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隣のとなりの朝水さん  作者: 一季 巡


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2/3

朝水 那月という少女

俺には、毎日のように顔を合わせている同年代の女性がいる。

だが、残念ながら恋人ではない。

そう、家が近くの幼馴染というやつだ。

そして、そいつが幼少期、俺にこんな事を言った事がある。

「たかくんは真面目で偉いねー。」

断じてその言葉を引きずっているものではないが、しかし、俺は真面目だ。真面目を絵に描いて3Dプリンターで印刷したような奴だ。

ちなみに大真面目にそう言ったら國村には爆笑された。俺も貴夫の量産型が欲しいなーとか抜かした彼奴のこめかみがどんな悲惨な目に遭ったかはご想像にお任せする。

そんな俺は今、ジャージから着替えるのを忘れてホームルームに出ている。しかも、そのジャージには正面に落書きがある。担任からの視線が痛い。

俺の生活には、時々こうやってイレギュラーが起きる。もちろん、俺自身は至って真面目であるので、きっと外的要因だろう。そして、そんな時には必ず・・・

(じー・・・)

隣のとなりの席から視線が飛んでくる。

朝水 那月。俺の幼馴染だ。

だからと言って別段何かあるという事もない。ただ珍しくて見てるんだろう。大体いつもあいつはそんな感じだ。

ホームルームが終わると同時に俺は着替える為に男子更衣室に向かった。

そうして何事もなく2時間目は終わり、國村にはそのままジャージを返してやり、昼休みになった。

「貴夫!また行くか?」

多分選挙活動の事だろう。

「昼食ったら4組に行く。そしたら行こう!」

そう返事すると、奴は居なくなった。

「さて、彼奴を待たせる訳にはいかないな。」

國村という男は、適当な男に見えるが時間には厳しい。早く学食に行くべくポケットを探ると、見覚えのない紙切れが出てきた。

開くと少し丸まった丁寧な文字が並んでいた。

(また國村君に悪戯されたの?)

何となく察して、俺は独り言のように言う。

「今日はあの落書きのジャージで朝玄関の前にずっと立ってて大変だったなぁ・・・。」

(ぷっ)

何処かから、ちょうど、隣のとなりの席の辺りで誰かが吹き出したみたいだ。

ちなみにスマホがあるのにメッセージで伝えないのは、何かお互いに言い出す機会が無くて連絡先交換してなかったからだったりする。

(今度それとなく聞いてみるか。)

とか思ってたら、

「おい貴夫!いつまで待たせんだ!」

と國村の怒声が聞こえてきた。

昼飯、今日は諦めるか。

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