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02 たくさんの予知
その日は、たくさんの人の安全確率が低くなっていた。
対象は、とある地域に住む人たちだけ。
そこからデータを割り出した者達は、チップの管理者はある警報を出した。
災害注意警報。
多くの人の安全確率が一律で下がる時は、だいたい大きな災いが起こる。
今までの歴史の中でそんなデータが集まっていた。
だから、その時も良くない事がその地域で起きると判断したのだった。
人々は身構えながら、日常生活を送っていた。
避難場所を確認し、非常食をチェックし、移動時には安全確認を怠らずに。
みな、そう思い、身構えていた。