第35話(お願い)
紅兄弟の戦いもいよいよ完結です。
作者が泣きそうになっちゃいました。
白雪「美佳ちゃん…!私たち勝ったよ……!」
紅「ううううううううううう」
黒炎を纏った彼女は元に戻る様子もなく、神威が飛んで行った方向を睨み続けている。
白雪「もしかして…。」
嫌な予感がよぎる。美佳ちゃんは今理性がないけど私を攻撃してくる様子はないよね…。協力できるかな、、。
二人ともボロボロだが、それは相手も同じだろう。
睨みつけた方向から神威の姿が見えた。
神威「死ぬとこだったじゃん…。美香もここまでやるようになるとはね。そんな姿になってまであの子を……。泣けてくるねぇ。」
紅「ミウウハアアイアマモウ!」
神威「会話を理解してるのかはわからないけど、反応はしてくれるみたいだね。それじゃあなんで俺は生きてると思う?」
白雪「……ま、まさか。」
神威「俺は天才って呼ばれてきた。どの分野でも俺の上に立つものはいなかったよ。美佳が全てをかけて到達したその黒炎なんだけど……。」
「俺もできるんだよね。」
白雪「……っ?!」
神威の体から美佳と同じ黒炎が吹き出す。
一つ違うところがあるとすれば彼には理性があった。
神威「とは言ってもまだ黒炎は完全に使いこなせなくてね。時間制限があるから早期決着といこうか!」
三度ぶつかる紅兄妹。時間制限はあるが、身体能力では上をいく神威。見たところ黒炎が消える様子はないが、全てにおいて神威に劣る紅。
白雪は紅の援護を試みるが、氷は近づけた瞬間溶けてしまい見ていることしかできなかった。
白雪「勝って…美佳ちゃんっ!」
激しい攻防が続く。体術の差で神威が有利に立ち回っているが、紅が倒れることはなかった。
神威「なぜそこまで戦える?!もう限界は超えているはずだ…。」
紅「ミウウハアアイアマモウミウウハアアイアマモウミウウハアアイアマモウ」
神威「同じことばかり繰り返しやがって…イラつくんだよ!!」
先程までとはうって変わり、神威が一方的に押す展開となった。
白雪「どうして…?!」
理由は単純明快。神威の動きがワンランク上になっている。
このままでは神威が勝ってしまうだろう。しかしこの違和感はなんだろうか……。
白雪「もしかして……。」
神威「美佳ぁあ?お前を殺したくはないが、お前はもう人と呼べるかも怪しいものだなぁ??悪いが殺しても文句は言うなよおぉぉ???」
黒炎龍っ!!
黒炎を体中から出しながら神威の周りを龍が飛ぶ。
神威「これでほとんど炎は使い切ったが美佳、お前を殺すには充分だろう。」
黒炎龍は紅に向かって一直線に襲いかかる。
近づかせまいと迎撃するが、同じ黒炎なのに全く効いている様子はない。
神威「黒炎の量が違うんだよー?そんなちっぽけな量じゃピクリとも効かないね。まあ話しても通じないか。」
黒炎龍は紅の両腕を噛みちぎり、ブレスで全身を燃やす。
それでも彼女は動いていた。
神威「ほんとに人間辞めちゃったんだね…美佳。残念だけど今楽にしてあげるからね。」
再び黒炎龍は神威の元を離れ紅に向かって襲いかかる…!
白雪「させない!!!!」
神威は完全に油断していた。彼女の氷はたとえ当たってもすぐに溶けるから問題ないと。
しかし黒炎龍を作り出した時彼は自ら言ってしまっていた。ほとんど炎は使い切ってしまったと。
黒炎ではなく炎という発言を白雪は聞き逃さなかった。
白雪「アイスキャッチ!」
透き通るような美しい声と共に神威を氷が包み込む。
神威「まずい…!黒炎龍を呼び戻さなければ……!戻って……間に合わな……」
パキンッ!
神威が凍ると同時に黒炎龍は消えてしまった。
アナウンス「決着がつきましたので元の場所へ転送致します。」
白雪「美佳ちゃん…今度こそ本当に勝ったよっ!!美佳ちゃん……?」
紅は両腕を失い、全身から出血が止まらない状態で倒れている。彼女を覆っていた黒炎は消えていた。
白雪「美佳ちゃん…。美佳ちゃん!!死んじゃ嫌だよ!!もう少しで佐々木さんが治してくれるから!お願いっ……!」
一緒に帰る。なんとしてもまた二人で笑って過ごすんだ……!見失わないように!
