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ダンジョンマスターの贈り物  作者: 穂村満月
2-1章.18-15歳
430/463

429.わざとかかった罠でも騙される

 この先に飯屋があるという細路地を歩いていたら、レイラーニの前に男が3人立ち塞がった。後ろにも見えない位置に5人いる。ハワードはレイラーニの前に立ち、ヘクターは後ろに回った。一触即発の空気が流れているのは、レイラーニ側だけだった。前方の3名は、すぐにひざを折った。

「レイラーニ様。宴の準備を致しました。ご出席賜ることは可能でしょうか」

「可能でしょうかと来たか。なるほど、これがドラパソ風味かな。でも、お断りはさせてくれないんだよね」

「いえ、お断り頂いても構いません。ただ、その、誠に申し上げにくいのですが、レイラーニ様のお返事次第では我々の首が繋がりません。大変不躾なお願いですが、ご同道頂けると有難く思います」

 ひざをついていた男は、どうかお願いしますと土下座に近い状態で頭を下げた。レイラーニの苦手なタイプの脅迫だった。演技派なだけかもしれないが、男の様子は必死だ。かなりガチ臭かった。

「ただの脅しだ。気にするな」

 ハワードは冷たく言ったが、レイラーニは気になる。これを気にしないでいられる性格なら、綺羅星ペンギンも白蓮華も作らなかった。これからクラーケン退治をするのに、あの人結局どうなったんだろうなぁなどという気掛かりは作りたくなかった。

「行ったら、お菓子が沢山食べれるんだよね」

「はい。お望みのままに!」

「ボス!」

 レイラーニが子どものような問いを発したから、使者は喜びを顔に浮かべ、ヘクターが昔の呼び名で叫んだ。それに面白くなって、レイラーニはくすくすと笑った。

「呼び名を間違えたらダメだよ。ヘクターのボスは、ウチじゃない。ウチは、ただの飲み友だちのレイラーニちゃん。ね。わりと最近、未来のお母様に、お菓子をくれる人にはついて行くな、って注意されたんだけどさ。ウチは、売られたケンカは買わないと気が済まない性質(たち)なんだ」

 レイラーニは姿勢を正して、美しく微笑んだ。また化けたなぁとハワードは見惚れたが、レイラーニの横に立つ権利は奪われた。

「悪いけど、ハワードちゃんは、この大荷物を持って帰って。ヘクターは従者として、しゃんとしてついてくること。悪いけど、急な招待をした責任をとって、あんたたちも荷物運びを手伝ってね。ハワードちゃん1人にさせるのは、可哀想だから。あっちに5人隠れてるんだから、人が足りないとは言わせないよ」

 レイラーニが買った服は、3着だけではなかった。いつものように支払いに大金貨を出したら、問題が発生したのだ。アーデルバードとドラパソの通貨は違うのだが、それは大きな問題にはならない。大金貨は金でできているから、金目の物としての価値は変わらずにある。文明圏であれば、大体通用する。そもそもアーデルバードに出回っている硬貨は、アーデルバードの通貨でもないのだ。国としての信頼も何もなく、通貨としての信頼があるのは、通貨自体の価値が認められるからだった。大金貨は大金貨としての価値が認められるくらいに巨大な金塊なのだ。パドマが愛用していた小銭入れには入らない巨大硬貨なのである。当然、その辺の炉端でやっている屋台のような店には、釣り銭は用意できない。だから、店ごと布を丸っと買い上げて、更に布を運ぶ荷車まで付けてもらって、釣りはいらないぜとやってきたのだ。小銭に換金するのも手間だし、換金手数料もかかる。だから、レイラーニは無駄遣いをしたとは思っていない。アーデルバードから大金貨を1つ撲滅し、手に入れる機会を減らしたなら、いい仕事をしたと思うくらいである。

