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【完結】風と月の永遠~サウザントフェアリー  作者: あんそに


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巡り会い〜咲華

◇登場人物◇


ギルド”永遠の風”メンバー

一条風斗~ウインド ギルドマスター。男子高校生

三好月代~ムーン  女子高校生

佐竹咲華~ブロッサム 女子中学生

六角右京~ライト  社会人(営業職)

細川翠 ~グリーン 社会人(事務職)


ギルド”幻の兔”メンバー

尼子夕凪~イブニング ギルドマスター。女子高校生

津軽真琴~トゥルース 宰相。女子高校生

「お姉ちゃーん、借りた本…返すよー。」

ノックした後、ゆっくりとドアを開けながら叫ぶも、お姉ちゃんからの返事が無い。


今回、借りた本も面白かったから、感想を言いたかったのに…居ないのかな?

本を借りるようになってからお姉ちゃんとの会話が増えた。国語の成績も良くなった。

あたしは「本」という存在に感謝しかない。


相変わらず、学校では一人で過ごす事が多いけど、休み時間に本を読む事で充実した生活を送れている。

何を読んでいるの?と、クラスメイトから話しかけられる事もたまにある。


「お姉ちゃーん、居ないのー?」

おかしいな?電灯はついているのに…どうして居ないんだろ?


