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【完結】風と月の永遠~サウザントフェアリー  作者: あんそに


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思い〜月代

◇登場人物◇


ギルド”永遠の風”メンバー

一条風斗~ウインド ギルドマスター。男子高校生

三好月代~ムーン  女子高校生

佐竹咲華~ブロッサム 女子中学生

六角右京~ライト  社会人(営業職)


ギルド”幻の兔”メンバー

尼子夕凪~イブニング ギルドマスター。女子高校生

津軽真琴~トゥルース 宰相。女子高校生

細川翠 ~グリーン  風の将軍。社会人(事務職)

「先生、おはようございます!」

「三好…お前、元気が良いな…、そんなに補習が楽しいのか?」


「楽しい訳…無いじゃないですか。」

「そうか、てっきりお前が勉強に目覚めたのかと思ったぞ…残念だ。」


夏休み…だけど、今日は補習で学校に来ていた。

赤点を取った数学の補習。まぁ、数学だけで済んだのは夕凪と風斗のおかげね。

「あぁ…夕凪(ゆうな)は遊んでいるのかなぁ。あの子の事だから家で本でも読んでいそうだけど。」


"ピコッ"

『ねぇ、月代(つきよ)ちゃんの補習が終わったら、岐阜の温泉に行こうよ。』

ぼーっとしながら補習を受けていると、夕凪からメッセージが届いた。


おぉぉぉ温泉!夏の温泉かぁ~、露天風呂よね!いいわね。

さては…夕凪ってば、夏休みを満喫する気ね♪


『温泉、良いねー。私、温泉、大好き!』

速攻で、メッセージを返した後に気が付いた…あ、ちょっと待って、夕凪、間違っているわよ。

ここは、風斗(ふうと)も居るチャットルームよ。


慌てて、間違えている事を伝えたのに、夕凪は間違っていないという。

「え?」…どうして風斗も誘って温泉旅行に行かないといけないのよ。


「おい…三好、補習中にスマートフォンとは、良い度胸しているな。」

しまったー、さっきの「え?」が口から洩れていたわー


「はい、先生!度胸は陸上部で鍛えました!」

微笑みかける私に対して、ピクピクと頬を揺らす数学の先生。

背筋に冷たいものが走り、額からは冷や汗が流れた。

『あちゃー、やっちゃったか。』

と、心の中でつぶやく。


「あはははは。」


「スマホ…預かるから、終わったら取りに来なさい。」

「あ…はい…」


しまったわ、夕凪との温泉のやり取りが途中になっちゃったじゃない。

風斗が来るなんて事になったら、どうするのよ。


夕凪と二人で行って貰おうかしら…って、ダメよ!男はみんな野獣なのよ…テレビで見た事があるわ。

二人きりになんてしちゃったら、夕凪が大変な事になっちゃうじゃないの!


にしても、最近の夕凪は、ちょっとおかしいわね。

この前もプールに風斗を誘ったし、意味深な言葉も発していたし。


”夕凪が風斗の事を好きかも?”なんて仮説を立てた事があったけど、もしかして本当に?

だとしたら、二人きりにさせてあげるべきかしら?

でも…夕凪が風斗と付き合う事になっちゃったら…あぁ、勿体ないわ。あんなに可愛い夕凪が根暗な風斗なんかと…


「おい…三好、突然、首を横に振って、大丈夫か?この問題、そんなに難しいか?」

しまったわー、気づかないうちに首を振りまくっていたわー。


「あ、いえ…ちょっと、肩が凝っちゃって…あはははは。」

「まだ、そんなに時間、経ってないだろ…おかしな奴だな。」


違うの先生…おかしなのは夕凪の言動なの。

まるで私がおかしな子みたいになっちゃっているじゃないの。


まったく…夕凪のおかげで。,

って、違うわ!夕凪は悪くないわ。そうよ、悪いのは風斗よ、風斗が悪いのよ。


あれ?そういえば、風斗って好きな子が居るんじゃなかったっけ?

風斗の事を頭に思い浮かべたら、以前、風斗に相談された事を思い出した。

忘れかけてたけど。

確か、出会い系で知り合った人って言っていたわね…


出会い系で知り合った子と、風斗が仲良くなっている?

待って、落ち着いて…風斗がモテる訳ないじゃない。

そうか、その子に(だま)されているのだわ。何?お金?お金を騙し取られるの?

『親が入院する事になって、お金が必要なの…シクシク』

って言われるヤツね、この前、テレビで見たわ。


大丈夫なのかしら?

まぁ、いいわ、風斗の事なんて心配するだけ時間の無駄よ。


でも…騙されてお金を取られちゃうなんて悲しいわね。

あんなのだって一応、私の幼馴染な訳だし…クラスメイトだし。

そうね、クラスメイトよ!級友には親切にしなくちゃダメだわ!


