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終わったらちゃんと伝えるから

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

恋愛です。R15です。


物凄く生々しい話です。


苦手な方はご注意下さい。


彼女と共に、映画を見ていた。見ているものは恋愛もの。決して綺麗なものではなく、此方の精神を抉るような悲恋。そして葛藤が延々と流れていく。

――一回抱いたくらいで彼女面してんじゃねーよ。

その回想が、延々と彼女の事を縛り上げる。反芻する元彼の声。悪夢に魘された顔。それでも振り払う様に、必死に仕事に打ち込んでいる。

隣に座る彼女を見ると、黙ってマカロンをちみちみやっていた。しかし、それを飲み込み終わると、何でもない様な声で一つ。

「あのさぁ、『一回抱いたくらいで彼女面してんじゃねーよ』って言う台詞。女子も使って良いと思うんだ。『一回抱いたくらいで彼氏面してんじゃねーよ』って」

顔は以前としてテレビに向けられている。感情からは何一つ読む事は出来ない。そのあとはもう、映画の内容なんて全然頭に入って来なかった。


「……やはり夜に御不満が……」

映画のエンドロールが流れている。そこで漸く現実に返される。すると今までの夜が走馬灯の如く流れ出した。

付き合って半年。此方の方から願い出ると、彼女はあっさり了承して、ホテル街まで腕を絡めて歩いてくれた。それから一つになって、虚ろなままに眠りに着いた。とりあえず、彼女から善し悪しは聞かされていない。ただ何でもない顔で持っていたキャラメルを口に入れられた事を覚えている。その時の満足そうな、何とも幸せそうな顔に油断をしていたのは、ある意味此方の責任である。

しかし彼女は何時ものぼんやりとした夢見る瞳で、首を折る。

「言っとくけど、君に対しての言葉じゃないからね。釣った魚に餌をやらない奴とか、蔑ろにする奴らの事ね。そんなの彼氏とは言わないと思うんだー。君はその点、最上品だよ」

そう言うと、クオーターサイズのバウムクーヘンを口に入れて、あの夜と同じ様に笑顔を浮かべた。


――一回抱いたくらいで、彼女面してんじゃねーよ。

この言葉を聞いた時、ごく自然に怒りが沸いた。『お前みたいなクソに抱かせてやってんのに、その口調はねーだろ。それはこっちの台詞だわ』という言葉をマカロンと共に飲み込む。見る目が無かったと言えばそれまでだが、流石に可哀想だった。

ふと思い返すのは、彼との初体験だった。彼は私が初めての女の様で、終始ドギマギしていた事を覚えている。上手いか下手かで言ったら多分下手だった。気持ち良くも無かった。

でも、それでも、懸命さは伝わった。触れる時も一生懸命考えて触れてくれるのが伝わって来た。目には常に焦燥が滲んで、悔しがっていた。触れ方は腫れ物に触れる以上に優しくて、此方の方からぎゅっと抱き締めたくなった。『良いんだよ。私は他の子よりも頑丈だから、もっとべたべた触っても』そう思いながら、腕には巻き付いた。

一つ一つ覚えている。比べるのも失礼な程に、優しくて、大事にしてくれて、だからもう快楽なんてそっちのけだった。

ちらりと横目で彼を見ていると、真っ青な顔で映画を見ていた。もう少しで終わるから、そうしたらちゃんと伝えるから。

与えていたお菓子はホワイトデーから取ってきました。


勿論、あとがきも生々しいですよ。


「一回抱いたくらいで、彼女面してんじゃねーよ」

と言われたら、

「一回抱いたくらいで、彼氏面してんじゃねーよ。此方から願い下げだわ」

と言ってやりましょう。

と思いながら昨日イラスト漫画を見てました。


男女共に言える事なんですけど、終わったからこそ、そこで終わりじゃないんですよ。寧ろ此処からなんですよ。

油断して、冷たくなったり、よそよそしくなるのは、ぶっちゃけ凄く勿体ない。

油断していると、足元掬われるよ。と思って眺めたイラストサイトの漫画。

あ、ワンシーンです。全体の一割に乗っていたモブの描写。


釣った魚に餌を上げられない人間は、付き合わない方が良いと思うんです。

かく言う私がそうだから。もう、説得力ゴリラですよ。


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