのか?なら遠慮なく行くぞ。」
雷角獣と敵からの一斉攻撃が始まった。浅蜊にできることは反発空間を常に貼り続けることのみ。
飛んできた攻撃は全て跳ね返されていった。
???「凄いな…これだけの攻撃を防ぎきり、まったく同じ攻撃を返して来るとは……ん?まったく同じ攻撃だと?」
やべ。バレたかも。
???「攻撃を跳ね返す的な能力なのか?」
浅蜊「どうだろうね〜」
???「試してみるか。雷磁石」
嫌な予感がする……。
浅蜊の前と後ろに雷でできた円盤のようなものが設置される。
???「それは互いにS極とN極の力を持っていて、Sから放出された雷はNへ、Nから放出された雷はSへ行く仕組みになっている。」
浅蜊「……。」
???「やって見ればわかるさ。」
N極から雷が浅蜊に、いや正確には彼を挟んだ反対方向のS極に放出。浅蜊には光ったことしかわからないからこそ能力を使うしかない。
反発空間で跳ね返った雷は再びN極へ。しかしNとNは反発する……。N極へ戻ることなく再びS極つまり浅蜊の元へ返ってくることになる。
俺には攻撃が見えない以上常に反発空間を使うしかない。何度はね返しても攻撃は戻ってくる……。
俺の能力は体力依存だから繰り返してればいずれ…。
???「能力の読みは当たったようだな。とりあえずそれを攻略されるまでは高みの見物といこうか。」
奴はまだこの能力に体力を使うことを知らない。
だからこそ早いとここれを切り抜けて短期決着をつけたいのに…っ!
能力を使い続けながら浅蜊は考えた。しかし……。
考えれば考えるほど詰んでる…。
能力を使い続けて体力が底を付き雷に貫かれるか、能力解除して回避を試みて雷に貫かれるか…。結局やられるんだよなぁ……。
こんなとき蓮太ならどうするのかなぁ……。
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蓮太との出会いは中一の時だった。
周りの奴とは違って大人びている印象があった。
浅蜊「せっかく同じクラスになったことだし仲良くしてくれよな!」
黒峰「あぁ。」
なんとも無愛想な返事だったが、断られなかったのが意外だった。
それから数日後。
「浅蜊君おはよ!」
「健今日も元気だなー!」
「昼休み体育館一緒に行こーぜ〜」
黒峰「人気者だな。」
浅蜊「蓮太嫉妬してる?」
黒峰「するわけないだろ。わざわざ俺に構う必要がなくなったんじゃないかと思ってな。」
浅蜊「蓮太も友達には変わりないんだから気にするなって!」
黒峰「俺といるとそのうち…」
浅蜊「……?」
一ヶ月が経ったある日のこと。
「ねえ聞いた?あの噂」
「聞いた聞いた!黒峰って人のことだよね。」
「そんなやつこのクラスにいたか?」
「ほとんど誰とも話さないあの人よ。」
「あーそんなやつもいたなぁ。」
浅蜊「みんな何かあったの?」
「黒峰ってやついるだろ?」
浅蜊「蓮太のことか!あいつああ見えても良い奴…」
「人を殺してるらしいぜ。」
蓮太が人殺し?ありえない。誰にでも無愛想で話しかけるなオーラは出てるけどあいつは良い奴だ。
本人に直接聞いてみよう……!
浅蜊「ねえ蓮太?」
黒峰「どうした?」
浅蜊「クラスで変な噂が広まっててさ…。蓮太がその…人殺しをしたって噂なんだけど嘘だよな!変なこと聞いちゃってごめんな!」
黒峰「お前はどう思うんだ?」
浅蜊「そんなこと思って……少しだけ気になるかな…。」
黒峰「そうか。噂は間違ってないぞ。」
浅蜊「え…」
黒峰「俺は人殺しだ。」
次の日から浅蜊は黒峰と話さなくなった。
正確には気まずくて話しに行けなかった。
どんな顔して行けばいいんだよ…。みんなならどんな顔して……。
他のクラスメイトは黒峰とはまったく話さない。まるで居ないかのような扱いである。
俺もそうするのが正解なのかな…きっとそうだよね。
それから二ヶ月が経った。
その日毎日欠かさず学校へ来ていた黒峰が初めて休んだ。
先生「浅蜊は確か黒峰と話していたよな。プリント届けに行ってくれ。」
二ヶ月前に話したきり蓮太とは顔を合わせていないが…。クラスメイトが自分が適任と後押しするものだから断れなかった。
くよくよしても仕方ないか…。プリント渡すだけだし……。
ピンポーン。あれ?いないのかな?
