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あ
また花森さんは居る。今日は私の代わりにゴミを捨ててくれた。私は「こんなにたくさんのことをしてもらうとは、私も運がいいのかなあ。」と言うと、花森さんは「いいえ、私があなたを好きだからでしょう。」と。
「え?」
「私、あなたが好きなんです。」顔を赤らめている。
「どうして…」
「好きなものに理由なんか要りますか?」凛と張り詰めた声は私の頭でこだまする。
「私も、私も好きです。」
「え?」
花森さんの視線を感じる。私はうつむいてじっとしている。
「好きなものに、理由なんか、要りませんよね。」
私は、はっと顔を上げる。
視線がぶつかる。さっきまで視線を逸らそうとしていたのに、一度合わせてしまうと、離すことができなくなる。まるで電磁誘導だ。近づけると突き放そうとするくせに、遠ざけると、近づこうとする、あの感じ。
私は花森さんの目の中に吸い込まれていっているのを感じていた。




