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【完結】風と月の永遠~サウザントフェアリー  作者: あんそに


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花火大会〜月代

◇登場人物◇


ギルド”永遠の風”メンバー

一条風斗~ウインド ギルドマスター。男子高校生

三好月代~ムーン  女子高校生

佐竹咲華~ブロッサム 女子中学生

六角右京~ライト  社会人(営業職)

細川翠 ~グリーン 社会人(事務職)


ギルド”幻の兔”メンバー

尼子夕凪~イブニング ギルドマスター。女子高校生

津軽真琴~トゥルース 宰相。女子高校生

「あー、食べ過ぎたわ。」

屋台、楽しすぎ。


辛めのもの食べたら、甘めのものが食べたくなるし…もう、エンドレスよ。


「ちょっと、月代(つきよ)ちゃん、太るわよ…」

「大丈夫よ、動けば。」

って、そういえば最近はオンラインゲームばかりしてて動いていないわね…ちょっと、ヤバいかも。


風斗(ふうと)、ほら…これ食べて。」

「お前…いくら何でも買いすぎだろ…」

すでに荷物持ち係となっている風斗が文句を言う。


違うよ、私は心が広いの。


夕凪(ゆうな)と風斗の分も買ってあげたのよ。」

「月代ちゃんが、アレもコレも食べたかっただけでしょ。」

ダメだわ、しっかりバレてるわ…流石、夕凪。人の心が読めるのね。


「もう、陸上部ヤメたんだから、食べ過ぎ注意よ。」

そうね、夕凪の言う通りだわ。

中学校の時は走りまくってたから、食べる事を控える必要なんて考えた事、無かったけど…もう今は違うのね。

「うん…そうね。」


私が素直に言うと夕凪も風斗も静かになった。

すると、夏祭りの騒がしさが、とても大きく聞こえるように感じた。


「あ、ごめん…」

夕凪が謝る。

「少しくらい太っても大丈夫だろ。」

風斗は、まったくデリカシーもいうものが無いわ。

やっぱりイラつくわね、コイツは。


「夕凪、大丈夫よー。さ、花火大会の場所取りに行こっ。」

夕凪の手を取って、歩き出した。

「うん、月代ちゃんのそういうとこ、好き。」


まぁね、もう陸上は諦めたから…それよりも今のこの日を、この時間を大事にしないとね。


少し暗くなり始めた夏の夕方。

高校一年の今日は、もう二度と帰って来ない。

全力で楽しまないとっ。


「夕凪ちゃーん、夕凪ちゃんも来てたの!」

夕凪のクラスメイトかな?

さっきから知らない子達が夕凪に話しかけてくる。

美人で明るく頭の良い夕凪は、きっとクラスでも人気なんだろう。


私も、クラスメイト、陸上部時代の子や中学校の時の友達、何人かと挨拶を交わした。

が…隣を歩く風斗は…


「風斗…もしかして友達、居ない?」

「失礼な、少し居るわ。」

ほー、少しは居るのね、自分で"少し"と自白した謙虚さは認めてあげるわ。


「あー、さっきの…バスで会った水野君とか?」

「あれは違う…単なる防衛対象だ。」

うん、何を言っているのか、さっぱり分からないわ。


「そういえば風斗、クラスでもあんまり喋ってないわよね。」

「俺の友達は…その…遠くに居るんだ。」


「へー、ずっと地元を離れた事ないクセに…どんな人?」

「えっとだな…高校生に中学生に、あと社会人が2人だ。」

何?風斗…妄想の友達??