もう一度押そうとした時手を誰かに掴まれた。
???「それ以上押すな。」
浅蜊「え、ちょ、なに?!」
???「お前浅蜊だっけか?」
浅蜊「蓮太…!」
プリントを渡しに来たことを告げた後何があったのか気になり聞いてみることにした。
浅蜊「家の中でなにか起きてるの?」
黒峰「ああ。いつも通りの夫婦喧嘩ってやつだな。」
耳を澄ますと中から怒号が聞こえる。
「あんたが悪いんでしょ?!」
「うるせぇ!!!殺してやろうか?」
「やれるものならやってみなさいよ!!!」
ガシャーン!!!パリーン!!!
浅蜊「す、すごいね。」
黒峰「ああ。」
浅蜊「もしかして休んだ理由って…。」
黒峰「本当に殺し合いをしそうだったからな。ほとぼりが冷めるまで仲裁に入っていたんだ。」
浅蜊「そっかぁ…。……あのさ」
黒峰「なんだ?」
浅蜊「あの話して以来俺…」
黒峰「そんなこと気にしていたのか。気にするなよくあることだ。」
浅蜊「よくって…」
黒峰「小学校の時から言われている。家に来た借金取りを俺は殺したからな。」
浅蜊「それってほんとに?事故とかじゃなくて?」
黒峰「……?お前変わってるな。今までそんなこと聞くやついなかったぞ。」
浅蜊「俺クラスのみんなとも仲良くしたいから、みんなと同じように蓮太のこといないものだと思っちゃってごめん。でも俺はやっぱり蓮太とも友達でいたい!他の誰よりも話していて楽しかったんだ!」
黒峰「人を殺したやつでもか?」
浅蜊「それでも!俺は蓮太が自ら殺人するやつとは思わない!!!」
黒峰「……そうか。」
少しして黒峰は話し始めた。家に来た借金取りは母親を脅し金を回収しようとした。
まだ幼かった黒峰は母親が襲われていると勘違いして借金取りに飛びかかった。
振り払おうとするうちに借金取りは足を滑らせ頭を打ち付け、打ち所が悪くそのまま亡くなった。
これが事件の全容だった。
黒峰「俺が飛びかかりさえしなければあいつは死ぬ事がなかった。俺が殺したんだ。」
浅蜊「それは違うよ!そうしなければ母親が殴られて大怪我を負ってたかもしれない。蓮太は正しいと思うよ。」
黒峰「浅蜊…お前だけだ。この話をしたのもそんな風に俺を悪くないと言ってくれたのも。ありがとな。」
浅蜊「思ったことを言っただけじゃん?気にすんな!」
これを機に再び教室で話し始めるようになった二人。
浅蜊が他のクラスメイトに事情を話したことで、誤解は解け前よりは黒峰とクラスメイト達が話すようになった。
そして中三の夏。ゲーム好きの浅蜊はある戦略ゲームで世界二位まで上り詰めていた。
浅蜊「なあ蓮太!一緒にゲームやろーぜー!」
黒峰「遠慮しておく。」
浅蜊「いいからいいから!試しにやってみるべ!」
黒峰「やれやれ。」
手加減してやるつもりだったが…
浅蜊「嘘だろ……」
黒峰「手加減してくれたのか。すまないな。」
浅蜊「そ、そうなんだよね!本気でやるからもう一戦お願い!」
手加減は途中までしかしていなかった。とはいえ完敗であった。
ここは全力で勝ちに行く!