「はい。かしこまりました」

 隠していた人員を指摘されて、使者は苦い顔になったが、男たちがわらわら現れて、ヘクターから荷物を受け取った。ハワードは荷物の見張りの立場である。荷物はなくなっても困らない物しかない。手ぶらであれば、ハワードも遅れをとることはないだろう。戦闘民族アーデルバード街民の中でも、綺羅星ペンギンは一際ヤバいヤツらの吹き溜まりである。必要とあれば躊躇なく殺人もこなし、逃げ(おお)せると、レイラーニは信じている。

 レイラーニはハワードが持っていた荷物をヘクターに持たせ、使者の後ろを歩いた。

「ハワードちゃん、癇癪を起こさずにまっすぐ歩いて帰ってね。ウチは、ちょっと寄り道して帰る。本当に美味しいものが出てきたら、お土産にもらって帰るから、いい子にしてるんだよ」

 レイラーニは可愛く手を振ると、ハワードに背を向けた。1人だけ連れて行くなら、絶対に自分だと思っていたハワードは内心動転したが、ボスの意見は絶対の精神は骨の髄まで染みている。「承知」と引き下がった。そして、へっぴり腰で荷物の運搬も手こずっている男たちを叱咤激励して、目的地に連れて行く。荷物さえ片付けば、何をしても命令違反にはならないのだ。



 レイラーニは領主の館に連れられて行かれるのだと思っていたのだが、到着したのは郊外の豪邸だった。ヘクターと並んで座り牛車に揺られ、ごみごみとした茶色の建物群を抜けた先にあったのは、高級住宅地らしい。レイラーニが歩いていた地域は道と建物しかなく、窮屈な印象もあったが、更に建物は大きくなったのに庭というゆとりのある空間に出た。レイラーニが案内された場所には、今までとは全然違う鮮やかな青い建物があった。イライジャの本邸より宮殿のように見える豪奢な佇まいであった。

「何これ。誰んちだよ」

「我が主人、アナンダ様の別宅で御座います」

「別宅」

 レイラーニは名前なんて覚えていないので、もしかしたら知り合いかもしれないから、後ろの方に注目しているフリをした。本宅でないのに豪華な家を建てられる知り合いなんて、きっとドラパソにはいない。領主親子でなければ、誰だそれで合っているとレイラーニは満足した。


 領主宅と同じように客室に通されたので、レイラーニは顔を赤くしているヘクターから手荷物を奪った。

「何を期待しているかは聞かない。ここはただの支度部屋。着替えるから、出て」

 レイラーニは背中をぐいぐいと押して追い出すと、魔法で施錠した。ダンジョンではないから勝手が違い、成功したかは不明だが、それはそれとして包みを開いた。服装を整えろと言われても、今は土産に買った適当な服しかない。売っていた場所を考えても、値段からしても、どう考えても正装とするには格が足りないのは分かっているが、着れるものはこれしかない。今着ている作業着よりは女物だという点でマシだろうから、レイラーニは諦めて着替え、即興で宝石を作り、魔力を結晶化させて地金を作り、全身を飾った。緑クマの前で師匠に甘えてはいけないと、魔力を分けてもらわなかったツケが回っている気がする。魔力を使おうと思うだけで、頭が軋む。しかし、きちんとしなくて師匠が侮られたら腹が立つから、それをおして可能な限り己を飾った。レイラーニは今は師匠の妻のフリをしているし、そうでなくても娘なのだ。今は師匠が貴族のように振る舞っているのだから、招かれてラフな格好のままではいられないと、昨日学習させられたばかりである。


 「どうだ」とレイラーニが控えの間にいるヘクターに声をかけると、何も答えなかった。ヘクターが選んだ赤黄の衣装を着てきたレイラーニを前に、絶句している。上衣は肌にぴたりと張り付くような半袖の服で、下衣は足首まである布地のたっぷりとしたフレアスカートで、全身を包みこむようなヴェールをかぶっている。ヘクターが似合うと絶対の自信を持って選んだ布だったが、色と刺繍の派手さにも負けず、レイラーニは美しく輝いている。適当な露店で、お兄さんたちが即興で作った服とは思えぬほどの品を発生させている。その上で着慣れない半袖を照れているから、可愛い。もう俺の彼女になっちゃえよという言葉を、ヘクターは飲み込んだ。