「あ、そう…まぁ、仲良くね。」

「おう…」

何か危険を感じたわ…絶対に触れてはいけないヤツに違いないわ。


「風斗、月代ちゃん、この辺、どうかしら?多分、あっちから沢山打ち上がるから、こういったアングルで。」

「うん、いいよ。」

「あー。あまり人が居なくて良いな。」


風斗が言ったように、そこは本会場から少し離れた場所だった。

ゆっくり出来て良いかも。


「これ…食べちゃおうか。」

「そうね。」

夕焼けが広がる中、3人でパックに入った焼きそばとかを、つつき合って食べていると、なんだか小学生の頃を思い出す。


「楽しいね。」

夕凪が笑みを浮かべながら言う。ほんと楽しい。

「昔を思い出すな。」

「昔の事を思い出すなら、私達の事を下の名前で呼んでよ。」

風斗に無茶振りをする夕凪。


「そういえば、私の事も昔は月代って呼んでたわね。いつから三好になったのよ。」

「高校生なんだから…当然だろ。」


「何?その謎ルールわ。私の事も夕凪で良いのよ。」

夕凪が言うも、風斗はまったく目を合わせずに答える。

「無理だろ…恋人同士でも無いのに。」


あら、風斗にもそういう事を考える事があるのね。


「私…風斗から夕凪って呼ばれたいわ。」

「だから…彼女でも無いのに呼ばないって。」


「だから…風斗の彼女になりたいんだって。」

ん?待って…これは告白??


風斗は沈黙となり、静かさが広がった。

え?真面目な話なの?私…ここに居ていいの?


「あ、私…ちょっと向こうに行ってるわね。」

顔が熱くなってきたわ…ここは気を遣わないと。


「月代ちゃん、待って。」

「え?でも…私…」

立ち止まりつつ、風斗の顔を覗き込む。

うん、明らかにフリーズしているわ…絶対に免疫が無いわね。


「私、月代ちゃんの事も好きなの。月代ちゃんともお付き合いしたいの。」

「え?」

何?私とお付き合い?男の子っぽいって言われた事、あるけど夕凪、一応、私も女なのよ…

これは…風斗の心配をしている場合じゃないわ。


「待って、夕凪…風斗の事も、私の事も好き…って事?」

少ない知能をフル回転させて出した答えが合っているかを尋ねた。


「うん、ずっと2人の事が好きだったの。風斗も月代ちゃんも同じくらい好き。」

これは…冗談を言っている顔じゃないわね。

困ったわ…どうしたら良いの?風斗は…ダメだわ、まだ固まったままだわ。


「えっと…夕凪は、どうしたいの?」

思い切って口にすると、夕凪はしばらく時間を空けた後に答えた。


「月代ちゃんと風斗も付き合って欲しいの。そして、常に3人でデートをするのよ。ほら、想像してみて楽しいでしょ。」

急に笑顔になって早口気味に話す夕凪。


「え?私と風斗が付き合う?」

「うん、あ…でも、月代ちゃんは私とも付き合うのよ。」

少し前から、もしかして夕凪ってば、おかしな事を言うよね。と思っていたけど…間違いじゃなかったって事ね。


「えっと…本気?」

「本気の本気よ。」

冗談を言っている感じでは無かったけど…やっぱり本気なのね。


「風斗、ちょっと風斗…戻ってきて。」

私は頭の中が混乱しすぎて、風斗に助けを求めた。


「あ、あぁ…聞いてた。」

どう見ても魂が抜けているわよ…風斗。


「でも…やっぱり風斗と付き合うのは難しいわ。」

間の抜けた風斗の顔を見て、我に帰る事が出来た。


「こっちも三好となんか、嫌だわ。」

えー、告白もしていないのにフラれたわ…風斗なんかに。


二人が言い合うと、夕凪が急に泣き始めた。


「え?ちょっと…夕凪。」

顔を隠しながら静かに泣く夕凪。


「お、おい…泣くなよ。」

風斗もオロオロとしながら、夕凪のフォローをする。


「じゃぁ、付き合わない!月代ちゃんと風斗が付き合わないって言うなら、私も風斗と付き合わない!」

隠していた顔を上げて、急に叫び出す夕凪。


「え?おれ?今、俺…フラれた?」

うん、よく分かんないけど、フラれたわね風斗。

ちょっと可哀想な気がして来たわ。


すると…


ドーーーン!

大きな音と共に花火大会が始まった。


「わぁー、綺麗ねー。」

テンションが高かった夕凪の声が元に戻った。


ドーン!

ドドドドーーン!


大きく美しい花火が大きな音と共に夜空に広がる。

「ねー、風斗、月代ちゃん、花火、綺麗ねー。」


「あ、あぁ。」

「うん、綺麗ね。」

風斗と共に夕凪の顔を見ながら伝え合う。


「おぃ…三好、俺、尼子の事がよく分からないんだ…」

小声で語りかける風斗。

「うん…私も分からないわ…」

風斗に、そう返すと…不思議な気持ちになりながら花火と夕凪を見つめ続けた。

~~~~~~~


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