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冒険姫リーベ 英雄の娘はみんなの希望になるため冒険者活動をがんばります!  作者: 森丘どんぐり
第3章 新天地へ

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151 恐怖に抗える理由

作者都合で数日更新できず申し訳ありません。


今日から連載を再開していきますので、引き続きご愛読いただけますと幸いです。

 夕食や入浴などの日課を終えたリーベは、明日の冒険に備えて休む必要に迫られた。だからダンクとお話しする時間もほどほどに早々に目を瞑る。


 しかし胸がモヤモヤしていることに加え、ダンクが構って欲しそうにしていたため彼女は結局、話し始めた。


「もお、仕方ないな。ちょっとだけだよ?」


 リーベがそう口にするとダンクは嬉しそうに目を煌めかせる。


「ふふ、ダンクは甘えん坊さんだね?」

「…………」


 背中を撫でると彼は嬉しそうに身を震わせる。そんな愛犬を愛おしく思いながらも、リーベは言葉を続ける。


「あのね、南東にある湿原で、1日中霧が濛々(もうもう)と立ちこめてるんだって。不思議でしょう?」

「…………」

「わたしたちは明日、それの原因を調べに行くの。ダンクだってお家が霧まみれだったら嫌でしょう?」

「…………」


 彼は霧の中の我が身を想像し、湿気によりモフリティが低下するのを悟り、ぶるりと震える。


「そうでしょう? わたしたちは明日、そんな霧を出す魔物を倒しに行くんだよ?」


 すると彼は単純な恐怖にぶるりと震わせる。


「ふふ。まあダンクはお家にいるんだから心配はいらないよ? だけどわたしは明日、その霧を出す魔物のところに行かなきゃならないの。だからダンクには無事を祈ってて欲しいんだ。お願いできる?」

「…………」


 彼が頷くのを見ると、リーベは安心できた――とその時、フロイデの声が響く。


「まだ、起きてる?」

「あ、すみません。起こしちゃいましたか?」

「うん」

「ああ、ごめんなさい。もう寝ますから」


 彼にそう言うと、リーベは小声でダンクに呼びかける。


「そう言うことだから、また今度ね?」

「…………」


 残念そうにするが、彼は道理のわかる子だ。

 だからダンクはさておき、フロイデの眠りを妨げてしまったことを気にする。


 せめてこれ以上彼の眠気を妨げないようにと口を噤んでいると、彼の方から話しかけてきた。


「ねえ、リーベちゃん」

「ん? なんですか?」


 少々驚きながらも答える。


「リーベちゃんは怖くないの?」

「?」


 彼の意図が読めず沈黙していると、彼は続ける。


「次から本当に剣士として、戦うんだ、よ?」

「あ、ああ……そうですね」


 キックホッパーとの戦いは()わばお試しだった。しかし、これからは1人の剣士――魔法剣士として戦場に立つのだ。前衛なのだから当然危険だし、1つのミスが命に直結する。それを思えば恐れずにはいられない。


「……もちろん怖いです。でも、わたし1人の戦いじゃありませんから。いざとなればおじさんにフェアさんが護ってくれますから。それに――」

「才能がある、から?」

「……フロイデさん…………」

「……おやすみ」


 彼は逃げるように寝返りを打った。


 その言葉は妬心(としん)の発露であり、それによってリーベの胸には悲しい気持ちと僅かな憤りとが生ずる。

 だが彼とて悪気はないのだ。


 そう理解しているが故に余計にモヤモヤする。


「…………」


 リーベは10を数えて心を宥めると、「おやすみなさい」と返してまぶたを下ろした。



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