表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
渚にて  作者: Aju
18/29

18 美波の日記

 亜麻とケンカした。


 だって亜麻はあたしのスマホ、自分のものみたいに使おうとするんだもん。


 ううん‥‥。

 違うな‥‥。


 ケンカというより、あたしが意地悪しちゃったんだ。

 亜麻はなんにも悪くない。

 あたしがイヤな女、ってだけだ。


「なんでも自分のものだと思ってんの!?」

 そんなこと、亜麻が思ってるわけないのに‥‥。


 今はわかってる。

 あたし、自分がなんであんなこと言ったか。

 ‥‥‥‥‥‥


 亜麻は成長が早いんだ。

 生まれてまだ3ヶ月ちょっとなのに、もう、あたしと同じ中学生くらいの格好になってきてて‥‥。

 ほんでもって‥‥、胸なんかあたしより大きいんだよ?


 それで‥‥美人で。

 少し巻き毛のロングヘアーは、亜麻色で、すごくきれいで‥‥。


 あの水着だけの格好で‥‥

 毎日、マスターとおんなじ屋根の下にいるんだよ?


 そりゃあ、人魚と人間なんだから‥‥別種の生物なんだから‥‥結ばれるわけなんかなくって‥‥。

 もしそんなことしたりしたら、マスターは本格的にヘンタイ‥‥

 うあああああああ!

 何考えてんだ? あたし!


 う〜〜〜〜〜〜。

 ヤな女だ。あたし‥‥。

 ヘンタイは、あたしだ。


 わかってる。

 あたし‥‥、亜麻に嫉妬してるんだ。

 あの、愛らしい姿に‥‥。

 たぶん、そうだ。


 ヤな女だ。

 醜い心だ。‥‥‥‥もう!


 亜麻のこと大好きなのに。

 すごく大事な、かわいい妹なのに‥‥。


 なんで、こんな気持ちになっちゃうんだろ?


 ‥‥‥‥‥‥


 明日‥‥。亜麻に謝ろう。

 悪いのはあたしだもん。


 許してくれるかな? 亜麻‥‥。


 ごめんね。


 ここで言ってもしょうがないか。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