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【完結】風と月の永遠~サウザントフェアリー  作者: あんそに


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33/117

妹探し〜右京

◇登場人物◇


ギルド”永遠の風”メンバー


一条風斗~ウインド ギルドマスター。男子高校生

三好月代~ムーン  女子高校生

佐竹咲華~ブロッサム 女子中学生

右京~ライト 社会人(営業職)

翠~グリーン 社会人(事務職)


ギルド”幻の兔”メンバー


尼子夕凪~イブニング ギルドマスター。女子高校生

津軽真琴~トゥルース 宰相。女子高校生

新イベント"迷子になったフェアリーの妹を探せ!"が今日から開催される。


今回のイベントも毎日19時〜1時にて開催されるとの話。

俺が属するギルド"永遠の風"は、それぞれが別行動をする事にした。


一人で行動するのにはリスクが伴う。

強いモンスターによって、対象となる妹フェアリーが囚われている可能性があるからだ。


だが、少人数ギルドである俺達は他に選択肢を見出せなかった。

しかも今回はムーンさんが居ない。

俺とウインドさん、ブロッサムさん、グリーンさんの4人で行動する事になる。


「グリーン、情報収集は頼んだぞ。」

「任せて。」

隣に座るグリーン事、細川翠(ほそかわみどり)。共に暮らす彼女と会話を交わす。

俺達は、まずグリーンにフェアリーの里で情報収集をして貰う事にした。

残りの3人は、フェアリーの里の周辺地域を手分けして捜索する。

比較的安全なこの地域を選んだのは、イベント初日から難易度の高いモンスターが出現する地域にプレイヤーを行かせないだろうと考えたから。


「ライトも、トマル湿原の探索を頼んだわよ。」

「おう!」

そう返事をしたものの…フェアリーなんて小さい姿、どうやって探せって言うんだ?

妹フェアリーの気配を感じたら、"各プレイヤーをサポートしているフェアリーが知らせます。"との運営からの情報だが、なんせワールドは広い。


時々現れるモンスターはEランクやDランクモンスター。

まるで弱いものイジメをするかのように瞬殺していった。

「あぁ…つまらないな。」


「こちらテポラ湖の捜索中…まったく気配無し。」

「ナマリカ草原も異常無いっす。無さすぎっす。」

ウインドさん、ブロッサムさんからのコメントが入る。


「トマル湿原も、何も無し…コレ、闇雲に探しても無理だな。グリーンさん、そっちはどう?」

そう尋ねるもグリーンからの返事は無かった。


隣を見ると真剣な表情でキーボードを打つ翠の姿がある。これは…何か掴んだな。


「フェアリーの妹は…家出!家出だわ。おばあちゃんフェアリーと喧嘩したんですって。」

グリーンの書き込みを見て、みんなが静まり返る。

おそらく、他の3人も同じ事を思ったのだろう…


”家出かよ!"


「そんで…家出して、妹フェアリーはどこに行ったんすか?」

「それは、まだ分からないわ。ここで、もう少し調べてみるわね。」

すこし呆れた風な言い方のブロッサムさんの問いにグリーンさんがそう答えた。


「あぁ、グリーンさん、よろしく頼む。」

ウインドさんは、そう答えたが俺達は一体どうしたら良いのか?

