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【完結】風と月の永遠~サウザントフェアリー  作者: あんそに


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温度差〜翠

◇登場人物◇


ギルド”永遠の風”メンバー

一条風斗~ウインド ギルドマスター。男子高校生

三好月代~ムーン  女子高校生

佐竹咲華~ブロッサム 女子中学生

六角右京~ライト  社会人(営業職)

細川翠 ~グリーン 社会人(事務職)


ギルド”幻の兔”メンバー

尼子夕凪~イブニング ギルドマスター。女子高校生

津軽真琴~トゥルース 宰相。女子高校生

「ブロッサムさん!一旦、下がって!」

MP"マジックポイント"が減ったブロッサムさんを私は一旦、下がらせた。


「うっす!バーサクモード、限界っす!ウィンドさん、ライトさん、しばらくよろしくっす!」

「分かった!グリーンさん、ブロッサムさんを頼んだ!ライトさん、とりあえず防御中心に!」

ブロッサムさんは私の指示に返事を返し後退、マスターであるウィンドさんが防衛メインに作戦を移行させた。


「あー、やっぱり4人で、アルテメイトベアの相手はキツイな!」

ライトは弱音を吐きつつ、敵モンスターとの距離を空ける。


「我が敬愛なる妖精よ…彼の者に大いなる慈悲を…精神回復(メンタルリカバリー)!」

かざした両手から紫色の光が眩く煌めく。


「グリーンさん、あざっす!」


「ブロッサムさん待って!HP"ヒットポイント"の回復も!」

「大丈夫っす!敵のモンスター、だいぶ削ってるっす!回復する前に叩くっす!」

大きく手を振りながら、ブロッサムさんは再び前衛へと走り出した。


「もう、無茶しないでよ。仕方ないわねぇ。」

走り出したブロッサムさんに向かい、杖を真っ直ぐに伸ばす。


「我が敬愛なる妖精よ…彼の者に溢れる力の導きを…筋力増強(ストレングスアップ)!」

杖から放たれた赤い光がブロッサムさんを包む。


「わぉ!グリーンさん、パワーアップどうもっす!バーサクモード!」


「ふぅ…」

上級職"賢者"となった私は支援魔法を使えるようになった。

さっきブロッサムさんに使ったMPの回復と、STR"ストレングス"値の強化。

そのうちDEF"ディフェンス"値の強化等も可能になるのかな。

加えて魔法使い職時代のスキルも引き継いでいるので、反則級の強さじゃないかしら。


「うぉー!」「やったっす!」「よっしゃ!」

前衛から歓声が上がる。

どうやらアルテメイトベアを倒したようね。


「アイテム、ドロップだ!」

ライトの声を聞き、画面を見ると新しい防具が手に入った事が分かった。


「これは…魔導戦士向きの武具ね。」

鑑定した私は、みんなに伝えた。


「魔導戦士用っすか…今日もムーンさん、来ないっすね。」

「昨日も来なかったね…どうしちゃったのかな。」

ブロッサムさんとライトが心配の気持ちを伝える。


「ウィンドさん、何か聞いてない?」

「はい…何も聞いていないですね。」

うつむき気味に言うウィンドさん…やはり、心配なのね。


とりあえず、この防具はギルド所有のアイテムボックスへと収納した。


「頑張って疲れたし、今日は終わりましょうか。」

「そうっすね。」

終了を伝えたウィンドさん達に別れを告げる。


「ねぇ、ライト…ムーンさん、どうしちゃったのかな?」

隣に座る右京に話しかけた。


「うーん、リアル都合かなぁ?毎日、楽しそうにしていたと思うんだけど。」

右京も心当たりが無い様子。


「明日は来てくれると良いんだけどね。」

「翠も疲れただろ…今日は寝よう。」


「あ、そうだ…メッセージ、残しておくわ。」

右京に、そう伝えるとムーンさんにダイレクトメッセージを送り、すっとPCの電源を落とした。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


翌日、ログインするとムーンさんの姿があった。


「グリーンさん。こんばんわー。」

いたって普通の反応。

やっぱりリアル都合で二日間お休みだっただけかしら?


