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05 静寂の日々
安全確率が下がった日は注意が必要だった。
家の者達が機嫌が悪い。
その時は、必ずやつあたりされるからだった。
なぐられて、ぼこぼこにされて、笑われる。
今まで、それがずっと繰り返されてきた。
静かにしていれば、まぬがれる時もある。
だから、安全確率が低い時はずっと息をひそめて過ごしていた。
けれど、それは完全ではない。
逆に高い日があっても、油断はできない。
一抹の安心を抱きながらも、息をひそめ続けていた。
家の者達の気分は、いつも急激に変化してしまうからだ。