強く、強く彼女の身体を抱きしめた。
シェアハウスに戻った二人。慌てて佐々木に駆け寄る。
白雪「お願い!美佳ちゃんを治して!!!」
佐々木「白雪さん……。ごめんなさい。」
白雪「どうして?!まだ助かるかもしれないのに…!」
佐々木「もう知っているんでしょう…?認めたくないのはわかるけど……。」
白雪「わかんないよ!私は…私は……っ!」
黒峰「白雪。紅は死んでいる。お前が一番よくわかっているだろう。」
白雪「美佳ちゃんが死ぬわけない…。よく見て!ほら!こうして元気に……。」
自分が抱きしめているはずの美佳ちゃんは、誰かもうわからない肉の塊になっていた。
白雪「美佳ちゃんはどこ?私は確かに美佳ちゃんを抱きしめていたはず……。」
黒峰「白雪。」
白雪「ねえ黒峰君。美佳ちゃんはどこ?佐々木さん美佳ちゃん見なかった?」
黒峰「白雪。」
白雪「お願いだから返事してよ?さっきまで一緒にいたんだよ?美佳ちゃん?どこ?」
黒峰「白雪!」
白雪「なによ!美佳ちゃんは、美佳ちゃんは!!!」
黒峰「現実を見ろ!!白雪が抱きしめているのが紅だ。紅は死んだんだ。」
白雪「う、嘘……。嘘でしょ…。」
黒峰「嘘じゃない。辛いかもしれないが向き合わないといけない。」
白雪「うぅ…うぅ……あああああああああ@mgd@taあはあさたらたかまさjgdなはさならは」
相川「危険だから黒峰君下がって!」
黒峰「いやいい。前に進むためには乗り越えてもらわないといけない。俺が止める。」
相川「でもこの子5位なんでしょ?私が止めないと…!」
黒峰「紅との約束だからな。」
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黒峰「なんだ話って?」
紅「私の今日の相手はとてつもなく強いわ。もしかしたら絶望級かもね。」
黒峰「ああそうだな。」
紅「お願いがあるのよ。もし私になにかあったら……」
黒峰「お前なら大丈夫だろう。白雪もついている。」
紅「だからこそよ。ちゃんと聞いて。私にもしもの事があったらあの子はまた暴走するわ。その時は止めてあげて。お願いしたからね。」
黒峰「あぁ。生きて帰ってこいよ。」
紅「もう一つだけお願いがあるの。」
黒峰「注文が多いやつだな。なんだ?」
紅「あのね……。」
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黒峰「嫌な予感は当たってしまったわけか。紅…約束は守る。」
白雪「d@wpdapmtgge@dgmtmpdpapjx'gpwm」
浅蜊「美鈴ちゃん…?」
黒峰「危ないから下がっていろ。」
目が覚めるとベッドの上にいた。
あれ?私は美佳ちゃんと戦いに向かって……。
それから?それからどうしたんだっけ。
そうだ!相手は美佳ちゃんのお兄さんで…?私がここにいるってことは勝ったのかな?
みんなに聞いてみよう!
白雪「ねえ黒峰君。」
黒峰「目覚めたか。」
白雪「私達って勝ったの?負けたの?」
黒峰「勝って帰ってきたな。」
白雪「よかった…!美佳ちゃんの姿が見えないんだけど知らない?」
黒峰「……。紅は……」
白雪「ごめんなさい。聞き取れなかったよ。」
黒峰「紅は死んだ。」
白雪「え…?」
黒峰「戻ってきたのは白雪と死んでいる紅だった。」
彼に連れられ部屋を出る。外に向かいそこに立っていたのは…。
紅美佳 ここに眠る と書かれた墓だった。
黒峰「紅は両腕を無くし全身火傷、更には出血多量で体に血はほとんど残っていなかった。」
白雪「じゃあなんで私だけ生きて戻って……」
記憶を呼び覚ます。戦いが始まってそれから…それから……?
全てを思い出した。美佳ちゃんは神威と戦い命を落とした。転移する前にもう既に動かなくなっていたことも。我を忘れてみんなを攻撃したことも全部。
黒峰「その様子だと思い出したようだな。」
白雪「……うん。」
黒峰「辛いとは思うが俺達は勝ち進むしかない。それが紅を救う手段にもなるだろう。」
白雪「……うん。」
黒峰「紅がお前に残した言葉があるが話してもいいか?」
白雪「美佳ちゃんが…!?……聞く。」
黒峰「また会えるよ。だそうだ。」
涙が溢れて止まらなかった。
人の姿を止めてまで私を護ってくれた美佳ちゃん。
どんなときも一緒だった。辛い時は励ましてくれた。苦しい時は相談に乗ってくれた。嬉しい時は一緒に喜んでくれた。
私を誰よりも大切にしてくれた。
ありがとう。ありがとう美佳ちゃん。
白雪「黒峰君ありがとう。私前に進むよ…っ!」
黒峰「そうか。これからは俺がお前を護ってやる。」
白雪「それって……?」
黒峰「いや失言だった。気にしないでくれ。」
ありがとう黒峰君。
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神威「くそ…クソがァ!!!!次会ったときは必ず殺す…!白雪美鈴……!」
白雪美鈴5位 紅美佳6515位 勝利
紅神威13位 敗北
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ランキング表
1位 ???(→)
2位 ???(→)
3位 相川モルテ(→)???
4位 白雪美鈴(↑)氷結
5位 ???(↓)
6位 風柳風太(→)風を操る。
7位 轟剣舞(→)剣の達人
8位 岸島海斗(→)解体
9位 ???(→)
10位 ???(→)
11位 椋呂京谷(→)コピー
12位 武道信玄(→)能力未だ発現せず。
18位 紅神威(↓)実体そのものが炎
57位高橋正(→)???
235位 影切千歳(→)影を奪って能力も奪う
530位 服部圭太(→)重力を操る
6515位 紅美佳(死亡)炎を操る。自らも燃えてしまうが青い炎も出せる。
7009位 浅蜊健(→)反発
10500位 伊藤研二(→)触れた敵からダメージを受けた時…
11000位 宮本伏瀬(→)複製
102万位 雨水花蓮(→)索敵
239万位 葵(→)全身から針を出せる
312万位 佐々木知優(→)一日三回まで全回復
800万位 ???(→)調査
参加人数868万人
戦わないものはサポーターになれる。
現在のTOP10の居場所
1位 新潟県
2位 北海道
3位 東京都
4位 沖縄県
5位 東京都
6位 沖縄県
7位 東京都
8位 青森県
9位 静岡県
10位 東京都
1から10は絶望級
11から100は怪物級
101から1000は化け物級
1001から10000は超人級