「ど、どうした三好…急にガッツポーズなんかして…」

「あ…」

キャー、しまったわ。私ったらいつの間にガッツポーズなんてした??

私の顔、真っ赤になっちゃってるわね…なんだか顔が熱いもの。


「気でも違えたか?保健室に行くか?」

先生の問い掛けに一緒に補習を受けている子達が失笑している事が分かる。

クククって…いいのよ、もう思いっきり笑ってもらった方が気分が良いわ。


「先生の教え方が良くって…その、問題が分かって思わずガッツポーズしちゃいました!」

なんて素晴らしい返答かしら?もしかして、私って天才?


「いや…こんな初歩的な問題が分かったぐらいで、ガッツポーズをされてもな…」

少しでも自分の事を天才だと思った私は、やっぱり馬鹿だったわ。

仕方ないじゃない、中学校の時はずっと頭の中、陸上競技の事で一杯だったんだから。


「三好、もう少し…落ち着いて補習を受けなさい。」

「はい…」

夕凪の片思いも風斗が騙されている事も、頭から切り離して、その後は補習を受けた。


~~~~~~~~~~~~~~


「よし、終わったー。先生、スマホを返してください。」

先生から手渡されたスマホを急いで見る。


あれ?…温泉旅行の話、まったく進んでいないじゃないの。

夕凪の問い掛けに既読はついているみたいだけど、風斗の返事が無いまま止まっているわ。

めっちゃ気になっていたのに、なんて事…


「はぁ…なんか一気に疲れが来たわ。」


「三好…そんなに頑張っていたのか。」

補習に疲れた訳じゃないけど、まぁいいわ…先生には私が頑張って補習を受けたと思って貰っておこう。


さてと…家に帰ってゲームしよ。

陸上部の練習風景を見たくなかった私は、わざと遠回りして帰宅を急いだ。


家に帰る前にお昼ご飯を買わなくっちゃね。

コンビニの前に立つと入口にポスターが貼ってあった。


あー、もう夏祭りの時期かー。

花火大会も良いわねぇ、夕凪を誘ってみようかな。

でも…夕凪を誘ったら、風斗も誘いそうね。


うーん、夕凪の風斗に対する片思い、応援すべきなのかしら?

風斗が出会い系の子に騙されている事も、教えてあげるべきかな?

どちらも、まだ確定じゃないから、もう少し様子を見てからでもいっか。


「うーん、うーん…」

「あのぉ…すみません、どうかされましたか?具合でも…?」

え?コンビニの店員さん?

心配そうに話しかけられてしまったわ。


「あ、何でもないです。大丈夫です。あははは。」

いつの間にかコンビニの前で唸っていたのね、今日はこんなのばかりだわぁ。


『夕凪、温泉旅行はどうなった?無くなったなら、花火大会に行くのも良いんじゃない?』

アレコレ考えるのも面倒になったので、家に帰ってから夕凪にLIMEしてみた。


さて、お昼ご飯にしよ♪

コンビニで買って来たパスタを食べながらPCを開いた。


夏休みだから、ウインドさんもログインしているかな?


ギルドメンバー、誰も居ないわねぇ。

確か、ブロッサムさんも学生さんだったと思うけど…部活とかかな?


まぁ、いいか…頑張ってレベル上げしよ。


「えい、フレイムバースト!」

最近、やっと覚えた上級火魔法、レベルを上げて、もっと色んな魔法を覚えないとっ。

上級魔法を覚える事が出来たけど、まだ一つ…もっと色んな上級火魔法があるハズだわ。


グリーンさんも戻ってくる気配は無いし、私が少しでもギルドの役に立てば…


「ムーンさん、こんばんわ。」

「ライトさん、こんばんわ。」


いつの間にか夕方になっていたようね。

ライトさんは社会人だから、平日の日中はログインしていない。

イベントは夜から始まるから問題ないけど。


「ムーンさん、お久しぶり♪」

「あぁぁぁぁ~グリーーンさーーーん!」

突然のグリーンさんの登場に私の音声入力がおかしな事になった。


「あ、会いたかったですー。」

「フフフ…私もよ。」

1カ月ぶりくらいかな?グリーンさんとお話をするのは。


アバターであるムーンを動かして、私はグリーンさんにハグをした。

うん…嬉しい。めっちゃ嬉しい。


リアルでは会った事も話した事も無い、まったく面識が無いグリーンさん。

どうして、こんなに愛おしく感じるのかな?

どうして、こんなに嬉しいのかな?


「永遠の風に戻って来てくれたのですか?」

「イベント中にギルド移動するのはマナー違反だから、終わってからね。あとちゃんと、あっちのギルドに筋を通さないといけないから。」

まだ戻って来てくれない事を伝えられたけど、嬉しい…


「待ってます!首をキリンのように長くして待ってます!」

「キリンって…ムーンさん、面白い事を言うわね。」

私はPCの前で涙を流している事に気づいた。

~~~~~~~


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