文化祭〜夕凪
◇登場人物◇
ギルド”永遠の風”メンバー
一条風斗~ウインド ギルドマスター。男子高校生
三好月代~ムーン 女子高校生
佐竹咲華~ブロッサム 女子中学生
六角右京~ライト 社会人(営業職)
細川翠 ~グリーン 社会人(事務職)
ギルド”幻の兔”メンバー
尼子夕凪~イブニング ギルドマスター。女子高校生
津軽真琴~トゥルース 宰相。女子高校生
「さぁ〜って、文化祭だわ!」
文化祭…単なる学校行事だけど、楽しいわぁ〜、なんか青春って感じね!
例え楽しくなかったとしても楽しむのよ。
だって…そうしないと…
「夕凪、おはよー。」
「おはよ。」
今朝も可愛いわね、月代ちゃん。
思わず、抱きしめたくなるわぁ。
「もう、何だって隣のクラス同士で喫茶店になるのよ。」
あらら、怒っちゃってるの?
偶然だから仕方ないけだ…怒る月代ちゃんの顔も可愛いから、まぁ良いわね。
「違うでしょ…3組は純喫茶。私たちの4組はメイド喫茶よ。」
「ほぼ、一緒じゃないのぉ〜。」
ほっぺたを膨らませて怒る月代…ダメよ、朝から刺激が強すぎるわ。
抱きしめるだけじゃ、済まなくなるわよ。
「ふふふ…遊びに行くからね。」
「うん、私も。」
怒っていたかと思ったけど、すぐにご機嫌になったわ。
どうして、こんなにコロコロと気分が変わるのかしら?
不思議な子。
「風斗も給仕してくれるのかしら?」
「一応、全員が交代制で接客する事になってるけど…アイツは逃げそうね。」
「えー、風斗に接客して欲しいなー。」
「そう?美味しいコーヒーも不味くなりそうだけどな。」
うん、相変わらず月代ちゃんは風斗に対する評価が低いわね。どうして魅力が分からないのかしら?
「まぁ、いいわ。月代ちゃんに美味しいコーヒーを入れて貰うから。」
「それはコッチの台詞よ…って、私、コーヒーは甘くしないと飲めないのよねぇ。」
「じゃぁ、たっぷり、クリームを入れてあげるわね。」
「うん、お願いするわ。」
はい、月代ちゃん、素直〜。
さて、長い一日になりそうね。と考えながら、更衣室でメイド服へと着替える。
「尼子さん、カワイイー。」
「ありがと。」
可愛いと言われた時、否定してはならない。
ありがとう。と感謝を述べるのが正解。
この時、同じように相手を褒めるのも不正解。
相手によっては、嫌味に聞こえる場合がある。
簡潔に、ありがとう。という言葉だけを伝える。
勿論、笑顔を添えて。
「ほんと、メイド服が似合うわね。」
「うーん、なんだか恥ずかしいわぁ。」
うん、似合っているわね、私。さっき鏡を見たから言われなくても知ってるわよ。
メイド服って、一度、着てみたかったのよねー。
恥ずかしい?勿論、全然、恥ずかしくなんて無い。
早く、この姿を風斗と月代に見て貰いたいくらいだわ。
「では…開店しまーす♪」
クラス委員長の号令と共に入り口のドアが開いた。
あら、早速、私の親衛隊?の子が来たわね。
名前は分からないけど顔は分かるわ。
まぁ…相手してあげるかな。
「おかえりなさいませ、ご主人様。」
メイド喫茶っぽい台詞で歓迎してあげる。
にしても…ちょっと見すぎよ。
コーヒー代以外にもガン見料金も取ろうかしら?
「コーヒーお待たせしました。」
まったく…この姿は、君に見てもらうためじゃないのよ。
コーヒー飲んだら、早く帰ってね。
「夕凪、来たわよー。」
「あ、月代ちゃん、いらっしゃい。違った、お帰りなさい。今は休憩時間?」
開店から1時間くらいしてから月代ちゃんがやって来た。
私の休憩?という言葉に軽くうなずく。
「流石、似合ってるわねー。」
「ふふ、ありがと。」
月代ちゃんに似合っていると言われると、凄く嬉しい。
他の子に言われるのとは、まったく違うわ。
あ、でも…風斗に言われたら、どう感じるかな?月代ちゃんに言われるより、もっと嬉しく感じるかな?
想像しただけでゾクゾクしてしまうわ。
「おーい、夕凪ー?」
「あ、ごめんごめん。」
つい、妄想力が働いて自分の世界に入ってしまったわね。
「"ミルクたっぷりコーヒー"をお願いね。」
「はーい、甘々コーヒー、入りまーす♪」
月代ちゃんの為にコーヒーを入れる。なんて嬉しいひとときなのかしら。
「風斗と一緒に来なかったの?」
「いやいや、そんな訳ないでしょ。」
うん、二人並んで来て欲しかったけど、まだ無理ね。
「風斗は、ちゃんとやってる?」
「ちょっと…風斗の事ばかり聞きすぎよ。」
だって気になるんだから、仕方ないじゃない。
うーん。
「そりゃ…好きなんだから気になるでしょ。」
月代の耳元で、ささやいた。
「ちょっ。」
何故か顔を赤くする月代ちゃん。
その顔を見て、少し笑ってしまった。
「安心して、風斗は裏方に徹しているけど、ちゃんとやっているわよ。」
「そう、良かったわ…こっちに遊びに来てくれるかなぁ?」
「多分…来ないかと…」
「やっぱり?じゃぁ、私から会いに行くしか無いわね。」
そう伝えると月代ちゃんは、私から目を逸らした。
「尼子さーん、3番テーブルお願いしますー。」
「はーい。月代ちゃん、ゆっくりしていってね。」
もう、良いとこだったのに…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
文化祭の一日目が終わり、帰宅した。
風斗と月代のクラスの喫茶店に行ったけど、風斗は居なかった。
まったく…どこに行っちゃっていたのか。
にしても、沢山のお客さんが来て…疲れたわぁ。
「イブニング様…大変です。」
サウザントフェアリーにログインして早々、宰相のトゥルースに声を掛けられた。
「どうかした?上級職の件で何かあった?」
「いえ…その件では無く…」
トゥルースにしては、珍しく言葉を詰まらせている。
何か重要な事に違いないわ。
「いいのよ、はっきり言って。」
「はい、このゲームの外部掲示板に…イブニング様のお写真が…」
「え?何で?」
私は慌てて、スマホでこのゲームの外部掲示板に接続した。
何で?これ…今日のメイド喫茶の私じゃないの!
どうして、私の写真が掲示板に載っているのよ。
「それで…その写真は本当にイブニング様で?」
トゥルースの言葉に動揺を隠せない。
写真には"幻の兎、イブニングのリアル。"と書いてある。
どうしよう?
ねぇ、どうしたら良い?
誰か教えて…
「イブニング様…イブニング様。」
トゥルースの声で我に帰る。
「あ、ごめんなさい。」
「本当の写真なのですね…」
「トゥルース、どうしたら良い?私、どうしたら良い?」
「イブニング様、よく聞いてください。嘘だと言うのです。あの写真は私では無いと言い張るのです。」
トゥルースの言葉が、頭の中でグルグルと回る。
そうね…誰も本当の写真だとは分からない筈。
私が否定したら、何とかなるかもしれないわ。
「ありがとう、トゥルース…」
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