「俺が選んだ服を選んで着てくるなんて、惚れられてると思っていいですか」

「いいわけないだろ。勝負に勝つために、マシな服を選んだだけだから。そういうことじゃなくてさ、変なところがないか、チェックして欲しいんだよ。アクセサリーがズレたり曲がったりしてないかとかさ。今はヘクターしかいないんだから、ウチが恥をかかないために、ちゃんと見てくれない? これは戦装束なんだよ」

「死ぬまでに1度言ってみたかった台詞を言ってみただけで、本心ではありません。ジロジロと確認していいとは、役得な仕事ですね」

 ヘクターはケラケラ笑いながら、ヴェールを直した。そんなことをしたことがないから、上手くいかずに何度もやり直したのは、わざとではない。

「アイツのことを、どう思っていますか」

「アイツがどいつかわからないけど、みんなのことなら、大好きだよ。千年先に連れて行きたいくらいには、思ってる。だけどね、できたら人間のコミュニティで幸せになって欲しいかな」

 レイラーニは寂しそうに笑った。その顔に絆されそうになり、ヘクターは必死で腹筋に力をこめた。

「アイツは、セスにはなれないんですよ。だから、もしももらってくれるなら、俺も婿入り道具の1つにさせてもらえないか、頼もうと思ったのですが」

「そうだねぇ。でも、ヘクターはいらないかな。ウチの全力について来れないから」

「気合い入れます。お供させて下さい」

「わかったわかった。でも、クラーケンは留守番だよ。ここに連れて来たので、満足して欲しい。欠けたら、嫌なんだ。絶対に、連れてきたのを後悔する。ヘクターはちょっとでも目を離したら死ぬんじゃないかって、今だって心臓バクバクしてるから」

「それで俺を選んだんですか? 嬉しくねぇー」

「それでヘクターを選んだんだよ。だから、しっかりと働いてくれたまえ。あとでお小遣いをくれてやるから」

 レイラーニはシシシと笑い、両手の指を使って丸を作った。それは大金貨と同じ大きさだった。

「大金貨はいりません」

「小銭と取り替えてよー」

「奢ってさしあげるので、それで満足して下さい」

「ヘクターの小遣いじゃ足りないー」


 支度を済ませて廊下に出ると、案内役が立っていて、レイラーニたちを先導して歩いた。レイラーニは真面目腐った顔で、静々と歩く。ヘクターもそれに続く。開かれた扉をくぐると、領主よりも年若い日に焼けた浅黒い肌の男が待っていた。レイラーニは、アーデルバード流の礼をした。

「ご丁寧にお招き下さりありがとう、アナンダさん」

 アナンダは、朝会った男だった。イギーたちのお買い物に付き合って、数軒行った商会にいた男の1人だった。レイラーニは相手の正体を知って、少しだけスッキリした。

「急な話をして、申し訳御座いませんでした。しかし、お受け頂けて嬉しいです。レイラーニ様、アナンダ商会のアナンダと申します。改めてよろしくお願いします。アーデルバードの正餐の時刻は過ぎてしまいました。申し訳御座いません。一席設けさせて頂きました。よろしかったら、お召し上がりください」

 レイラーニはアナンダに促され、席に着くと、料理が運ばれてきた。レイラーニの前に巨大なバナナの葉が置かれ、その上に料理を乗せられる。中央に炊き込みごはんが盛られ、その周囲に菜が並べられた。スープは丸い金属の器に盛られたが、それ以外は葉にダイレクトで盛られた。まるで森暮らしをしていた頃の食卓のようだった。