黒峰「また俺の勝ちだな。何が面白いんだ?」
浅蜊「嘘だろ…蓮太……この人と対戦してみてくれ。」
50戦50敗の世界一位の相手と試合をさせてみることにした。
結果は3戦3勝。
浅蜊「蓮太天才?」
黒峰「そんなことはない。ゲームの腕だけで言えば浅蜊のほうが遥かに上手いだろう。」
浅蜊「じゃあなんで俺が負けるんだよ!俺の方がゲーム時間は遥かに長いし、蓮太の言う通りゲームも俺の方が上手い自信がある!」
黒峰「お前は視野が狭い。なにも答えは一つじゃない。1+1=の答えが2だけじゃなく田のようにひねくれたっていいだろう。俺はお前のようにはなれないが、お前も俺にはなれない。それを踏まえた上で自分の答えに自信を持て。言いたいことがわかるか?」
浅蜊「うーん…。」
黒峰「いずれわかる日がくるさ。俺がお前に助けられたように、この言葉がいつかお前を助けてくれるといいな。」
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なんで今あんな昔の会話を思い出すんだろう…。
蓮太との出会いかぁ懐かしい……。
そろそろ体力も尽きるし思い出せるのも今が最後になるのかなぁ…
結局あの言葉の意味わからなかったな……俺は視野が狭いからいつまで経っても…。
待てよ。他のものを見る?何を?雷は見えない。見えるのはN極とS極の円盤…それを反発?いやそれだと結局引き寄せ合うから意味が無い。
となると見えないものを反発させる?なにを?雷は反発しても俺の所へ返ってくる。
そもそもあいつに雷を反発させても効果はなかった。
他にこの空間にあるもの…俺が反発できるもの……!
???「なにをぶつぶつ言ってるのかな?見たところかなりへばってるね。その能力体力消耗するのかな?さっさと能力解除して楽になりなよ。」
浅蜊「わかった…!ようやくわかったよ蓮太!!」
???「体力を使いすぎて頭がおかしくなったのか可哀想に。」
俺は一つの答えを出して常に満足していた。
わからない時はみんなの意見でいいやって思ってた。
それじゃだめなんだ。みんなの意見を聞いてどうしてそう考えたのか、自分なら同じ問題に直面したときどう考えるのか。
蓮太は蓮太の考えがある。俺には俺の考えがある。
どっちも間違っているしどっちも正しかったんだ。
正解がないからこそ自分の意見と他人の意見を比べてより良い方を選ぶ。そして可能ならさらにその意見に改良を加える!
だから俺は蓮太になれないし蓮太は俺になれないんだ。最後の改良がみんな人それぞれだから。
俺一人なら雷をどうこうするしかアイデアが出なかったけど蓮太ならきっと……
???「そろそろ限界か。」
浅蜊はふらつき今にも倒れそうである。
浅蜊「へへへ……ボソボソ…」
???「何を言っている?」
浅蜊「俺の勝ちさ。」
次の瞬間浅蜊は敵の目の前から姿を消した。
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ランキング表
1位 ???(→)
2位 ???(→)
3位 相川モルテ(→)???
4位 白雪美鈴(→)氷結
5位 ???(→)
6位 風柳風太(→)風を操る。
7位 轟剣舞(→)剣の達人
8位 岸島海斗(→)解体
9位 ???(→)
10位 ???(→)
11位 椋呂京谷(→)コピー
12位 武道信玄(→)能力未だ発現せず。
18位 紅神威(→)実体そのものが炎
57位高橋正(→)???
235位 影切千歳(→)影を奪って能力も奪う
530位 服部圭太(→)重力を操る
6515位 紅美佳(死亡)炎を操る。自らも燃えてしまうが青い炎も出せる。
7009位 浅蜊健(→)反発
10500位 伊藤研二(→)触れた敵からダメージを受けた時…
11000位 宮本伏瀬(→)複製
102万位 雨水花蓮(→)索敵
239万位 葵(→)全身から針を出せる
312万位 佐々木知優(→)一日三回まで全回復
800万位 ???(→)調査
参加人数868万人
戦わないものはサポーターになれる。
現在のTOP10の居場所
1位 新潟県
2位 北海道
3位 東京都
4位 沖縄県
5位 東京都
6位 沖縄県
7位 東京都
8位 青森県
9位 静岡県
10位 東京都
1から10は絶望級
11から100は怪物級
101から1000は化け物級
1001から10000は超人級




