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【完結】風と月の永遠~サウザントフェアリー  作者: あんそに


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妹探し〜月代

◇登場人物◇


ギルド”永遠の風”メンバー


一条風斗~ウインド ギルドマスター。男子高校生

三好月代~ムーン  女子高校生

佐竹咲華~ブロッサム 女子中学生

右京~ライト 社会人(営業職)

翠~グリーン 社会人(事務職)


ギルド”幻の兔”メンバー


尼子夕凪~イブニング ギルドマスター。女子高校生

津軽真琴~トゥルース 宰相。女子高校生

「嫌よ!絶対に帰らないわ。」

テンポロスの森で見つけたツリーハウスの中に居た”妹フェアリー”が、声を掛けたウインドさんに向かい叫んだ。

流石のウインドさんも言葉を続ける事が出来なくなっているわ。


「"お母さんフェアリー"が心配してたっすよ。」

ウインドさんに代わり、ブロッサムさんが言葉を引き継ぐも彼女は首を横に振るだけだった。


隣に居た一緒に駆け落ちしたと思われる"鳥"が優しく声を掛けた。

「デルミュア…僕も一度、帰った方が良いと思うよ。」

「サーシス…どうして、そんな事を言うの?一緒に居てくれるって言ったじゃない!」

この会話から、今回の捜索ターゲットである"妹フェアリー"の名前がテルミュアで、彼女が愛する"鳥"の名前がサーシスだという事が分かった。


困り顔になる"鳥"サーシス。鳥界のイケメンがどういった基準なのかは分からないけど、確かにシュッとした顔立ちでどこか気品を感じる。

テルミュアは、この気高く、優しい雰囲気が気に入ったのかもしれないわね。


「サーシスの方は帰った方が良いと思っているようだけど、テルミュアは帰る気が無いようね。帰りたくなるような、何かキーワードみたいな台詞が、あるのじゃないかしら?」

「あぁ…”妹フェアリー”の心を掴むような台詞を伝える必要があるのだと思う。」

グリーンさんとライトさんが言うには、心を掴むようなキーワードを伝える必要があるらしい。

ギルド"幻の兎"の宰相…確かトゥルースって名乗っていたわね。

あの人は、どうやってこの()を説き伏せたのかしら。


「テルミュアさん、あなたはサーシスさんとどうなりたいの?」

「勿論、結婚して…ずっと一緒に暮らすのよ。」

私の問いに答える"妹フェアリー"は、そう話した後に目を逸らした。


ん?今、目を逸らしたわね。一体、どう言う事かしら?


何かを話そうとしたウインドさんを私は制し、続けた。

「ねぇ、本当にあなたは、ずっとここに居たいの?」

「・・・・・」

私が突っ込むと彼女は(うつむ)き黙ってしまった。


家の中は静まり返り、変な空気が流れる。


「テルミュア…僕はキミを愛している。だけど…種族が違うから、難しい事も多いんだ。やはり一旦、キミは家に帰るんだ。僕は、もう一度キミのお母さんと話をするよ。」

サーシスさんが優しく話すも、テルミュアは黙ったままだった。


「聞いてテルミュアさん…フェアリーの里では、あなたは誘拐された事になっているの。」

私がそう言った瞬間、妹フェアリーは顔を上げた。

「違うわ!サーシスは…サーシスは…」

彼女は涙を流しながら首を横に振り"誘拐説"を否定した。

話を聞いていたサーシスも驚いた顔をしている。


「あなたが戻らないと、サーシスさんが捕まってしまうわ。」

すると、彼女は私の目を見つめ…ゆっくりと話した。

「ここには私が無理矢理やって来たの。サーシスは何も悪くない…分かったわ、一旦、家に戻ります。」


「うん、それがいい。」

ライトさんが笑いながら言った。


「ありがとうございました。僕がフェアリーの里まで送ります。」

サーシスはそう言うとフェアリーと二人で空高く飛び立っていった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


テルミュアとサーシスを見送った後、私たちは街へと戻り酒場へと入った。

「かんぱーい!」

ウインドさんが"今日はお疲れ様"と挨拶をした後、みんなでグラスをぶつける。

未成年だけど…ここではお酒を飲める。勿論、本当に飲んでいる訳じゃないから味もしないし、酔っ払いもしない。

けど…なんだか楽しい気持ちになれる。


「キーワードは"あなたは誘拐された事になっている"だったみたいだね。」

「ムーンさん、やったわねー。お手柄よ。」

ライトさんとグリーンさんに褒められ、私は照れ笑いをした。


「"妹フェアリー"さん…ちょっと可哀想な気がするっす。」

グラスを机の上に置くとブロッサムさんが、そう呟いた。

「うん…凄く一途で、サーシスさんの事が凄く好きな事が伝わったわ。」

ブロッサムさんの気持ちに私も賛同する。


「サーシスさんもテルミュアさんの事を想っているからこそ、家に帰るように諭したのでしょうね。」

「あの二人は…今後、どうなっちゃうのかしら?」

グリーンさんの考えを聞くと、私は二人の事が心配になった。


すると、ウインドさんがフェアリーの説明をし始めた。

「フェアリーは女性しか居なくてね、里にあるフェアリーの木から産まれるんだ。多分だけど…他種族の男性と結婚するというのは不可能なんだと思う。」

あー、そう言えば…思い返すと今まで会ってきたフェアリーは、みなさん女性だった。だから…妹フェアリーが多いのね。

「そうか…だからテルミュアは"結婚"という言葉を自ら発した後、目を逸らしていたのね。」


「うーん、でも。異性と恋愛出来ないなんて…つまらないわね。」

グリーンさんの言葉に、みんなが(うなず)いた。


「ところで…ムーンさんは恋愛してる?」

「え?何を言い出すんですか?」

突然のグリーンさんからの質問。

恋愛は…ウインドさんにしている気がする…多分だけど。


「グリーンさん…あんまりそう言う事は言わない方がいいと思うんだ。」

「もう!また固い事を言う!」

仲が良いのか悪いのか、ライトさん達はまた喧嘩を始めてしまった。


「私…彼氏とか、あんまり考えた事が無くって…」

二人が言い争うのを割り入るように、私は答えた。


「あら…じゃぁ、彼氏は居ないって事ね。ウインドさん、頑張って!」

ちょっと…グリーンさん、何を言い出すの。

何か顔が熱くなって思わずハンカチを探した。


「え?いや…オレは…」

ウインドさんが、何かを言いかけたけど言葉を詰まらせている。


「ボクも…彼氏、居ないっす!」

すると…突然、ブロッサムさんが立ち上がってカミングアウトを叫んだ。


「え?…彼氏??」

彼女の間違いよね…私は思わず苦笑いする。


「プハハハハッ」

グリーンさんが、豪快に笑い出した。

「ちょっと…みんな、本物の酒を飲んでいるみたいだな。酔っ払っているのかー?」

ライトさんも同じく笑い出した。


「あ、ボク…間違えたっす!」

ブロッサムさんは、ゆっくりと席に座り直しながらそう呟くと…ウインドさんも笑い出す。


当然、釣られて私も笑いが込み上げて来た。

「クックク…」

「ダメ…お腹が痛い…」

笑いを堪えながら笑っていたら、腹筋が痛くなってきたわ。


本当、この人たちと一緒に居ると楽しい…

そして…ウインドさんは、さっき何を言いかけたのかな?

私の事…どう思っているのかな?


って…その前に明日の期末試験よ!あー、忘れてたわー。

~~~~~~~


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