 なんだかわからない物しか乗っていないし、ドラパソの食事マナーがわからない。アナンダは手づかみで食べているが、レイラーニの席にはカトラリーがあった。ドラパソ料理だが、アーデルバード流で食べたらいいという計らいだと信じ、茶色のスープをひとすくい食べてみたら、舌が痺れるくらいに辛く、その隣のトマトスープは顔をしかめずにはいられないくらいに辛酸っぱかった。その隣の漬物は見るからに唐辛子だし、その隣の豆も辛いし、その隣のマンゴーはジャムより甘いし、その他もおかずを一周してみたが食べたい物は見つからなかった。残したら勿体ないが、辛くて食べられない。アナンダはいくつかの料理を混ぜて食べているので、レイラーニもそれに倣って、ジャムとヨーグルトを混ぜて食べてみた。葉っぱの上のヨーグルトをスプーンですくうのは難しかったが、そのくらいであれば頑張れる。だが、それ以外は無理だ。辛すぎて食べられない物を混ぜても辛い。辛すぎてつらいが、炊き込みごはんなら、ギリギリ食べれるといったところだ。毒はないことは確認できたから食えばいいと促したが、ヘクターもフォークが進まなかった。

「申し訳御座いません。お口に合わなかったようですね」

「すみません。アーデルバードでは、香辛料や砂糖はあまり使わないから、食べ慣れてないんスよ。最近は広く出回るようになったから、そのうち食い慣れると思いますけどね」

「ほう。流通量が増えましたか」

「レイラーニ様の弟が、胡椒の栽培に成功して、それと同時に他のスパイスと砂糖が大量生産できるようになったんですよ。レイラーニ様は尊いが、レイラーニ様の周りも皆出来がいいってね」

「それは素晴らしい」

 アナンダとヘクターが会話する間、レイラーニはなんとか食事を食べ切ってやろうと、ご飯の上に菜を少しだけ乗せて、酒で流し込む作業をしていた。ご飯があまりに辛くて、とんでもなく酒がすすむ。辛口であまり美味くもない酒なのだが、するすると口に入っていく。もう食事終了まで酒だけでいいかなと思い始め、浴びるように飲んだ。

 その時、わりと近くで爆発音がした。レイラーニの周囲ではわりとよく聞く音なので、気にせず酒を飲み干したが、アナンダは動揺した。営利誘拐を企んでおいて肝の小せぇ男だな、シャキッとふんぞりかえってろよと、説教してやろうかとレイラーニは半眼になった。

「なんだ? 何があった?」

「アイツが来たのかな?」

「あの音は違ーよ」

 アナンダは立ち上がって、家人に様子を見てくるように伝えたが、レイラーニとヘクターはうぇーいと乾杯した。酔っ払いめとアナンダは視線を外したが、その瞬間に人生終了のカウントダウンが始まった。

「レイラ、無事か? 何故、呼ばなかった」

「にゃーん」

 レイラーニは部屋に踏み込んできたヴァーノンに確保されて、遅れてついて来た師匠にアナンダは剣を突き付けられた。ヴァーノンは学習して、レイラーニのいない場所を粉砕して建物に侵入し、レイラーニがいる部屋はドアを開けて入った。だから、今回はレイラーニをケガさせることなく、確保した。本当は、レイラーニを確保する係をやりたかったのに、足が遅くて取られてしまった師匠は、ネジが1本取れてしまった。

「私のレイラに手出しするとは、殺されても仕方がないですよね」

「わたしは何もしておりません。どちらかと言えば、間男はあちらの男でしょう」

 師匠が何を言っているかは聞こえなかったが、この状況でレイラーニの夫に剣を突き付けられれば、それしか想像できない。必死に言い訳を考えて、ヘクターに罪をなすりつけた。師匠はアナンダから視線を動かさなかったが、ヘクターは「レイラーニちゃんの間男にされちゃった」と、おどけた。師匠はどさくさ紛れにハワードも殺すかと思ったが、ヘクターだったから、あれはないとアナンダに視線を戻した。

