巨大プール~夕凪
◇登場人物◇
ギルド”永遠の風”メンバー
一条風斗~ウインド ギルドマスター。男子高校生
三好月代~ムーン 女子高校生
佐竹咲華~ブロッサム 女子中学生
六角右京~ライト 社会人(営業職)
ギルド”幻の兔”メンバー
尼子夕凪~イブニング ギルドマスター。女子高校生
津軽真琴~トゥルース 宰相。女子高校生
細川翠 ~グリーン 風の将軍。社会人(事務職)
「ひゃっほーい、プールよプール…水着よー。月代ちゃんの水着姿よー」
なんて…独り言を言っている場合では無いわね。
風斗が勘違いで恋をしている出会い系サイトの女の子…絶対にブスに違いないわ。
このプールイベントで目を覚まさせて月代ちゃんと私に目を向けさせないと。
うん、絶対に出来る。
だって、オンラインゲーム”サウザントフェアリー”のライバルギルド”永遠の風”のエース、グリーンさえ引き抜きに成功した私だもの、私が望む事は何だって出来るわ。出来る筈よ。
まぁ、ほとんど宰相の”トゥルース”の成果だけどっ♪
にしてもトゥルースったら、どういった技を使ったのかしら?掴みところが無くって、扱いにくい部分もあるけど、優秀な参謀である事に間違いないわ。
とりあえず…今日はプールよ!
先週、一緒に買いに行った水着…あぁ、月代ちゃんの水着姿…試着室で見ただけでも鼻血モノだったわ。
あー、出血多量で今日が命日になってしまわないか心配ね。
あと、風斗の水着姿も楽しみ…筋肉質じゃないのは分かってるけど、大丈夫。私、マッチョ系は苦手だから♪
「あ、月代ちゃん、おはよー。」
「夕凪、おはよー。」
集合場所の最寄り駅、集合時間の30分前に到着してしまった。
興奮のあまり、昨日は寝れなかったし。
まぁ、良いわ。今日で私のバラ色の将来が決まるのよ…楽しみで仕方ないわ。
「おぅ、おはよう。」
若干、遅れて来た風斗…そうね、ヒーローは遅れて登場するものだわ。
流石よ…流石、風斗は分かってる。
「風斗君、おはよー。あ。寝ぐせついてるわよ。」
私が手櫛で治そうとすると、風斗は嫌がった…ほんと、恥ずかしがり屋さんね。
「さぁ、行きましょ。時間がかかるわ。」
隣の県にある複合遊園地。その一角にある流れるプール、昔、家族で行った事があるけど高校生になってからは初めて。
しかも大好きな月代ちゃんと風斗と行けるなんて、まるで天国への道しるべよ。
ダメダメ、妄想で天国に旅立つ前に実際にプールに行かないとっ。
月代ちゃんの手を引いて私はいつもと違う電車へと飛び乗った。
「あ、ちょっと…風斗、早く乗って。」
月代ちゃんの声がホームに響いた。
あら、いけないわ…あやうく風斗を置いていっちゃうところだったわ。
にしても…風斗は眠そうな顔をしているわね。
また、遅くまで出会い系サイトでも見ていたのかしら?
まったく…こんなに可愛い私と月代ちゃんが近くにいるのに、どうして気付かないのなぁ?
「ニブいわねぇ~、ニブちんよ!」
「え?どうしたの?夕凪?」
おっと、あぶないあぶない。思わず、心の声が漏れてしまったわ。
電車に揺られること20分、目的地である複合施設に到着した。
「見て!夕凪、ジェットコースターよ!凄いわ!立って乗るタイプよ!」
月代ちゃん、違うわよ…今日は遊園地じゃなくてプールが目的地よ。
「あぁ…ジェットコースターが逆さまを向いてる。見るだけで吐き気が。」
風斗、大丈夫よ…今日はジェットコースターには乗らないから…プールが目的だから、気持ち悪がらなくても大丈夫、むしろ気持ちが良い筈よ。
あ…でも、ジェットコースターに乗って気分が悪くなった風斗を介抱するってのも良いわね。
そうね、膝枕が良いわね、頭を撫でながら、よしよししてあげるわ♪
「夕凪、聞いてる?」
「え?何?」
愛しの月代ちゃんの声が遠くから聞こえると思ったら、わずか距離30cm…びっくりよ。
「割引券、持っているのよね?」
あー、そうだった。親のコネを最大限に利用して獲得したプールの割引券を持っていたのだったわ。
「うん、持ってるわよー。ほら、風斗、早くおいで。」
この期に及んで往生際が悪いわね、風斗…早く歩きなさい。
「じゃぁ、私達はこっちだから?」
「風斗も一緒に、こっちに来る?」
