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【完結】風と月の永遠~サウザントフェアリー  作者: あんそに


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平穏~風斗

◇登場人物◇


ギルド”永遠の風”メンバー

一条風斗~ウインド ギルドマスター。男子高校生

三好月代~ムーン  女子高校生

佐竹咲華~ブロッサム 女子中学生

六角右京~ライト  社会人(営業職)

細川翠 ~グリーン 社会人(事務職)


ギルド”幻の兔”メンバー

尼子夕凪~イブニング ギルドマスター。女子高校生

津軽真琴~トゥルース 宰相。女子高校生 

あぁ、2学期の始まりかぁ。


憂鬱ゆうつだ。


トボトボと歩く学校への足取りは重い。


「よぉ、一条風斗いちじょうふうと。」

背後から俺の名前を呼ぶ声…この声は…アイツだな。


クラスメイトの水野みずの尼子夕凪あまこゆうな親衛隊の一員だ。


「お、おぅ…水野…元気か?」

”元気か?”なんて、まったく思ってもいなかった事を言葉にする。


「元気だ…お前も元気そうだな。」

いや、俺は元気じゃない。原因は水野…お前だ。

花火大会の日に偶然、俺と尼子が一緒に居るのを見たお前と、こうして学校で会う事が憂鬱の原因。


「夏休みの宿題、終わったか?」

まったくどうでも良い話を切り出す。勿論、尼子の事、あの花火大会の事を思い出させない為だ。


「終わったに決まっているじゃないか、それより…」

「そうか、凄いな…俺はまだ少し残っている。」

話を変えられそうになったので、慌てて宿題の話に戻した。」

水野とは、それほど仲が良いという訳じゃない。

わざわざ話しかけてくるというのには意味がある筈。


「お前…どうして尼子さんと一緒に花火大会に行ったんだ?」

やっぱりかー、忘れている訳ないよな。


「あー、あれだ。三好と一緒に行くのだったけど…ほら、あいつら友達だから尼子も一緒になったんだ。」

苦し紛れの弁解だな…


「そう言えば…あの時、三好月代みよしつきよも一緒に居たな。ん?何?お前?三好と付き合っているのか?」

急に水野の声が大きくなった。

周りを歩いていた生徒達が、こちらを見る。


「いやいや、付き合ってなんかない。」

少し大きめの声を出して、慌てて否定する。


尼子と付き合っていると思われるよりはマシか。とも一瞬思ったが、三好と付き合うなんて勘弁してくれという気持ちが先立った。

「三好は、単なる友達だ。」

改めて、付き合っていない事を、水野に伝えた。


「まさか…一条。尼子さんと付き合ってないよな?って、そんな訳が無いか。」

そう言うと急に、水野は笑い出した。


うん、なんか腹が立つ…尼子に告白されたと言ってやろうか。

ただ…あの時、尼子は”俺の事”も”三好の事”も好きって言っていた。

尼子の”好き”という感覚はもしかして俺の考える”好き”とは違うのかも知れない。

花火大会の後ずっと考えていたが、尼子の訳の分からない言葉が頭をよぎり、結論は出ないままだった。


「そんな訳ないだろ。」

こう言えば水野は…尼子親衛隊共も安心するだろう。

要らない波風を立てずに平穏な高校生活を送る。それが俺の望みだ。


「風斗、おはよう。」

「あぁ、おはよう。」

教室に着くと、ぶっきらぼうに三好と挨拶を交わした。

隣の席なのだから、挨拶を交わさない方がおかしいか。


にしても三好は、あの花火大会の時の事をどう考えているのだろうか?

尼子は俺と三好が付き合う事を望んでいた。

そして、俺と尼子が付き合う事も望んでいた。

うん、やはり訳が分からないな。

「はぁ。」


「どうしたのよ?朝からため息なんてついて。風斗に悩み事なんてあるの?」

いやいや、三好は一体、俺の事を何だと思っているんだ?


