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【完結】風と月の永遠~サウザントフェアリー  作者: あんそに


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第二回勉強会~夕凪

◇登場人物◇


ギルド”永遠の風”メンバー


一条風斗~ウインド ギルドマスター。男子高校生

三好月代~ムーン  女子高校生

佐竹咲華~ブロッサム 女子中学生

右京~ライト 社会人(営業職)

翠~グリーン 社会人(事務職)


ギルド”幻の兔”メンバー


尼子夕凪~イブニング ギルドマスター。女子高校生

今日は日曜日。

先週初めて(おこな)った勉強会から一週間が過ぎ、2回目の勉強会の日。私は両親に外出を促し、月代(つきよ)風斗(ふうと)を家へと招待した。


月代と風斗は今、私の部屋で二人きり。


「さてと…」

私はスマホのアプリを起動した。

ダイニングの椅子に座り、スマホを立てかける。


部屋に仕掛けたカメラが鮮明に映し出された。

うん、問題無し♪


「若い男女が二人きり…フフフ、何か進展はあるかしら。」


しばらく見ているけど、何も起こらない。

「あぁもう…じれったいわね。」


風斗ったら…行っちゃいなさいよ。押し倒して…月代の唇を奪っちゃいなさいよ…


あれ?ちょっと待って…風斗のファーストキスの相手は、私の方が良いわよね。

そうよ…月代と私、二人と同時に交際するのは良いけど、風斗のファーストキスはやっぱり私よ。


そう思ったら居ても立っても居られなくなり、焼き上がったクッキーをお皿に盛ると部屋へと階段を駆け上がった。


「お待たせー。」

微妙な空気に包まれていた私の部屋…何?私の部屋、こんなに空気が(よど)んでいたかしら?


「えー?どうして、そうなるのよ。」

「だから、カッコの中を先に計算するんだよ。」


「2乗が付く時は、どうしてこう変化するのよ。」

「どうしてもだ、そう覚えろ。」


月代と風斗が言い争いをしている。

おかしいわね、さっきまでは普通だったのに。どうしてこの一瞬で不穏な空気に染まるのかしら?

とにかく…空気を変えなくちゃ。


「お待たせー。おやつタイムよ。」

よほど私が焼いたクッキーを早く食べたかったのね、月代が遅いと怒っている。もう…食いしん坊さんね。


私が焼いたクッキーを月代と風斗も美味しいと言いながら食べ始めた。

「ふふーん、美味しいでしょ。」

うちのお母さんは料理全般が得意、美味しいクッキーを作るのも簡単。出かける前にチャチャっと生地を作ってくれた。

私は言われた通りにオープンの温度を合わしてタイマーをセット、美味しいクッキーを焼く事が出来たわ。


二人の為に私が焼いたクッキー。

月代と風斗が美味しそうに食べるのを見ていると嬉しくて堪らない。


「夕凪は本当、料理が上手ね。」

「そんな事無いわよー、お母さんの指導が良いだけ。」

まぁ…実際、お母さんの影響は大きい。


「風斗に食べさせるなんて勿体無いわよ。夕凪は…好きな男子とかいないの?」

え?好きな男子?目の前に居る風斗だけど…ちなみに好きな女子は月代ね。


「うーん、いるわよ。割と近くに…」

そう言いながら、ゆっくりと視線を風斗へと送ってみた。


「え?誰?…同じクラスの子?」

いやいや、今、私…風斗の事を見てるでしょ?月代…ニブイわね。


じっと見つめていると風斗の顔が赤くなってきた。

うん、やっぱり可愛いわね…風斗。


「今度、誰なのか教えてよ…夕凪。」

だから…月代ちゃん、私の好きな男子代表は風斗なんだってばっ。


「今は風斗が居るから言えないわよね。そうだ風斗、アンタはどうなの?」

月代が風斗に対して、好きな子の事を聞いた。

あら?月代ちゃん…大胆ね。あえて私が聞かなかったのに。


まぁ…風斗は私の事が好きなのだけど…


「何で言わないとならないんだ…今日は勉強会だろ。」

顔を赤らめながら言う風斗。そりゃ私の前では言えないわよねぇ。


「ふふふ。」

思わず笑みをこぼしてしまった私。


「必死に隠すその態度…風斗、好きな子が居るわね。」

追い込みをかける月代。

だーかーらー、本人を目の前にして言えないでしょ!


「居るけど…よく分からないんだ。」

風斗がやっと答えた。

やっぱり私の事が好きなのね。

だけど…よく分からないって、どう言う事?


