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あ
私はいろいろな世界を作り上げた。木を生やしたところと生やさないところ、砂漠も勿論海も川も作った。
「これが神の存在よ。」
「ああ、これが神かあ。」
私は人まで作った。
「この世界の人々に記憶はあるの?」
「あなたが作れば、あるわ。」
私は記憶を作った。
「私のことは知ってるのかな?」
「あなたが教えれば、知っているわ。」
私は自分の存在を解く人や自分の存在を残す彫刻家、また、私の存在を示す作家まで作った。
「これが聖書や聖像と呼ばれるものか。…なるほど私の存在は神格化されるらしい。」
だんだんぞっとしてきた。私たちのいる記憶の世界も、本当は誰かが操っているのではないか…
私は、私の存在を信じないという人も増えていくのをじっと眺めていた。