「どうする?」

一言だけ、俺は書き込むとブロッサムさんが同調した。

「これは…闇雲に探しても仕方ないっすね。」


「それにしても、イベントのタイトルは”迷子”だけど、迷子じゃないよな…家出って…」

ウインドさんが至極全うな事を言い、続けた。

「でさぁ、家出って、どういう気持ちなんだろ?」


「え?気持ち?」

イベントに登場するターゲットの気持ちって何だ?と思いウインドさんに問いかける。

「そう、妹フェアリーの気持ち。」


「ボク、妹が居ないから分からないっす。」

ブロッサムさん、ウインドさんには妹が居ないようだ。


「あぁ…妹か…」

俺には妹が居る。田舎で両親と共に暮らしている筈…とても仲が良いとは言えない関係。


「ん?ライトさんは妹が居るのかい?」


「あぁ、居る。が…妹の気持ちなんて分からないな…」

田舎にある実家を思い出す。

そう言えば…アイツを怒らせてしまった事があったな。何故、怒らせたのかは覚えていない。

そして…怒った妹は泣きながら家出した。


あの時は…俺は意地になって妹の捜索を手伝わなかった。

どこに居たのだったかな…アイツ。


母親に手を繋がれ、泣きながら家に帰ってきた妹の姿だけは思い出す。

その姿を見て、俺も泣いてしまった。

けど…『ごめん。』と、謝れなかった。

子供だったから仕方ないかもしれないが、あの時の事は今も謝っていない。


「ライトさん?おーい、ライトさーん。」

「あ…、すまない。考え事をしていた。」

無口になってしまっていたようで、二人から名前を呼ばれていた。


「ちょっと待って…ウチの妹も家出をした事があるんだ。」

「お、どこに行ってたんすか?」


なんとか当時の記憶を蘇らせる。

すると…母親の横に立つ、もう一人の大人の女性の姿を思い出した。


「あ、おばさんだ…」

「え?おばさん?」


「あーそうだ、思い出した。アイツは…妹は…いとこの家に行っていたんだ。」

普通なら一人で行けないような距離にある、いとこの家。そこに妹は行っていた。

いとこのお姉さんの事が好きだったからな…あいつ。


「いとこの家っすか!?確かに…家出なら、誰かを頼りにしている可能性が高いっすね。」

「じゃぁ…フェアリーの里の中に、まだ居るとか?」

ブロッサムさんとウインドさんが推測する。


「うーん、フェアリーの里の中には居ないようだけど…仲間のフェアリーが居る場所に行ったかもしれないわね。」

フェアリーの里で聞き込みを続けるグリーンが答えた。


仲間のフェアリー…か。

そう頭に浮かべると、俺は一人のフェアリーの姿を思い出した。

「シーボーンの街にある薬屋の店主…たしかフェアリーだったよな?」


「よし、みんなで行こう!」

「ボクが居るナマリカ草原が、その街に近いっす!」

ウインドさんの号令を受け、最も近くにいるブロッサムさんが居る草原に移動する。

”ギルドメンバーと合流する”ボタンを使えば一瞬だ。


「よし、集合完了だ。急ごう。」

他の街にもフェアリーが居るかもしれないが、頭に浮かんだのは薬屋の店主である美しい姿をしたフェアリーだけだった。


「キーワードがあるみたいなの。」

フェアリーの里で情報収集をしていたグリーンが言う。

「それを伝えれば、きっと発見出来るわ。」


海辺の街”シーボーン”

割と初期の頃に訪れる事が出来るエリアだ。

薬、道具類が充実していて、とても便利な街だが、それは初期の頃の話。武具類はイマイチなので最近はあまり足を運んで居なかった。


「店主さん!」

”シーボーン薬店”と名付けられた店に入ると同時にウインドさんが叫んだ。

美しい羽根の生えたフェアリーが出迎える。


「どうかされたのですか?そんなに慌てて。」


すると、画面右側のサポートフェアリーが声をだした。

「接近中、接近中、妹フェアリーに接近中!」


隣に座るグリーンと頷きあった。

そして、グリーンが店主さんに言葉を伝えた。

「おばあちゃんが悪かった。戻っておいで。」


どうやら、これがキーワードだったらしい。

そう伝えたところ…店主フェアリーはニコリと微笑み。


ボンッと煙が出たと思ったら、小さなフェアリーが現れた。

「じゃぁ…戻ってあげるわ。」


随分と上から目線での発言…だが、探していた”妹フェアリー”である事に間違いは無かった。


テレテケッテンテーーン♪

『ミッションコンプリート』と、画面上に大きく文字が浮かぶと共に軽快な音楽が流れた。


「やったっすね!」

「あぁ、グリーンさんのおかげだ!」

オレ達4人は手を取り合って、喜びあった。


「フフフ、みんなのおかげよ。」

「それにしても妹フェアリーの喧嘩の原因は何だったんだい?」

笑うグリーンに対して俺は質問した。


「あー、おばあちゃんが”妹フェアリー”が大事にしていた、おもちゃを捨てちゃったんだって。」

「なんだ、そんな事かー。」

そう返事をした時、脳裏に過去の記憶が蘇った。


あぁ、そうだ…俺はアイツが大事にしていた、おもちゃを壊してしまったんだ。

なのに何故、謝らなかったのだろうか…妹に『ごめん。』と謝る事がそんなに難しかったのか?

今度、実家に帰ったら妹に謝ろう…アイツはもう、覚えていないかもしれないが…

~~~~~~~


読んでいただきありがとうございます!


ちょっと更新間隔が空いてしまいましたー

基本的に水曜日と日曜日の更新を心掛けています。

どうぞ、よろしくお願いします♪

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