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【完結】風と月の永遠~サウザントフェアリー  作者: あんそに


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妹探し〜トゥルース

◇登場人物◇


ギルド”永遠の風”メンバー


一条風斗~ウインド ギルドマスター。男子高校生

三好月代~ムーン  女子高校生

佐竹咲華~ブロッサム 女子中学生

右京~ライト 社会人(営業職)

翠~グリーン 社会人(事務職)


ギルド”幻の兔”メンバー


尼子夕凪~イブニング ギルドマスター。女子高校生

「トゥルースは、どう考える?」

「イブニング様…捜索系のイベントでは人数勝負になるかと思います。当ギルドが有利なイベントかと。」


今回のイベントは、迷子となったフェアリーの妹を1日に一体、探し出すという内容。大人数で捜索が可能な我々のギルド"幻の兎"が有利な事は間違いない。


「各班長の意見もちょうだい。」

イブニング様は心配性…という訳ではない。

前々回のイベントで下位の少数ギルドに苦汁を味わい、前回のイベントでも冷や汗を覚えた。


一度は油断していたが、二度目は十分に警戒をしたのにも関わらず2位ギルドにまで迫られた。

急浮上してきた小規模ギルド”永遠の風”が、けっして侮ってはならない相手である事を自分は認識した。


「前々回のような油断はしません、今回のイベントでも必ずやトップ賞を。」

「トゥルース宰相の言う通り、我がギルドに一点の曇りも無いかと。」

「我々の力と結束力は、どのギルドからの追随も許しません。」

「決して、イブニング様に恥をかかす事はありません。」


我がギルドの4人の班長が各々の意見を述べた。意見と言うよりも決意表明的な言葉を受ける。

「風」「林」「火」「山」

ギルド"幻の兎"は、この4つのギルドに組分けされている。

1グループにつき20〜30人を振り分け、班別に行動している。

そして班長の事を我がギルドでは将軍と呼んでいる。誰が決めたと言う訳では無いが、いつの間にか将軍となっていた。


ちなみにギルドマスターのイブニング様と宰相である自分は各班には属していない。


「おおまかにワールドを4つのエリアに分けましょう。」

「そうね…あなたに任せるわ。」


「御意。」

イブニング様の指示を受け、自分は4人の将軍に対して指示を送った。

我がギルドのホームがあるこの街は、このワールドの中心にある。ホームを中心に東西南北、4方向に各班を配置し、後は各将軍に任せる事にした。


「イブニング様自身は、今回のイベントはどうされますか?」

「私は、ちょっとリアル都合があるから中盤から参加するわ。あなたはどう?」


「自分は、各班の監視を行います。」

「そう…任せるわ。にしても、あなたのイン率には関心するわ。リアルは大丈夫なの?」


「………現実世界の話はちょっと。」

「そうね、オンラインゲームでリアルの話は御法度だったわ。ごめんなさいトゥルース、聞かなかった事にしてちょうだい。」


現実世界…それは自分にとって…


---------


あぁ…この漫画の主人公、相変わらずカッコいいわー。

ほんと、好きすぎる。

尊いわー。

これは…愛…愛に違いないわ。

漫画、『閃光の執事は悪事を許さない。』15巻を読んでの感想。


『閃光の執事』は貴族に従える執事…だが、実は秘密警察の一員。

普段は貴族の家で執事の仕事を行っているけど、裏では本業である秘密警察の仕事を行い悪者を一掃している。


「カッコいいわー、トゥルース…あぁ好きすぎるわー。」


自分は、趣味であるオンラインゲーム"サウザンドフェアリー"にて、自分がプレイするキャラクター名を『閃光の執事』の主人公と同じ名前、"トゥルース"と名付けた。


容姿、髪型、服装、すべてを"閃光の執事のトゥルース"と同じようにし、仕えるお嬢様に対する態度、言葉使い、すべてを真似ている。


自分が自分の好きなキャラクターであるトゥルースに成り切りオンラインゲームをする。

なんて楽しいのかしら。


ギルドマスターであるイブニング様の我儘(わがまま)強欲(ごうよく)な雰囲気が、『閃光の執事』に登場する貴族のお嬢様にそっくり。

こんなにピッタリなキャラクターは居ないわ。

イブニング様こそ、トゥルースが仕えるべきお方そのもの…


あ、LIMEのメッセージが届いたわ。


「来週に行く話しだったコラボカフェ、一緒に行けそうです。よろしくお願いします。」


きゃー、やったわ。

咲華(さきか)ちゃんと一緒に『閃光の執事』のコラボカフェに行けるわ。


咲華ちゃんは、街中で偶然出会ったお友達。

漫画、『魔法使いのサナサ』が好き同士という理由で知り合った。

『閃光の執事』も大ファンという事で、今回開催のコラボカフェにも誘ってみたの。


「楽しみだわー。」

咲華ちゃんは多分、中学生。私の妹と同じくらいの年齢ね。


「さてと…もう、みんなお風呂に入ったかしら?」

ゆっくりと部屋のドアを開けて様子を伺う。


私は家族と距離を置いている…特に妹の三佳(みか)とは上手くいっていない。どちらかと言うと、三佳が私の事を一方的に嫌っている。

三佳は、漫画とかアニメの事をよく思っていない。私とは違ってスタイルも容姿も良いから、読者モデルとかいう仕事をしていて、”住む世界が違う”と感じている。

両親も、そんな三佳の事が大好きで、小太りで容姿も冴えない私の事は…


「寝たようね。」

深夜のこの時間帯が、ゆっくりと津軽家を歩き回る事が出来る時間。

静まり返った家の中、お風呂場へと向かった。


「( ´ー`)フゥー...」

明日は学校に行こうかなぁ…湯舟に浸かりながら、そんな事を考える。


高校に通っているけど、あまり行っていない。”行けていない”という言葉の方が最適かな。

先週あった期末試験には何とか出席した。

特にイジメを受けているとか、そういう訳じゃないけど…なんだか学校は私の居場所じゃないと感じていた。

さらに、私は朝がめっぽう弱い。前日に”明日は学校に行こう!”と決意したとしても、朝が来るとその決意は崩れる。

学校に行けずに家に引きこもる私の姿も、妹の三佳が私の事を嫌う要因だと思う。


妹…といえば、次のサウザントフェアリーのイベント内容も妹絡みだったわね。

「うーん。フェアリーの妹を探せ…」か。

一日に一体の”妹”を探せ…そんなに簡単には見つけられないし、障害がありそうね。強力な魔物に捕まっているとかありそう。

ギルド順位なんて、本当はどうでも良いんだけど…なんだかイブニング様の事は助けたいんだよねー。


「本当の妹の事もよく分からないのに…フェアリーの妹の事なんて私に分かるかな…」

お風呂場の天井を見つめながら、そう独り言をつぶやいた。

~~~~~~~


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