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あ
花森さんは今まで以上に元気いっぱいだ。仕事に励んでいる。私と時間が合えばその日の話をする。
「月曜日に行ったらね、お前旦那居たのか?って。いますって答えたわ。」
「ああ、そりゃどうも。」
「なるべく休まないように、だって。」
「うん。」
「だから、過去に遡ろうと思う。」
「え?」
「私はいつにでもいるから。」
「私の記憶は?」
「消さないわ。」
「どうやって?」
花森さんは私の手を取ると一緒にひゅっと消えた。
私は混乱した。上下も左右もないようなところへ入る。
記憶が確定していく、その瞬間を見ている。
花森さんはちょっと目を閉じた。すると、私と花森さん以外の確定された記憶がほどけていく。一本から、無数へ。そして先週の水曜日で止めた。
「いきましょう。」ー気がつけば水曜日だ。私も花森さんも仕事場へ行く。




