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ハニータイム  作者: 淺葱ちま
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夜更けは思い出に浸る

あの時夢見てた私の青春は輝いていた気もする。

あの頃夢見た私の大人像はもう少し、幸せそうだった気がする。

幸せの定義なんて知らないけれど、それでも今よりは幸せを想像していた。


大人になったって、お酒が合法に飲めたりするくらい。それ以外になにかあったっけ、そんなふうに思う程度でしかない。

スーツに身を包んで、今日も、一日鞭打ったこの身体から、コートを剥ぎとった。だらしなくコートを抜け殻のようにソファーに捨て置く、メイクも落とさずに冷蔵庫を漁る。

近くにあったコップをとってアイリッシュリキュールをトポトポと注いで牛乳を入れて、口をつけた。


「っ、あー、幸せ」


2LDKに一人暮らし、お帰りの声もなければ虚しく幸せと言った声が響いた。



中学時代は良かった。

動画サイトでの機械音が瞬く間に広がり、絵師や歌い手、色んな物を目にできた。

気軽にコメントできて、気軽に話ができた。

今は、何がなんだかわからない。信者だと言っていろんな人に迷惑をかけたりなんだり、コメント荒らしなんて良くあったけど、それでも、こんなにひどいアンチなんて無かった。

なにより自分の素性がわからないからとひどいことばかり言う人が増えたように感じた。


「発言は、牙にもなるんだから責任は持たなきゃ」

ポツリとつぶやく

これだから腐女子は、って言われても全部の腐女子が節度なしにホモだとか言ったりしない。それはそうだ、それだけの黒歴史を積んでるからだとも言えるけれど…

いまなら、学生時代の時に「この学校の制服を着る以上行動に責任を持ちなさい」という意味がよくわかる。

私や周囲の腐女子は、腐女子って言うレッテルを着て生きている。そこに使命感もある。

けれど、一人の腐女子が起こした問題は、レッテルの貼られたほかの腐女子にさえ影響する。


「辛いなぁ、」


その言葉と共に飲み干した中身はなくなりコトリと机にグラスをおいた。


「全く、辛いもんだわ…」


それは、本日の職場での腹だたしい事件によるところの発言か、はたまたそんな事を思い出してしまう自分の年齢の更新からか、はたまた両方なのか検討はつかない。


高校時代も良かった。

自分でサイト作って、小説乗っけて、BBSで好きな作家さんと話して、


「そしたら、急に閉鎖とかしてたんだよなぁ…」


更新されたかと思って健気に通ったものだけれど、凍結とか閉鎖、パクリ疑惑など、様々あったが一番の理由は


「某イラストサイトだよねー…あと、スマホの普及でガラケーの衰退」


夢小説はその時の漫画の熱量によって左右され、キャラクターをメインに小説を書くことが増えた。

もともと、ガラケーを主体としていたホームページサイトは、一部のスマホでは対応しておらず、健気に通うことをやめてしまうか、管理者がこれを気にやめてしまった。


「ランキング上位にはいるとうれしかったなぁ、リンクつないだり、同盟とか…キリ番、キャラと管理者がしゃべるとかもあったなぁ…」


あの頃の私の黒歴史は未だに生きているのだろうか。


私の生み出した夢主は某キャラとアクマから世界を救う手前で、その先の世界は生み出していない。閉鎖もしていないが、もう見つけ出すことさえ出来ないだろう。


「あーぁ、隠し扉とか、鍵とかつけたなぁ…」


隅から隅までサイト内を見まわったものだ。


「また…書きたいなぁ…」


そう呟いて、失笑し間抜けな声とともに背筋を伸ばすと夜の自由な時間と言わんばかりにやる事を算段づけていく



そんな冴えてるとは言えない女性の


「あ、明日も早朝からの出勤だった、寝ないとやばいわ」


……社畜女子(自称完璧主義)の物語



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