三年の引退〜余韻〜
顧問の吉田先生はいきなり話し始めた・・・
「東若草高校男子バレー部の記録に残るそんな大会だったと俺は思うぞ、去年はベスト32にも入れないようなチームだったのが、今は過去最高の成績を残したんだ。しかもそれを支えたのはお前だ、高島。入部したての頃はまだまだ荒削りのガキだったのが、チームの大黒柱になった、それも2年でな。それに刺激を受けて急成長した3年や、立岩、明石達ががんばり、ここまでこれたんだ、胸を張れ。」
3年生は今まで我慢していた涙が一気にこぼれ始めた。
それに、俺も我慢出来ずに声を上げて泣いた。
「お前泣くなよな…」
って一番泣いてるキャプテンが頭をぐしゃぐしゃにしてきた。それにつられて3年生がみんなで叩いたりしきた。
「い、痛いですよ…」
みんなに攻撃されたら涙が笑顔に変わった。
あの後、3年生はそれぞれ一言ずつ言った。
「先生、キャプテ…」
何やら先生とキャプテンが話し始めた。
と、先生がいきなり手を叩きみんなが注目した。
「新チームのキャプテンと副キャプテンを発表しておこうか。なら、川口頼む。」
「はい …新チーム副キャプテンは立岩元、キャプテンは……高島翔だ!」
え、俺?
「そ、出来るのか俺に…」
「今、お前出来るかな?って思っただろ。」
「……はい。てか、何で分かったんですか?」
「丸聞こえだからだよ、お前がいったことが、口に出てたぞ。」
「…え?口に出してましたか…。」
「大丈夫だろ、お前なら。俺たちはお前しか出来るやつがいないと思ったから、お前を選んだんだからな。」
「はい、精一杯やります。」
「よし、なら新キャプテンから意気込みを話してもらうか。」
「いきなり!?わかりました………。
いきなり今キャプテンになったけどみんなと一緒に先輩達を超えたいと俺は思ってる。もちろん、ベスト8を超えて兵庫県で一番になりたい。ただの公立でも行けると思う。これから一年は本気でみんなとバレーボールに取り組んでいい記録を残せるようにしたい!」
パチパチパチパチ………
「そのいきだ、高島。今、この瞬間からキャプテンはお前だ。」
「お前らなら俺たちなんか簡単に超えちまうだろうな…」
「大会の前には練習呼んでくれよな、手伝うから。」
「応援行くからな。」
「はい!絶対に兵庫県で一番になります。」
先輩たちからの応援が終わり、先生が最後を締めた。
「3年は今までお疲れ様、1、2年はこれからみっちりと練習するからな。全員死ぬなよ(笑)今日は解散!高島は少し残ってくれ。」
「「なにがあるんだろう?」」
みんながそう思いながら、こっちを見ていた。