綺麗に整理された本棚の横に目を移す。

目に入ったのは…机の上に置かれたノートパソコンの画面。

「え?サウザントフェアリー??」


青い服を着た少年のようなアバターが映し出されている。

出会った事はないキャラ…だと思う。


プレイヤー数の多い人気ゲーム。

街に行けば多くのアバターに出会い、会話を交わすこともある。


「あれ?咲華、どうしたの??」

「わ、わぁー。」


背後から突然、声をかけられ驚きのあまり変な声を出してしまった。


「お姉ちゃん、居た?」

「うん…ちょっと、飲み物を作りに台所に行ってたのよ。」


見ると、紅茶らしき飲み物が入ったマグカップを片手に持っていた。


「これ…この本を返しに来たの。」

「あー、どうだった?面白かった?」


「うん、とても…」

本の感想を伝えに来たつもりだったけど、それどころじゃ無くなった。

頭の中は、お姉ちゃんのパソコン画面に映し出されたサウザントフェアリーのゲーム画面の事でいっぱいだ。


「ん?この画面…見た?」

マグカップを机の上に置きながら、あたしがチラリと横目で見てしまったゲーム画面の話に移った。


「うん、見た…」

正直に言うと、成績優秀で本が大好きな姉がオンラインゲームをしている事は驚きでしかない。


「友達に誘われて、少しやってみたら面白くってね。ついついやり過ぎちゃっているの。サウザントフェアリーっていうんだけど、咲華はこのゲームの事、知ってる?」

「え?まぁ…やってる。」

目線をそらしながらも、正直に答えた。


「えー、そうなの?何てプレイヤー名?」

ちょっと待って、ブロッサムって名乗ったらゴリゴリマッチョキャラでプレイしている事がバレちゃうじゃない。

どう考えても、頭のおかしな妹と認定されてしまうわ。


「あ、えっと…」

しどろもどろになり、返答が出来ずにいる。


「ごめんごめん、良いのよ。言わなくても。」

流石、頭脳明晰の姉…態度だけで、あたしがプレイヤー名を伝える事を躊躇している事を悟った。


「私のプレイヤー名はサウンドっていうの。」

対してお姉ちゃんからは、あっさりとプレイヤー名を教えられた。

うーん多分、知らないプレイヤー名だな。


お姉ちゃんは続けて情報を伝えてくる。

「この前まで、5位ギルドの"竜に仕える者たち"に居たんだけどね。なんか幹部が、じれったくて移籍しちゃったの。」

ギルド"竜に仕える者たち"は知っている。

100人以上のプレイヤーが在籍する、大型のギルドでイベントでは常に上位の位置をキープしている。

だけど…今までに1位になった事が無い事でも有名なところ。

「うん、そこのギルドは知ってる。」


「で、少し前から"幻の兎"に入れて貰ったのよ。」

「えー、筆頭ギルドじゃないですかー!?」

笑顔で言うお姉ちゃんに対して、またもや声を裏返しにしながら応えてしまった。


「ふふふ…咲華の所属先は"幻の兎"でも"竜に仕える者たち"でも無いっと…」

ちょっと…怖すぎ。反応だけで所属ギルドを割り出されてしまうわ。

"永遠の風"所属だとバレたら、5分の1までプレイヤー名を絞られてしまう。


「正解だけど…これ以上、詮索しないでください。」

さっきから謎に、敬語が出てしまう。


「"幻の兎"は、やっぱり凄いわね。ちゃんと組織化されていて、明確なルールがあって。何よりもギルドマスターのイブニングさんのカリスマ性が凄いのよー。」

両手を合わせながら語るお姉ちゃん…まさか、こんなにもサウザントフェアリー愛が強いとは思ってもいなかったわ。

プレイしていた事だけでも驚きなのに。


「確かに凄そう…」

楽しそうに語るお姉ちゃんに対して、少し引き気味に答えた。


ウチのギルドは…この前のアースドラゴンイベントで1位が取れたおかげで2位に上がったのだったかな?


そういえば"幻の兎"からは、謎に嫌われているってウィンドさんが言っていた気がする。

そして…正直、あたしは"幻の兎"が苦手だ。

何としても、あたしの所属ギルドはバレないようにしたいところ。


「でね…昨日、そのイブニングさんから直接、話しかけられちゃったのよー。もう、感激しちゃってー、大興奮よ。」

サウザントフェアリー愛から、イブニング愛に変わったわ。にしても…お姉ちゃんって、こんなキャラだったっけ?


「よ、よかったっすね。」

思わずゲーム内でよく使う"〜っすね"が出てしまった。


「イブニングさん…本当に私と同じ女子高校生なのかしら?あのカリスマ性を持った同年代…気になるわー。」

「お姉ちゃんも、なかなかのカリスマ性をお持ちですけどね。」

優秀な姉と何かと比べられる事が多いあたし。

少し前までは、ひねくれた性格になってしまっていた事を思い出す。


「私なんて全然よ…世の中には、もっと凄い人が沢山いるのよ。」

「はぁ…」

確かにイブニングさんは、凄いと思う。それは間違い無い。


「もし、お姉ちゃんが"幻の兎"の幹部になったら、咲華をギルドに招待しちゃうかもー。」

いやいや、招待しなくても良いです。そんなルールが沢山ありそうなギルドは嫌です。

「あたしは…今のギルドで満足しているから。」


「そうなんだ…ねぇ、所属ギルドくらい教えなさいよー。」

普通、ギルドと言えば10人〜100人くらいが多い。

伝えてもプレイヤー名までは分からないだろう。

でも…ウチのギルドは5人。


「じゃ、じゃぁ、ちょっとやる事があるから。」

慌てて手を振ると、あたしは逃げるようにして姉の部屋から飛び出した。

これ以上、突っ込まれるとブロッサムがバレてしまうわ。


ギルド"永遠の風"は、あたしの大切な居場所。

たとえお姉ちゃんであっても知られたくない…心地良い居場所が壊れてしまうのは…怖い。


"ピロン"


ゲームにログインすると、すでにウィンドさん、ムーンさん、ライトさんの3人が遊んでいた。


「ばんわっす!」

「ブロッサムさん、こんばんはー。」


やっぱり…グリーンさんは、来てないかぁ。

リアルが忙しくなっちゃったグリーンさんにとっても、このギルドは大切な場所の筈。

みんなで頑張って、残さないとね。

~~~~~~~


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