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隣のとなりの朝水さん  作者: 一季 巡


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1/3

生徒会の庶務の俺

俺は、俺の通う東生高校の玄関の前に立っている。

岩足貴夫。その4文字が、躍動感溢れる感じで書かれている。

俺の学校指定のジャージに。

「貴夫!似合ってんなそれ!」

「ふざけんな。」

親友の國村に言い返しながらも表情は崩さない。

「おはようございます!」

「おはよう」

「おはようございます!」

「・・・」

「おはようございます!!!」

「お、おはよう・・・。」

いつの間にか國村が横に立ってた。

「お前、何で挨拶してんの?」

今し方登校して来た生徒たちへ挨拶を終えて振り向く。次に生徒たちが固まって登校して来るのは多分8:00台だ。後10分程は暇だろう。

「何故、と言われても、俺は生徒会庶務として当然の事をしているまでだが?」

「生徒会の奴がジャージに落書きして良いのか?」

「これは人にやられたんだ。」

「へぇ。そいつは誰だい?」

「國村という男だ。」

「へぇ。そいつは随分と愉快な奴だね。」

沈黙。しかし奴に悪びれた様子はない。

「・・・何故こんな事をした。」

「逆に何でされたと思う?」

「さあな。興味ない。さっさとこれを消せ。」

「じゃあ教えてやるよ。」

8:00のチャイムが鳴る。

國村は校門に向かって歩いてくる生徒たちの方へ、大声で叫んだ。

「来たる9月24日の生徒会選挙、この真面目が取り柄の岩足貴夫に清き一票をお願い致します!」

そうだった。

「この真面目が取り柄の、私、岩足貴夫に清き一票をお願い致します!」

それから登校時間ギリギリまで二人で交互に叫んだ。

チャイムと同時に校内に入る。

「助かった。ありがとう國村。」

「そうか。じゃあそんなに感謝してくれるならお前のクラス今日授業変更で2時間目体育になったって言っても許してくれる?」

・・・

奴が無言で自分のジャージを渡してきた。

「ありがとう。2限で借りた後落書きをしてから返してやる。」

「待て!水性で頼むぞ!いや違う俺4限に体育だった!落書きは勘弁してくれ!」

俺は黙って自分のクラスに入った。


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