「そうだ…三好は花火大会の後、尼子に会ってたのか?」

大した意味は無いが…なんとなく、質問してみた。


「うん、何回か一緒に遊んだわよ。あと宿題も手伝って貰った。」

「そうか…特に気になった訳じゃないけど…普通なんだな。」


「あー、私も考える事があったけど、まったくそんな話にならないし、いつも通りだったのよ。」

「あれは…一体、何だったんだろうな?」


「あの後、私も色々と考えたけど分からなかったわ。ただ…もしかしたらだけど、夕凪は私達3人で居る時は、幼馴染として一緒に遊んだ時のままの感覚なのかも?って思ったの。」

「幼馴染として…あの頃のままの感覚か。」


そうなると…もしかして、尼子が考える”好き”は子供が感じる”好き”なのではないだろうか?

子供同士の”好き”が恋愛感情では無いとは言い切れないが…おままごと的な?


「あまり深く考えない方が良いんじゃない?風斗が夕凪と付き合うなんて有り得ないし。」

「まぁ、それは分かるが…」

学年1位2位を争う美人の尼子、三好にそう言われるのは当然だとは自覚している。


「普通にしましょ。」

「あぁ、そうだな。」

少し引っかかる部分は残っていたが、ギクシャクしたくも無かったので気にしない事にした。


~~~~~~


2学期が始まってから、しばらく経った。


三好が言った通り普通にしているが、尼子の態度も…いたって普通だった。

あの花火大会の日の告白は一体、何だったのだろうか?

もしかして、俺は夢でも見ていたのだろうか?

そんな気持ちにさえなる。


まぁ、いい。

尼子親衛隊に目を付けられず、平穏な生活は送れているのだから。


それよりも、どうやって効率よくレベル上げを行えるかだ。


オンラインゲーム”サウザントフェアリー”にて、俺は仲間のブロッサムさんと共に上級職へと転職した。

あとはムーンさん、グリーンさん、ライトさんに転職して貰わないと。


「あぁ、ムーンさん…夏休みが明けてイン率が下がっちゃったからなぁ」

「ん?何?風斗?」

隣に座る三好が返事をする。


「いや、独り言だから。気にしないで。」

「そう?なんか呼ばれた気がしたけど…気のせいかしら。」

2学期になり、席替えをしたが…何故かまた三好とは隣の席になった。

2回連続で隣になる確率はかなり低そうだな。


「呼んでないから安心してくれ。」

「なら良いけど。」

俺はムーンさんの事を考えていたのであって、三好には関係が無い事だ。


そうそう、もっと短時間で経験値を稼げるような効率が良い場所を探すかだな。

それなりに強い敵と戦う必要があるけど、多少のリスクは背負うべきだろう。


今夜、ライトさん、グリーンさんと相談してみるか。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「うっす!大変っす!」

ゲームにログインすると、いきなりブロッサムさんが声を荒げている。


「ブロッサムさん、どうかした?」

「ウィンドさん、上級職が増えたっす。」


「え?どういう事???」

「”幻の兔”のエース級の人が狂戦士バーサーカーになった。って噂で持ち切りっす!」


「イブニングさん、ギルド内に情報を解放したか。」

「そうに違いないっす!これから上級職が増えていくっすね!」


「あぁ、”幻の兔”がさらに強くなるな。他のみんなは、まだログインしてない?」

「うっす、ムーンさんも、まだのようっす!」


上級職への転職者が増えると、おそらく運営側も情報を解禁するだろう。

うーん、なんか嫌な予感がする。


「ゲームバランスが崩れなければ良いんだけど…」

「ん?どういう事っすか?」


「上級職のプレイヤーが増えると通常職のままのプレイヤーが、やる気が失せる。特に初心者には入りずらい状態になるかと。」

「それは…そうっすね。でも、どんなゲームでもある事じゃないっすか?」


「このゲームは人気があって、まだまだ初心者が増えている状態だからね。通常職でも強くなる武器とかを出してくる可能性があるかな。」

「なるほどっすね、初心者保護っすか。」


「まぁ、もう少し先の話かな。」

「とにかく、ライトさんたちにも早く上級職になって貰うっすね。」


「あぁ、経験値の獲得を早める為に、もう少しレベルの高い場所で戦おう。」

「分かったっす!ボク、頑張るっす!」


俺の予感は当たり、しばらくして通常職のみ強くなるアイテム等が出てくる事になる。

~~~~~~~


しばらくお休みしていました。

次の更新も少し間が空くかもしれませんが、よろしくお願いします。

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