月代の台詞に思わず悪ノリしてしまったわ。まぁ本当に来る訳がないから安心だけど。安心安全な男子高校生、それが風斗よ。
「おい、俺が女子更衣室なんて行ったら逮捕されるだろ!」
うん、そうよね…紳士な風斗が誘われたからといって、女子更衣室に来る訳がないわね、そこが風斗が他の男子とは違うところ。
「こっちに来たらコロスわよ…」
あら、月代ちゃんったら物騒ね、別に良いじゃない…将来の私達の夫に裸を見られるくらい。
「ちょっと、夕凪…その水着、大胆すぎない?」
「そう?このぐらい普通じゃないかしら?」
月代ちゃんったら大袈裟ね。
「月代ちゃんも…その水着、可愛いわよ…風斗もイチコロね。」
「ちょっ…どうして風斗をイチコロにする必要があるのよ。そもそも私の胸じゃ無理だわ。」
うーん、確かに月代ちゃんは発育途中ね、大丈夫よまだ高一だから、そのうち発育するわ…たぶんだけど。
「おぅ。」
先に更衣室から出ていた風斗が声をかけてきた。
けど…完全に目を合わせない…可愛いわ。この可愛さがポイント高いのよ。
「ちょっと、風斗!夕凪の胸元を見すぎよ!」
「見てねぇよ!」
良いのよ月代ちゃん、将来の旦那様にはいくら見て貰っても構わないわ。
良いのよ風斗、じっくり見て貰っても、あ、でもこの胸は月代ちゃんの物でもあるから、独り占めはダメよ。
「ふふふ…二人とも、面白いわね、さっ、行きましょ。」
私が戦陣を切って歩き始めると背後から声が聞こえる。
「面白いのは風斗が鼻の下を伸ばした顔だけよ。」
「鼻なんて伸ばして無いわ、これは生まれつきの顔だ。」
うーん、仲が良い事で♪
「あら、生まれながらに鼻の下を伸ばしているなのて…なんて不幸なのかしら。」
「大丈夫だ、これでも幸せに生きているから。」
「はいはい、本当、二人とも仲が良いわね。まずは流れるプールに入るわよ。二人とも私から離れないでね。」
月代ちゃんと風斗がいちゃついているのを制しながら私は二人を誘導した。
「仲が良い?夕凪、あんた…なんか勘違いしてないかしら?」
「ん?大丈夫よ月代、ちゃんと分かってるわ。」
流れるプール…流石にこの地方で大人気のプールね。
巨大であっても、まるで流れる人よ…水の部分より人の部分が多いわ。
これで平日なのだから、土日だと一体、どうなってしまうのかしら?きっと酸欠になって浮かんでしまうわね。
「風斗ー、はぐれちゃうわよ、もっと近くに寄ってー。」
私が呼びかけると不機嫌そうな顔をして近づく風斗。
「ちょ、どこ触ってんのよ!」
あら、月代ちゃんったら、風斗にどこを触られてしまったの?
未来の旦那様なのだから、ちょっとくらい良いじゃない…なんなら私も触っちゃって良いのよ…風斗。
「肘が当たっただけだろ、人が多いんだから我慢しろ。」
「わざとでしょ…風斗、わざと私の胸に肘を押し当てたに違いないわ、この変態。」
「違うに決まってるだろ!お前の胸に押し当てるくらいなら…」
「ちょっと、どういう事よ!私の胸に肘を当てるくらいなら、夕凪の胸を選ぶって言うの!?」
あらら…いつの間にか夫婦喧嘩が始まってしまったわ。
ダメよ、将来3人で結婚して暮らすんだから、今のウチから夫婦喧嘩なんてしてたら一生、夫婦喧嘩が終わらないわ。
「あら、風斗ったら…女性の胸に興味があるのね、まぁ思春期だから仕方ないわね、良いわ…私の胸を触っちゃって。」
「ちょっと、夕凪、ダメよ!」
月代ちゃん、ヤキモチなんて焼いちゃって可愛いんだから。あ…風斗の顔も真っ赤だわ。
何かしら、この可愛い二つの生き物わ。
「風斗になら…触って貰っても良いわよ。」
ニヤリと笑いながら風斗の顔を眺める私。
案の定、風斗は顔を真っ赤にしながら目を逸らした。
「ダメよ…そんな事を言って甘やかしたら!」
恥ずかしそうな風斗と比べ、怒り口調で言う月代ちゃん…あぁヤキモチね、もうヤキモチを焼きまくりだわ。
大丈夫よ、私の胸は二つあるわ…そうだわ、神様が二つ用意してくれたのよ。
一つは風斗、そしてもう一つは月代ちゃんの為に違いないわ…
うん、月代ちゃん…安心して大丈夫よ。
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