「いいでしょう。暗黒の力よ。漆黒の闇を紡ぎ、我が意のままに空間を操り、家屋を消失させん」

 師匠はヘクターのついでにレイラーニを視界に収め、ネジを取り戻した。レイラーニの前でアナンダを斬るのは(さわり)がある。師匠は許したようなことを言った後、剣を亜空間に収め、魔法を使い建物を消した。人間だけが取り残され、2階以上上にいた者は地上に落ちたが、師匠は助けなかった。レイラーニだけ無事なら、それでいい。ヘクターが誰かの下敷きになったのは、いい気味だと思った。そんなことより、レイラーニをヴァーノンから奪う方法を考えつきたい。師匠は絶叫するアナンダを放置して、レイラーニの近くに行った。

「ご無事でしたか。やはり1人で行かせるのではなかった」

 レイラーニは直視してはいけないと思わせるくらいに、ボディラインを強調する服を着ていた。だが、それをそんな風に見てしまうのは、師匠の煩悩の所為だ。ヴァーノンは何も思わずに抱えているようだし、レイラーニは穢れなく美しい。

「心配しょーらなぁ。ウチは平気だお。ご馳走にらってららけらもん。辛くて不味いけど。でもね、ぽかぽかして欲しいの。ぽかぽかー」

 レイラーニが師匠に手を伸ばしたから、ヴァーノンは師匠にレイラーニを渡すことにした。レイラーニがベロベロに酔っている上に、顔色が悪いから抱えて連れ帰ろうと思ったのだが、レイラーニの指名があれば譲るのは仕方のないことである。寂しい思いはあるが、兄になると決めた日から、この日が来るのは分かっていた。可愛い可愛い妹が嫁に行かないなど、夢物語に過ぎなかったのだ。

 師匠が手を出してもなかなか手を離す気配を見せず、譲らないヴァーノンに痺れをきらして、師匠はレイラーニを奪い取り、魔力を流した。レイラーニは「ぽかぽかー」と、師匠に抱きついて心地良さそうに溶けている。少しは危機感を抱けよと、師匠は思った。

「これは誘拐ですよ。酒を盛られて酔いつぶされて、何かされたらどうするのですか。ドラパソの正餐は昼ではありません。アーデルバードに合わせて昼に正餐の支度をし、カトラリーを並べた男がアーデルバードに合わせない辛い料理を出したのです。不審に思って下さい。どこまで耐えるか試していたのでしょう」

 師匠は心配を口にしているのに、レイラーニは聞いていなかった。顔色は多少マシになったが、ぽかぽか言うだけで、半分寝ているような状態である。説教は魔法で全回復させた後にしようと、師匠はレイラーニを臨時の自宅に連れ帰った。



 因みに、アナンダの家は、後日、復元された。レイラーニの土産の服が一緒に消えたのを取り戻すためだ。一瞬で消えた家は、一瞬で元に戻った。露店で買える安物の服を手にやったーと喜ぶレイラーニと、そんなレイラーニを甘やかな表情で見守る師匠に、アナンダは恐怖した。

 アナンダはヒョウ退治で空を飛び、魔法で宝石を作り出すという情報を得て、レイラーニを手懐けようと画策したのだが、手懐けても殺されるなと理解した。レイラーニが美人だから、師匠は手放さないだろうと諦めた。レイラーニが不細工だったら良かったのにと残念がるアナンダに、ヴァーノンは少しだけ絆された。

「レイラーニ様の寛大な処置に感謝して下さい。恐らく、あの方がいなければ、悪事が露見したと気付くことなく、あの世行きでしたよ」

 イギーは釘をさすと、アナンダはとりなして下さいと、かなり条件のいい取引の契約書を差し出してきた。ルーファスの言った通りだと思いながら、イギーは「クラーケン退治の手伝いがしたいそうですよ」と取り次いでやった。

次回、やっとクラーケンに会いに行く。

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