"ピロンッ"という音と共にダイレクトメッセージが届く。

ムーンさんから。


『心配かけちゃってごめんなさい。大丈夫ですので。』

ダイレクトメッセージ機能を使うと、他のギルドメンバーには読まれずに交流する事が出来る。

『何?リアルが忙しかった?』


『うーん、そういう訳じゃないんですけど…』

『何事も無理しちゃダメよ。』


『無理をしていると言うか…ちょっと居ずらくって。』

『ん?居ずらい。』


『あ、違うんです…何でも無いです。』

『ダメよ、誤魔化したら…ちゃんと言って。』


『えっとぉ…』

『ムーンさん!』


『あの…皆さんの会話について行けない時があって。』

『え?』


ムーンさんの、そのメッセージを見て、ハッと気づいた。


『あ、ごめんなさい…全然、気づかなくて。』

『いえ…私が悪いんです。こんな事で居ずらくなるなんて…』


ダメ…そんな事を言っちゃ。

ムーンさんは、あのオフ会に一人だけ来れなかった。

だから…リアルで会った時の事を前提に話す私たちの会話について行けなかったのね。

これは…私たちの配慮が足りなかったに他ならないわ。


『ごめんね…本当にごめんね…」

あ、ダメ…涙が溢れる。


「お、おい…翠、どうしたんだ?」

「あ、ごめん…ちょっと。」

そうね…ムーンさんとは、ダイレクトメッセージでやり取りしているから、右京はサッパリ分からないわね。


『あの、大丈夫ですので。私…今、高校生活も案外、楽しいな。って、思ってて。』

『優しいのね、ムーンさん。そうだ…明日って土曜日だよね。学校、休み?』


『はいー、休みですけど?』

『じゃぁ、会おうよ。私、そっちに行くから。』


『えー、わざわざ来るんですか?』

『名古屋なんて新幹線で、あっという間よ。名古屋駅まで来てくれる?』


『はい…大丈夫ですけど…本当ですか?」

『本当よ、12時で良いかな?』


『分かりました…行きますね。』

『ムーンさん、ありがとう。』


ムーンさんとのやり取りを終えて、ふーっと大きく息を吐いた。


「右京…明日、ちょっくら名古屋にまで行くわよ。」

「えー、明日は取引先とゴルフに行く予定が…」


何?ゴルフ?ギルドの一大事って時に、まったく…使えないわね。

まぁ、いいわ。女同志の方が話が弾むかも。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ごめんなさーい!新幹線が結構、埋まってて予定より一本、遅れちゃった。」

「えっと…どなたですか?」


しまったー!

白いワンピース姿の可憐な女性が待ち合わせ場所に立っていたから、てっきりムーンさんかと思ったー!


「す、すみません…人違いでした。多分…」

いやぁ、顔が真っ赤になっているに違いないわ。


体温が上昇している事を感じ、顔を手で仰いでいると背後から…声を掛けられた。


「あの…もしかして、グリーンさんですか?」

「あ、はい…そうです。」


「え?」


慌てて振り向くとジーンズ姿にショートカットの女の子が立っていた。

スポーティを絵に描いたような女の子だ。


まさか…??


「あの…ムーンです。」


なんと…この子がムーンさんか、想像とは全然違う。

でも、可愛い子ね。

美人というより、可愛い系。


「来てくれてありがとう、グリーンよ。」


「思っていた雰囲気と違いましたよね?」

笑いながら言うムーンさん。

そうか…この子、リアル自分とムーン自分とのギャップを気にしているのね。

そして、その事を誤魔化すかのように笑ってみせる。


「大丈夫…ブロッサムさんに会った時より全然、衝撃が少ないわ。」


「え?ブロッサムさん?」

「とりあえず…ランチに行きましょ。」


新幹線内で調べておいたお店にムーンさんを誘った。

まぁ、私が行きたくなったお店なんだけど…


「で、ブロッサムさんがどうしたのですか?」

注文した後、ムーンさんか問いかける。

「ふふふ…内緒だけどね…」

私はブロッサムさんのリアルが小柄な女子中学生である事を教えた。


「えーーーー!」

予想通りの良い反応。


ブロッサムさからは広げないで欲しいと言われていたけど、ギルド内で一人だけ知らないなんて、よく考えたら絶対にダメな事。

きっと、正直に私の気持ちを伝えたらブロッサムさんも分かってくれる筈。

事後承諾になるけど、ちゃんとバラしちゃった事は言わないとね。


「あの…ウィンドさんは、どんな方でしたか?」

あー、やっぱり気になっているのね。

正直に聞いてきて…本当、可愛い子。


「ウィンドさんは…普通…」

「え?普通!?」


「うん、思ったより普通の男子高校生だったわ。」

もしかしたら、ムーンさんはウィンドさんの事を白馬に乗った王子様のように思っているかもしれない。


だけど…ハードルが上がっていると、実際に会った時にショックを受けかねない…だから。正直に"普通の男子高校生"だと、自分の感想を伝えた。


「へー、良かった。」

「え?良かった?」

思いもよらないムーンさんの返答に驚いた。


「だって…私、イケメンだと話しづらくって。」

なるほど、それは私も同じね。

どうやらムーンさんは、自分に自信満々なタイプでは無いようね。

結構、可愛い方だと思うけど…

まぉ、普段のプレイスタイルを見ていれば分かるか。

このモンスターは私が倒す!って感じ、まったく無いもんね。


「え?お嬢様、こんな所に居たのですか!?」

ランチをしながら。楽しくムーンさんと会話を重ねていると昔、聞き慣れた声が横から聞こえた。


「あぁ…立花さん…」

~~~~~~~


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