神の一筆
お父さん、お母さん、私、魔王を倒して、世界を平和にしてくるね!
そうして、旅に出て早三年。
ようやく魔王城に来たものの…
「警備薄!?」
何よこれ!?
バカにしてんのかしら?
何?
なんで城までの洞窟が一直線で、敵のエンカウントも進行妨害トラップも起動せず、終いには、城の中までがらんとしてるし、玉座まで一直線だし…
「でーてーきーなーさーいーばーかーまーおーうー!!」
「五月蝿いぞ小娘、喚くな、我はここにいる」
「スキありぃっ!!」
彼女は自分の背丈よりも大きな大剣を2本、軽々と振り上げる。
❮破魔・双牙狼炎獄翔烈迅撃❯
炎獄の双焔が魔王めがけて襲いかかる。
しかし。
「その程度の攻撃が当たるかアホ」
魔王はあっさりとかわし、果には詠唱を始める。
❮終焉より来たれし究極の衝撃、鮮烈なる刃と戦慄する鼓動、天、地、海、ありとあらゆる物を無へと誘え❯
《ウラノスレイン》
天より降り注ぐ神の光がありとあらゆる物を消し去る。
あたり一面が平地となり地は死に、空は光を失い、水は枯れ果てている。
その中に、一人ポツンと立っている者がいる。
魔王だ。
「また、一から魔王城を作り直さねばいかんな…」
「その必要はないわ!」
突如として地面が盛り上がり、威勢のいい声がその内側から飛んでくる。
まさか。
そのまさかである。
大地から飛び出してきたのは、魔王に挑んだ彼女だ。
彼女は2本の大剣をまるで短剣を扱っているかの如く、凄まじい勢いと速さで連撃を繰り出す。
❮烈迅・双乱舞神羅刹ver.β❯
その連撃は踊る様に繰り出され、流れる様に美しく、奏でるような連撃である。
なお、油断していた魔王はかわせる術を持たず、モロに全身で受けてしまう。
魔王は最後の一撃を食らい、吹っ飛ぶ。
流石魔王、と言えるのだろうか、原型を留めて吹っ飛んでいったように見えた。
「250hit、それがこの技の全て、って言ってもまだこの技は試作段階で、強いけど…体に…凄…く…不……担…が………」
彼女は最後の一撃を当て、着地したところで平気そうな顔で話をしていたが、負担が余程大きかったのかその場に倒れ、動かなくなる。
勇者に魔王が敗れたかと思いきや。
気絶し倒れている勇者に目をやる魔王。
魔王は勇者の全力を食らい、平然として生きており、外傷も殆ど無い。
魔王は気絶している勇者に歩み寄り、腰を下ろすと。
勇者に、そっと口付けをした。
このあとのストーリーラインとこの二人の名前と次の話に出てくる新キャラの全体的な設定のどれかを送ってください。
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