「よく分からないって…どういう事?」

月代が問いただした。

ちょっと、無理に聞いたら可哀想でしょ。


「どこの誰だか…分からないんだよ。」

そう答える風斗。

え?ちょっと待って…何を言っているの?私は尼子夕凪、ここに居るわよ。


「あー、偶然、電車で会ったとか?何?一目惚れ?」

月代が食い入るように風斗に顔を近づけて質問した。

何なの?誰なのよ?私と月代の風斗をたぶらかしたのは?


「一目惚れじゃないよ…優しさや、素直な所が気に入ったんだ。」

「へー、でも、可愛い子なの?」

月代はグイグイと質問しているけど、私は動揺を隠せず何も言えずにいた。


「可愛いかどうかは…分からないな。性格が気に入ったんだ。」

「へぇー、いいじゃん…顔じゃなくて中身が気に入ったのね。」

風斗の答えに対して月代が返した。


ちょっと…どこの誰なのよ。


「何処に住んでいる子なの?」

「それは…分からない。」

私は思い切って質問したけど…風斗は曖昧な返事をする。


「はっきり答えてよ!」

思わず大きな声を出してしまった。


「ちょっと、夕凪、どうしちゃったの?」

月代が不思議そうな顔をしている。


「あ、ごめんなさい…私ったら、どうしちゃったのかしら。そうだ、月代は…月代はどうなのよ?」

必死に誤魔化そうとして私は月代の事に話題を振った。


「私の事なんて、どうでもいいのよ。」

「おいおいオレに言わせておいて、それは無いだろ。」

月代は言いたくなさそうにしたが、風斗がそれを拒んだ。


「私だって…気になる人くらい居るわよ。」

「え?月代も好きな人、居るの?」

月代の答えに、私は思わず問いかけてしまった。


「好きって訳じゃないわ。ちょっと気になってるだけ。」

「へぇー、どんな人なんだ?」

次は風斗が質問した。


「うーん、強くって…仲間思いで…いい人なんだけどね…たぶん、ニートなのよねー。」

え?ニート?何?月代…そんな人に騙されちゃっている訳?


「ダメよ月代…ニートなんかを好きになっちゃ。」

「うん、だから…好きになり切れないの…気になっているだけ。」

迷っている様子の月代。余計に腹立たしい気持ちになる。


「ニートとか、関係無いだろ。好きになったら仕方ないじゃないか。」

え?何?風斗ったら、何を言っちゃってるの?月代とニートを付き合わせちゃダメでしょ!

将来、風斗は月代と私と結婚するんだから!

あ…風斗も悪い女に騙されているんだったわ…私が修正してあげやくちゃ。


「何も分かってないクセに偉そうな事、言わないでよ。私だってちゃんと考えているんだから!」

急に月代が怒り出した。

なんだか今日は、風斗も月代もおかしいわね。


風斗が勉強を続けようと月代に伝え…勉強会へと戻った。


「はぁ〜。」

とにかく…二人ともよく分からない相手に幻想を抱いている事は分かったわ。


予定より早めに勉強会を終えた私はPCを開け、いつものようにオンラインゲーム、サウザントフェアリーへとログインした。


「イブニング様、昨日もギルド筆頭の座を維持しています。」

参謀であるトゥルースが今回のイベントの状況を説明した。


「ありがと…2位、3位は大丈夫?迫ってきてない?」

「はい、問題無く。差は変動していません。」

忠実なトゥルースは、私が考えている事をわざわざ言わなくても理解し実行する。本当、頼りになる存在。


「どうしたのですか?何か浮かない様子ですが…」

「リアル都合でね…大丈夫、私情をゲーム内に持ち込むなんて事はしないわ。」

ちょっと…私の事を理解し過ぎるくらいだわ。


「あなたが居ると安心だわ…このまま指揮をよろしく。」

「はい、今日もA班からE班まで所定の場所に行くように指示してあります。」

人数が多い私のギルド"幻の兎"、ギルドマスターである私がいちいち全員の行動を把握出来ない。

参謀であるトゥルースを中心に各班の班長が指揮を取っている。


「あの…何だったかな?…えっと…」

「ギルド"永遠の風"でございましょうか?」


「そうそう、それ。今回はどう?」

「昨日の時点で…15位ですね。上がってきてはいるようですが、我々が気にかける程では無いかと。」


「所詮、少人数ギルドね。まぁ…前回は油断した訳だから、一応、注意しといて。」

「御意。」


「そうね、久しぶりに私も戦闘に参加するわ。A班に帯同します。」

「分かりました。手配します。」

トゥルースにそう伝えると、私はゆっくりと移動を開始した。

~~~~~~~


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